釣倶楽部　せいゆう丸　

思い出のドライブは、あいにくの雨と霧でせっかくのソメイヨシノが綺麗に見れなかった。

おふくろがお世話になってる施設にお迎えで到着したのは午前９時３０分。

助手席にはかあちゃん、後ろの席には親父を乗せおふくろが出てくるのを待ってたら、車椅子のおふくろが職員さんに押して貰って現れた。

手を振りながら比較的元気そうな表情をしてたので、とりあえず安心して職員さんに車に乗せてもらうのを見てたけど、足が麻痺してるので移すだけでそりゃ大変な作業ですわい。

車椅子から自動車に乗せることすら、とてもじゃないが素人の自分には出来そうもない。

９ヶ月振りにおふくろと並んで座れた親父はもう嬉しいばっかりで、話しかけたり用意してたお菓子を食べさせようと一生懸命でした。

ところがおふくろは車が動き出すとほぼ同時にうつらうつらと眠りだし、結局見せたかった日南高岡線も開通した高速道路もずっと夢の中で、用意してたお菓子も食べなかったみたいだ。

時折目を覚ましたおふくろに、親父はしきりに話かけて昔を思い出させようとするものの、悲しいかなほとんど反応することはありませんでした。

おふくろの記憶のかなりの部分が、忘却の彼方へ旅立ってしまったようです。

自分もかあちゃんもある程度予想はしてたけど、親父の落胆ぶりは気の毒なくらいでしたなあ。

家に連れて帰ってひと言「もう元には戻れんのだなあ・・。」　でした。

いつかは誰にでも訪れるのであろう、心の別れだったのかも知れませんねぇ。

さあて休んでばっかりだとおまんまが食べられないから、今日は久し振りにお刺身捕まえに出てみましょうかね。

北風予報が少々気になりますけど。