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せいゆう丸釣行記

2017-04-11 05:01:00

春の嵐と言いますが、昨日はまさにそんな日でしたなあ。

 

自宅周辺の桜の花は無残にも雨に打たれて散り落ちて、若くて黄緑の葉っぱが目立つようになりました。

 

これも季節の移ろいの一コマなんでしょうが、待ち遠しかった桜の花の鑑賞をもう少し楽しみたかったなあと、ちょっぴり残念でしたね。

 

 

 

昨日はそんなことで外での作業は一切できず、お船の中で何することなく1日ボーッと過ごしてました。

 

それなら自宅で寛いでいれば良いじゃないかとお思いでしょうが、自宅は実質自分の所有ではありませんで、あそこはかあちゃんの住処であり、のびのび出来る場所ではないのですなあ。

 

テレビもあるしパソコンも台所も風呂もあるから当たり前に快適な生活空間なんでしょうが、なぜか日中はお船の中が断然愉快なんですわ。

 

テレビもなければラジオもない、情報ひとつ入らない空間なんですが、何故か魅力を感じますがね。

 

空想したり妄想したり、これからの自分をどうするかなどの考えに浸るのに、自分にとって最適な場所なんですねえ。

 

 

 

 

 

さてさて、明日から沖に出られるかどうか微妙でありますが、操船技術の解説の続きをしましょうかね。

 

 

 

前回でようやく目的地に到着したところまで解説しいよいよイカリを打つ段階になりましたが、その前にやらなきゃいけない重要な仕事がありまして、それは観察なんであります。

 

一刻も早く竿を出して仕掛けを投入したいというはやる気持ちを抑えて、しばらく周りの様子を伺うことが大事なんですねえ。

 

近くにお船が居て、そのお船がイカリを掛けていればその向いてる方向を正確に把握します。

 

陸に向いてれば目標になる建物とか山の頂上とか、目安になる目標物を記憶するか、海の方を向いていればコンパスで方向を数字で記憶します。

 

出来ればちょっと遠めの後ろ側に回ってイカリ綱が向いてる方向を正確に把握出来れば最高でして、ポイントに船を着ける時の有力な情報になります。

 

イカリ綱の方向とお船が一直線になってなければ幾ばくかの風の作用が働いていると判断できますし、もし綱が真下に落ちていれば潮と風の力が拮抗してるのだと想像できますね。

 

 

 

もし周りにお船が居なければシフトをニュートラルにして、若しくはリバースにギヤを入れて船足を止めてやります。

 

船足が止まったことを確認するには、船の周りにはあぶくが必ずあるものですが、それらが流れなくなれば完全に船足が止まった証拠になります。

 

とにかく海の上では目標物がないから完全アナログの世界なんですが、自船がどんな風に動いているかを感覚で把握するのが大事なんですね。

 

それからしばらく潮や風の作用で一定の方向に流れ始めますが、それを確認できるのはGPSであります。

 

P4080298.JPG

 

これは港の中での画面でベクトル線がほぼ真北を指してますが、自船が進んでいる方向を示しております。

 

この時は係留していた時の画面ですからほとんど動いていませんでしたが、お船が潮や風の影響で動き始めるとベクトル線が多少振れながら一定の方向を指し示し始めます。

 

 

ここで注意したいのは、GPSが計算しながら指し示すから仕方ないのですけど、振れ幅は流れる速度が遅いほど大きくなりがちでして、良く〃観察して平均の方向を割り出すことが大事なんですね。

 

航跡ボタンを押して流れる方向をGPS上に記録できますが、使いすぎるとごちゃごちゃになって目障りになるから、自分はあまり使いません。

 

沖磯でイサキやメジナを釣る時は多少ズレててもお魚が餌に寄ってくる場合があるからそこまで神経質にならなくても良いけど、アジ釣りとなるとお船の着け方を失敗すると致命的な失敗になりますよ。

 

 

 

で、どこにイカリを打つかになりますが、それはお船が動いている方向の真逆(180度)方向で、泊めたい場所から50m以上上流側になります。

 

上流と表現しましたが、流れる方向の真逆方向のことを意味してまして、それは刻一刻と変化いたします。

 

50m上流と書きましたがそれは水深30mから40mの場所のことでして、60m水深の場所ではそれよりもっと遠くの100m上流で打つこともありますし、流れが速い時も同じであります。

 

距離を把握するときに便利なのが自船に周りに描いてある円であります。

 

P4090305 のコピー.jpg

 

 

 この写真にはフォトショップで手を加えてますが、一昨日豊漁だった時のGPSの画像で、この時黄色の場所にイカリを投じて赤の場所にピタリと着いた成功例であります。

 

お船の後ろ側に691番がありますが、ここの漁場の最重要なポイントでありまして、小さな小岩なんですがこの南側にビッチリデカアジが居付くのですなあ。

 

この日は潮が速かったからもう少し前の〇のマークあたりがさらに良かったかも知れませんが、良く喰ってきたので問題はありません。

 

距離の目安になるのが自船の周りに描いてある円でありまして、半径50mだから極めて分かりやすいものさし替わりになりますね。

 

つまり着けたい場所から上流側に移動して、その場所がこの円より離れればイカリを打って良いことになります。

 

一昨日は70mくらい上流にイカリを打ったことになります。

 

 

 

イカリ打ちの極意は2つ。

 

1.流れる方向を正確に把握すること  2.着けたい場所より50m以上上流にイカリを投じること

 

であります。

 

 

明日はいろんな条件で起こるエトセトラについて解説します。