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古本屋日誌
今朝は気温は低いものの、風は大したことなく寒さは和らいでいます。
ビームコミックスから田辺剛の「時を超える影」の二巻が出て完結、相変わらずの筆力、画力で現在の漫画の到達点を示す作品です。ぜひお求めください。ラヴクラフトの作品の漫画化で、3億年の昔、太古の昔この地球を支配していたタコのような怪物はあらゆる時代の記録を取りそれを巨大な図書館に保存していた。ところがどうしても倒せない強敵が現れ、何とか地下深くに封印するのだが、自らも滅亡してしまう。しかしこの怪物は何億年というはるかな時間を超えて後世の人間に自らのイメージを脳内に送りつける能力を持っていて、はるか3億年後、人類のある大学教授の脳内にイメージが送り込まれる。それはやがて封じ込めた敵が封印を破り地上に現れるという内容なのだが、教授は引き寄せられるようにオーストラリアに向かい広大な砂漠の彼方にその図書館の残骸をはっけんし、さらに地下深くに封印を見つけてしまい、さらに封印が破られて地上に奇怪な敵が出現しているのも目撃してしまう、という内容です。
種族が滅亡しているのに、その記憶を後世の人間に送り込む能力というのはよく考えたものですね。書物や本に対する偏愛を知っている我々には説得力もあるし、例の「華氏451度」の読書を禁じられた世界で秘密結社を作り密かに朗々と本を読み上げるシーンと同じです。
まあそんな能力があるんなら滅亡しないように何らかの対策を講じられるような気もしますがそういうツッコミは野暮というもの、田辺剛の画力で蘇った不思議な世界を楽しんだ方が賢明です。
今朝は寒かったようだが朝寝をして9時過ぎに起きたのでよくわからない。このところ夕方と深夜、早朝に大きな猫のうなり声が家の中まで響き渡ります。深夜のうなり声は数分続きびっくりした黒猫兄弟は二階の窓際のさんに飛び上がり、凍りついていました。夕方などどんな猫なのか確かめようと静かに出てみるのですが、家のぐるりには全く見当たらない。さすがは野良猫、人間への警戒心は大したものです。
「プレイガイドジャーナル」の1979年と1980年のものをまとまって入手しました。是非お求めください。もう40年くらい前の雑誌ですが、非常に保存状態がよく、まるでタイムマシンで運んできたような色つやです。
1979年のには寺島珠雄の釜ヶ崎のエッセイが連載となっていて、アンコのおっちゃんとの宴会の模様がリアルに書いてあって、富士正晴の酒飲みの詩をその場で朗読して喝采を受けた話がある。2月号には渡辺克己の新宿写真を掲載してコメントが載っているし、もちろんいしいひさいちの「御漫画」もあります。
渡辺克己は風景の切り取り方がうまい写真家でかつて「週刊文春」に天皇の儀式でゴージャスな着物でしゃなりしゃなりと歩いている大型テレビの画面を真ん中に捉えて、そのテレビが置かれている新宿の公園にたむろする日雇いや老人たちの姿を周囲に散らばらせたものが一面ぶち抜きで載った。これは真白かったなあ。
今日は予報通り気温が低い、風は大したことないが空もどんよりした黒い雲に覆われていて典型的な冬空となった。
鵜飼秀徳の「仏教抹殺」が文春新書で出た。廃仏毀釈が暴力的な寺院破壊となったことは知られているが、東京などでは寺と神社を分けただけで緩やかな分離となったが、鹿児島や高知、長野の松本などでは地域の寺を徹底的に破壊したことが詳しく書いてある。
奈良の興福寺も五重の塔が25円で売りに出されたことはよく知られているが、所有者が縄をかけて引き倒そうとしたり、薪を積み上げて焼こうとしたことや、金堂が警察署になり中で暖をとるために天平の千体仏を鉈で叩き割ってくべていたことなどが書いてある。この千体仏のうち50体は京橋の藤田美術館が所蔵している。例のオークションで新館の建築費を300億円調達した美術館だ。
大阪の住吉大社も現在は「桜畑」といわれている本殿に隣接する広大な土地に「住吉神宮寺」という大きな寺があり三重の塔もあったが、廃仏毀釈で完全に破壊されて今は跡形もない。塔は四国のある寺に移築されて残ってはいるがはるばる四国まで持っていかなければならなかったところにこのおかしな運動の苛烈さが伺える。なんせ土塀も完全な解体されていて何も残ってないのだから不思議なくらいだ。
この本には廃仏毀釈の思想的な背景の考察は含まれていないんだが、神道を中心として国家を再編したいゆえに牛頭天王や馬頭観音を祀る神仏習合は許されなかったとの解説はよく聞きますね。でもそんなものはタテマエでしょう。大衆の信仰なんかいつだってそういうものだし、神社を分離してスッキリしたからといって何かが変わるわけでもない。
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今朝も朝寝をして8時半ごろ起きました。底が黒い雲が垂れ込めて少し寒い風が吹いている懐かしい冬空です。
私は大阪市立住之江中学の出身で堺筋の延長である国道26号線を越えて通っていましたが、大和川が近く、従って大きなビルやマンションのような風を遮る施設もない上に国道は土を盛り上げて周囲よりかなり高いので冬は寒風がふきすさいでいました。26号線は北に向かう十三間堀川と並行していたのですが、この川は御多分に洩れずドブ川でヘドロが水底にうず高くつもり、またそこにどういう生命力なのか大量のミミズが住みついている。上から見たら徳川時代には河内の木綿を積んで船場までも行き来したであろう田舟が虚しく乗り捨ててありました。26号線を越えて下に降りる階段の中には焼き板の掘っ建て小屋があり、十三ミュージックのチラシがうず高く貼ってあって「白黒ショー」とか「生板本番」とかいう中学生にはようわからない言葉がありました。
「プレイガイドジャーナル」の1981年の号が少しまとまって入手できました。ぜひお求めやすいください。1月号には島田紳助が主演の「ガキ帝国」の話が紳助のインタビューとともに掲載してあり、まるで安藤昇のエッセイのような悪ガキの生態が活写してあります。梅田の百又ビル地下一階の「バーボンハウス」に金曜、土曜と続けて7時と9時からやしきたかじんのショートがあった、料金は500円からとなっているが、本当に500円でも大丈夫だったんだろうか。
今朝は少し気温が低うて、郵便局にお願いに行くのに今シーズン初めて手袋をしました。
河出書房から火野葦平の「天皇組合」が復刻、戦後あちこちで雨後の筍のように相次いだ「俺こそがほんまの天皇や‼️今のんは北朝の流れを汲んでいるから正統やない」という例の熊沢天皇みたいな事例をパロディにしたもので、かなろ笑えます。ぜひお求めください。
この小説は昭和25年の発行なんだが、当時は名古屋の熊沢天皇を始め全国に10に余る天皇が乱立し、それぞれに系図や三種の神器やらを誇示してその正当性をアピールしていました、どのお方も算数の知識すらお待ちでないようで楽しいわけですが、火野葦平の小説では九州の天皇の息子が女と東京に出て全国の天皇を集めて「天皇組合」をつくりそのパワーで持って現在の天皇に対抗しようとします。労働組合をパロってるわけですが、労働者は確かに利害はそれなりに一致しているからまとまる意味はあるんですが、万乗の君ですよね。
全国の天皇が自分の利害をひとまず置いてまとまるとは到底思えませんよね、だって天皇は1人でいいわけですから、全員敵です。さてその結末は………。