Welcome
Information
せいゆう丸釣行記
もう何十年も船で遊んでいると自然がどんなものか少しはわかってくるのでありますが、それでも台風ってやつはどうにもならない。
なんせ影響受ける時間が長すぎる。
はるか南海上にあってもうねりだけはいち早くお越しになるし、通り過ぎても海の中がかき混ぜられてしまって、もとの状態にもどるのに数日かかる。
やっと元に戻ったかなと思ったら次の台風がお出でになる。
去年もおよそ一ヶ月漁に出られなかった期間がありましたなあ。
限られたお休みの時間を利用して船遊びを楽しみにしておられる方も沢山いらっしゃる訳で、そんな時にわざわざ台風なんぞが邪魔しないで欲しいのだが、こればっかりはどうにもならん。
そういえばどうにもならんことの中に潮の満ち引きがありまして、あれって人様がコントロールできる術を発見できたらノーベル賞ものでしょうね。
太陽と月の引力とのバランスで起こる現象らしいが、とにかく待つしかないのであります。
便利な社会生活をしておりますと 「待つ」って事を忘れがちになりますよね。
まあ、お江戸あたりに行きますと 「行列のできる・・・」 で立って順番待ちをなさってる光景を目にしますが、普段宮崎あたりの田舎では時を待つことはあまりありません。
しかし潮だけはとにかく待たんといかんのでありまして、それが小さなボートであろうが何十万トンの大型船であろうが一緒なのであります。
内海港みたいに比較的水深が浅い港は特に待つ船が多いのでありまして、入港待ちをしている小型タンカーや貨物船をよく見かけますよ。
ドックに船を揚げる時なんぞは特に潮が大事でありまして、満潮近くにならないと台船に船を乗っけることができないのであります。
お魚釣りも 「時合を待つ」って言葉があるとおり、お魚がお食事する時間まで待たんといかんのでして、これまたどうにもならん事の一つでありましょうなあ。
食欲増進の手立てがあると良いのだが、こればっかりはホントどうにもならんのでして、例えばもし海中に音楽を流して魚が入れ食い状態になった事例でもありましたら、是非お教えいただきたいものですな。
こうやって考えますとお魚を捕まえる漁業というお仕事は 「待つ」 ことが多すぎて、欲しいモノがなんでも今すぐ手に入る現代人にはひょっとして理解不能な職業に思えるかもしれませんが、やってみると意外に新鮮な感動があるものですよ。
待った末にに手に入れた獲物の価値は格別のものがありまして、いつでもどこでもパッと手に入る品物とは全然違うものですよ。
だから船遊びや魚釣りは非日常で面白いのかもしれませんね。
仕事に疲れたり面白くないことがあったりしたら船遊びでもして、そしたら少しの時間だけど嫌なことを忘れることができるかも。
そうです、そうです。17日(日)と19日(火)に車検のため休漁するところでありましたが、台風が来てる間に受けることにしましたので、カレンダーを変更しましたので良かったら参考に。
ところで写真は先日試しにサンクマール前の潟で上がったキロ近いイサキと1.5kgくらいのメジナであります。
潟では数は出ないけど、沖の瀬では見かけないデカいイサキが出没するのでありまして、上り潮が沿岸を洗い始める今から初夏まで釣れますよ。
これまたその時期まで待たんといかんけどね。