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古本屋日誌
昨日は甲子園でジャイアンツ戦を見た。
雨の予報で、確かに途中雨足が強くなり、中断となったが、それも10分程度で、かえって涼風が吹く好ましい観戦環境となった。
試合は最終回に佐藤がツーランを放って2点差まで迫る面白いものだった。
ただこの試合もチケットは完売なんだけど、かなり空席が目立ち、特に三塁側のアルプスは6割くらいしか埋まっていなかった。
優勝も決まった消化試合をわざわざ見に行こうとは思わないということかな。
でもね、タイガースはチャンピオンチームなんだよなあ。
俺は心の余裕を持って試合を見れるのでありがたいと思ったなあ。
さて、サンスポの記者をしていた喜瀬雅則が光文社新書で『阪神タイガースはなんで優勝でけへんのや?』を出した。
タイガースが弱い原因を綿密な取材で分析した本だ。
個々の細かい話は面白いのもあったが、俺には納得できないところが多々あった。
その中の一つが人気球団ゆえ、番記者が常に張りつき、漏らしたちょっとした言葉を本人の意図とは関係ない方向で記事にしてしまうことを挙げている。
いたいけない高校生上がりの新人はショックを受けるそうだ。
こんな話はこれまで散々聞いてきたが、無能な選手の見苦しい言い訳にしか思えない。
マスコミが選手の話しを捻じ曲げて伝える。そんなもの当たり前ではないか。
プロ野球は興行であり、人気があってなんぼの世界、注目されているのだから、逆手にとって利用してあげればいいだけのこと、ショックを受ける筋合いのものではなかろう。
そもそもタイガースの新人連中は、実力が欠如しているし、努力も怠っているだけのことだ。
それはそういう無能な人材をスカウトしてくるタイガースの給料ドロボーのようなスカウト(ずーっと結果も残せない連中をドラフトで指名し続けるんだから、どうしょうもない)に最大の問題があると思う。
昨日はNHKでタイガースの優勝特番があった。
OBの赤星と岩田が出てあれこれ、優勝の原動力を分析していた。それはそれなりに興味深いものだったが、とりわけ心惹かれたのは尼崎の商店街のタイガースファンの話だ。
60台とおぼしき、おばさんは「10年前に夫を亡くして、何も手につかず気力もなくしてたんです。それが甲子園に行って試合を見て、応援してたら元気が出て生きる活力になっています」と言うのだ。
そうかなあ。
不思議な話だ。
たった6チームしかないセーリーグで18年も優勝出来ない、実にいい加減なチームであり、無能な選手と監督でもあるのに、その試合を見て、何が嬉しいんだろうか。
取材クルーもそのあたりを聞いておくべきなのに、やはり無能な連中で聞き流してしまう。
俺がこのおばさんの心を推理すれば、タイガースの選手の能力が、カープの栗林や菊池、スワローズの村上や小川に比べて劣ってるのはよくわかっている。
監督も矢野とか無能だし、選手を下の名前で、まるで友達みたいに呼んでいて、抑えも効いてない。
だからこの私が甲子園で声援を送って、弱くて脆い選手を激励したいと思うのだろう。
それは自分の不遇な人生と重なるもので、非力ながら懸命に生きてきた自分をも鼓舞するものだったと思う。
ゲストの赤星にしても2005年9月初旬のドラゴンズ戦の9回裏、センターフライをグラブの土手に当てて落球してノーアウト満塁の大ピンチをもたらした張本人だ。
岩田は2008年9月末のドームでのジャイアンツ三連戦の最後に登板して、金本の連続ホームランで2点のリードをもらいながら、5回の裏に突如崩れて大量失点したピッチャーだ。
この辺もクルーなら突っ込んで欲しかったな。
シャーロックホームズ全集はいろんな版が出ているのだが、中でも、ちくま文庫の『詳注版』は人気だ。
この中に「犯人は二人」という短篇がある。ゴシップ(結婚前にショーパブの男に恋文を出していたとか、タチの悪い男と付き合っていたとか)をネタに上流階級の紳士、淑女を脅して金をせしめる男、ミルバートンの話だ。
この話は探偵小説ではなく、ホームズが悪漢を追い詰めるだけのものなのだ。(まあもともとホームズは推理をしているようには思えないけどね)
ホームズとワトソンは夜闇に紛れてミルバートンの屋敷に侵入して、浮気の証拠となる手紙の類を処分しようとする。
