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せいゆう丸釣行記

2018-09-28 02:44:00

一昨日の出来事ですが、橋の下でまつかさの整備をするため暗いうちから内海に向かいましたが、どうやら台風の進路がこちらに向かうことが決定的になったからでしょうが、漁船のエンジン音が 「ドロッ ドロッ」 と聞こえたので漁港に目をやると、なんと一斉にこちらの避難港に向かって来るではないか。

 

「こりゃエライこっちゃ!」 ということで急いでせいゆう丸のエンジンを掛けて、横にまつかさを繋いだままギリギリ漁船がやって来る前に港の中に逃げ込むことが出来ました。

 

漁船が避難してしまうとロープを対岸に張り巡らせるので、到底港の奥に入ることが出来ずに泣きを見なきゃいけなくなるのですわ。

 

 

 

ということで雨が降っていたこともあり、以前つらつらと軽く目を通してた 「ジェロントロジー宣言  知の再武装で100歳人生を生き抜く」 というタイトルの書物をじっくり読んでおりました。

 

この本の著者は 「サンデーモーニング」 のコメンテーターとしてしばしば出演される 寺島実郎氏で、現在は多摩大学学長をされてるそうな。

 

このお方、民主党政権時代に鳩山さんの外交ブレーンを務められてた関係で評判はあまり良くないみたいですが、評論内容はかなりまともな印象がある。

 

最近自分も還暦を迎えてそろそろ老後の事を考える年になったということもあり、こういった類の本が目に付くようになりましたが、でもまあ知識として頭の中に貯蔵しておけばそのうち何かの役に立つかも知れないと思い、時々強烈な睡魔に襲われながらもじっくり読み通しましたわ。

 

 

 

この欄をご覧になってるお方にはあまり役に立つ情報では無いかも知れませんが、他にネタが無いので仕方なくチョロリと書いてみます。

 

 

「ジェロントロジー」 は普通 「老齢学」 と訳されるそうですが、寺島氏はそれを敢えて 「高齢化社会工学」 と訳するようにしてるそうで、以前この欄で過去に 「超高齢化社会がもたらす静かなる有事」 に関する聞きかじりの内容を書いたことがありましたきましたが、これから確実に到来する超高齢化社会に対して社会のシステムがどうあるべきかを示した内容のこの本は確かに読みごたえがありました。

 

いつの間にか人生100年と言われ始め、定年を迎えても残りの人生が40年もあると意識しなくてはならなくなった昨今でありますが、ここ数年で急激に平均寿命が著しく伸びたわけでもないのに何故そう言われ始めたかを考えますと、恐らく高齢化社会の弊害が顕著に現れてきたことによるものと思われます。

 

日本の人口は1億2800万人をピークに減り始めているものの、今の時点では数字的にはそれほど問題になるものではないものの最近業種によっては 「人手不足」 が表面化してきたのは、明らかに 「働き手」 が少なくなってきたことによるものでしょう。

 

総人口の減少以上に 「働き手」 の減少が著しくなってきたため、介護・運送・建設等々の現場で人手不足が起こり始めているのでしょうが、何故そうなるのかと考えた時行き着く答えは多分 「定年」 であります。

 

 

 

サラリーしていて50歳過ぎたお方はそろそろ 「定年」 を意識し始めると思いますが、 「早く定年来ないかなー。」 と漠然と定年の到来を待っていらっしゃるお方も多いことでしょう。

 

自分たちが若い頃は、良い大学を出て良い職業に就いて定年迎えて老後は悠々自適な生活を送ることが理想の人生と教えられてきた気がするが、時代は変わり寿命が伸びて定年後の人生がもの凄く長くなり、高齢者が増え続け社会保障の先行きが不透明になってくると、悠々自適な老後の夢は幻だったのだと気が付かされる訳であります。

 

まだまだ体力・気力・知力ともに充実している年齢なのに、理不尽にもバッサリ退場と切り捨てられる 「定年」 によってどれほどの人材が賞味期限の烙印押され廃棄されるのだろうかと思うと実にもったいないお話で、そうした古いシステムがわざわざ有能な 「働き手」 を減らしているのは疑問の余地はないでしょう。

 

では何故定年が来るのを待ち望む人が多いのかを考えると、長年働き続けて悠々自適の老後を夢見ていることも有りましょうが、定年を迎えると継続雇用になっても所得が半減したり仕事の内容の変更で不満で生じたりで 「割りが合わん」 と思いつつ公的年金が支給される65歳までしぶしぶ働いて隠居を目指しているものと思われます。

 

ところが農業とか漁業とか自営業のお方にはそもそも 「定年」 の概念が無いから 「働けるまで働く」 という実に明快な目標を立てて仕事をなさってるので、多分年齢を重ねてもイキイキ仕事をされておられるのでしょうが、世の中にはまだまだ働けるのに活躍する場が全然無くて本来の力を発揮できない人は凄く多いと思いますがね。 

 

こう考えると遠い昔に作られた給与体系だったり定年制だったりの社会システムが、今の時代にそぐわなくなったにも関わらず厳然と生き残ってることに一番の問題があり、 「年金生活で悠々自適」 の夢は、実ははかない夢であることを若いうちに教え込み、働ける間は働くというごくあたりまえの生き方を身に付けるようにすれば超高齢化社会になっても大騒ぎすることも無いのではなかろうか。

 

 

 

大昔の国労のような労働組合に属してたお方達には 「働くなんぞ卑しいことだ」 とか 「権利で飯を食うのが理想」 といった間違った考えをお持ちだったようだが、自分の得意分野でずっと仕事が出来るのは随分幸せなことでありまして、ある年齢に達したら奈落の底に落とすような定年制度を一刻も見直して、その人に合った仕事量が選択出来るような鷹揚な環境になると良いと思いますがね。

 

若きに多く配分し、子育てが終わったお方にはそれなりの給与で長く勤めてもらう給与体系にすることが求められるけど、お役所特有の 「そのあたりはなかなか」 的にぐずぐずしてたら、本当に取り返しがつかなくなっちまいますよ。

 

 

 

さてと明後日には台風24号が直撃しそうですが、多少東側に反れると油断してはいけないと思います。

 

今から内海に向かって最後のロープ縛りと片付けと草刈りなどして1日を過ごすとしましょうかね。