それはとりもなおさず、住居不法侵入、器物損壊などの犯罪ですな。手段、方法を選ばず、必要なことはどんどんやる、これにみんな惹かれるんです。
そこへ、ミルバートンが帰ってきてしまい、2人はカーテンの向こうに隠れるのだが、またそこへ、10数年前にミルバートンの奸計で夫となるべき紳士を自殺に追い込まれた女が現れて、ピストルでミルバートンを撃ち殺すのだ。
ワトソンは止めようとするのだが、ホームズに強く制止される。
2人は、銃声を聞いて駆けつける召使から何とか逃れるのだが、翌日デストレード警部が現れて、二人組の犯人の人相を語り、どうもそれがワトソンによく似ている。(そりゃそうだ)
しかしホームズは「普通は被害者に同情すべきものだが、復讐となれば、加害者の行いももっともなことだ」などと言って殺人をこともなげに正当化するのだ。
ここがホームズ人気の原点だよな。やられたらやり返す、殺人には当然殺人で報いる、これは人間の本質をよく示している。
復讐してこそ人間らしさを取り戻せるし、平穏でいられるのだ、と俺も思うよ。
明治の法学者、穂積陳重が『復讐と法律』で述べている。
徳川時代の仇討ちを禁じたのは、処罰の権限を国家権力が独占したいからである。
別段復讐が人間を堕落させるからでも、野蛮であるからでもない。
こういう当たり前の話が素晴らしいのだ。
今日は優勝セールの阪神百貨店に行ってみた。
優勝ロゴの入ったアイテムは24日の日曜日以降の発売だそうで、現状はこれまでの品物しか無いようだ。
しかしえらい盛況のようで、店内アナウンスで入場制限をしているという。
六階の紳士もの売り場では、靴が安く売っている。2003年の優勝の時は、ブリヂストンの紳士靴が2000円均一で売っていたが、今回はそこまで安くはなかったな。
帰りに、コンビニにも寄ってみると、各スポーツ新聞社からタブロイド版のタイガース優勝特別号や冊子が出ている。
その中のデイリースポーツが出した🏆特集号には、今年ホークスから来た大竹のインタビューが載っている。
「ファイターズ戦で1敗した時にすごくダメージがめちゃくちゃあって。
甲子園に帰ってきて練習した時に、西さんに『何でそんな落ち込んでんの?』って言われて。
『7回3失点で8回もいって、何が悪いの?』って感じで言われた時に『そうか』って。
どうしても主観になるとすごくダメだったように感じるけど、確かに『7回まで投げて8回もいかせてもらって、信頼されているからいかせてもらっている』と言われて、そういう話をされたとき、思ったんです。
つまり、周りの人から言えば良くなかったといわれる試合でも、『この一球は良かった』とかそういうものって絶対にあると感じました」
なるほどピッチャーはそんな感じで精神の安定を保っているんだな。
タイガースファンの中にもおんなじような人がいますな。
「5回までの〇〇のピッチングは最高やったな(後は見てへんけどな)」
とか
「△△の2打席目のツーベースはよかったな、あれで、甲子園に来た価値あったわ。(その後のことは知らんで、忘れたわ)」
今、古書会館で古本市をやっている。
いつも思うのだが、朝から熱心にこういうところへやってくるお客さんは文学書が目当てなんだよなあ。
矢野書房や寸心堂が専門にしている近代文学や欧米の文学書には、開店と同時に人だかりが出来ている。
それに対して、京都のシルヴァン書房は古い写真なんかを専門にしている古本屋なんだが、古書会館にはそれは並べず、文庫本や新書、古い単行本をもっぱら扱っている。
古本横丁は和本を専門にしているようだが、300円均一で、むかしの単行本もたくさん並べている。
お客さんから買い取る本は自分の専門とは畑違いのものもたくさんあって、それらは捨ててしまうことも多い。
しかし古書組合に所属すれば、古本市や交換会で売り捌くことも出来る。
おりしも、来月、古本屋大学ということで、古書会館を使って、交換会での入札のやり方指南や組合員の古本屋の苦労話を聞くコーナー、さらには質疑応答も含んだ教室が開催される。
うちは古書組合には所属していない。
今のところメリットがないからだ。
商売は、詰まるところ方法論がちゃんとあることが大切だ。ルーティンワークで同じようにやって、ちゃんと同じように儲けが出れば、問題ないわけだ。
古書組合を通じて商売をするとなると、倉庫の準備、売り方の工夫が必要になるから、これまでの商売のやり方を抜本的に変えなければならない。
ちょっとそれはなあ、と思うわけだ。