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古本屋日誌

2021-03-16 16:49:00

職業によって人格に影響が出る。

農業や牧畜を生業にしてる人は陰鬱だ。いくら頑張っても天候の異変でせっかく丹精した作物がパーになってしまうことがしばしばあるのだから厭世的にもなろう。

旋盤工は手に職があるからどことなく自信にあふれていて「めんどくさなったら辞めたらええ」てな楽天的なところがあるよなあ。

塾の先生はかつてはやる気のない人がしばしばいた。何回も逮捕されてやさぐれてる元活動家とか受かりもしない司法試験を受け続けているバカとか、ちょっと有名大を出ているけどドロップアウトして放心している生活不適合者とかだ。

古本屋はどうだろうか。何代目かの古くからの主人はのんびりしてる人が多いなあ。同じやり方で商売をして生活していけるわけだから当たり前だ。

自分で古本屋を始めた店主は一攫千金を願ってる人が多いな。何かお宝めいたものがないかとチャンスをうかがってる。

でも流通している本にお宝はない。なかなか果たせぬ欲望に身を焦がして欝々として楽しまないとなる。

ただ初代でもマニア上がりの人は別ですね。かなり、楽しそうだ。

「古本屋になったら自分の好きな本人出会えるチャンスが増えるやろ思たわ」

これは確かに叶えられる願望です。


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2021-03-15 16:10:00

4月からAmazonの出荷では本代に送料を加えた値段が2000円を超えるものには出荷の通知番号がある手段にすることが求められる。

うちは郵便局を専ら使っているので、198円で3センチまで可能なクリックポスト、370円でやはり3センチまでのレターパックライト、520円で制限のないレターパックプラスやゆうパックということになる。

現実的な問題としてゆうメールなどの手段で未着があるかというとまったくないです。

だから郵便を追跡できるシステムなどというものは意味はありませんな。

その分送料が高くなるわけで、(うちも当然値上げをします)お客さんにとっていいことなどはない。

ただコロナ騒動で客層が拡大していて、これまで通販など見向きもしなかった人が大挙して利用するようになった。これらの方々は対面販売に慣れているので、どこの誰とも知らない通販業者と取引するのに不安を覚えるというのはよくわかる。

だから実質的な意味は全くないものの、サービスとして求められているということだ。

大衆社会の通弊として意味のないことでもブレーキがかからず行き着くところまでいってしまうということがしばしばある。

だからそのうち今は2000円以上の本が通知の対象だか、そのうち1000円以上と範囲が拡大し最終的には全ての本が対象となるだろう。

そうなれば通販業者の大半は利益を確保できないから撤退してしまい、結果的に客も自分で自分の首輪締めることになるだろう。

というのは論理的な帰結だが、もちろん行動経済学の教える通りそうはいかない。通販業者はなぜか、利益も出ないのに本を売り続けるだろう。
なにせ、今でも本代が1円で、送料が257円という商売としては崩壊している値付けの本がAmazonにはたくさん並んでいる。

かくいううちもそういう本が何点かあるのだ。

これなど手数料、ゆうメール代金を引くと40円くらいしか残らない。「とりあえず40円は儲けが出たなあ‼️」と思うのがバカだ。

仕入れの金や封筒代なども引かないといけない上にそもそも郵送手続きをする労働時間が計上されていない。つまり完全に赤字だ。


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2021-03-14 18:22:00

講談社から出た「福島第一原発事故の真実」は700ページを超える大冊でなかなか興味深い。

3月11日からの事故の連鎖を時系列に辿ってその危機の深まりを感じ取れる。

白眉は米軍が4号機と3号機に蓄えられている使用済み燃料プールの冷却ができていないことに危機感を抱いて、原発から80キロ圏内のアメリカ人に退避を命じた話だ。

日本政府は20キロ圏内にしか退避を命じていなかったのにそれを大幅に上回る広域を指定したわけだ。

全電源の喪失によって本来なら満々と水をたたえて冷却が行われるはずなのにそれがもう5日にもわたってかなわず、米軍は燃料プールの水が蒸発して燃料がむき出しになっているのではないかと危惧したわけだ。

その辺はこれまでも語られてきたから新しい発見はない。

しかし驚くべきはここからだ。

米軍は政府に「なぜ国家的な危機に自衛隊が出動しないのか⁉️」と尋ねてきたとのことだ。

そのため政府は急遽自衛隊のヘリコプターに海水を積み込ませて3号機の上空から投下して燃料プールを冷やそうとしたというのだ。

しかし1回目の試みは上空の線量があまりにも高くて近づくこともできずに果たせず、翌朝の2度目のチャレンジも相当高い所から投下せざるを得ずほとんど水をプールに投入できず失敗に終わったのは周知のところだ。

軍隊は国を守るためにあるわけだから国家の危機に際して兵士が命を賭して戦うのは民主主義国家の根幹であることは歴史的な事実だ。

しかし戦後の日本は国防を全面的に米軍に委ねて、その恩恵を受けてきた長い伝統がある故に、もはや危機に直面しても機動的な対処できる体制がない。

それよりも何よりも、命をかけて国を守る思想的なバックボーンを全国民が喪失している。
したがって日本に戦争は無理で、ある意味では結構なことだ。

ただ緊急事態が発生した際に機敏に必要なアクションに出られないことも確かだ。

天下の碩学、スティーブンピンカーは人類が戦争を駆逐しつつあり、今後大規模な戦争はないと予言している。

そうであるなら軍隊を日本が保持する必要もないし、むしろ戦争などできない自衛隊は歴史を先取りした存在だと誇ることもできよう。

ただ原発事故や地震、大規模な風水害は今後ともいくらでも発生する。そんな時に身を挺してでも他人を助けるバックボーンてなんなんだろうか❓

惻隠の情なのか見るに忍びないという感情なのかよくわからない。

今日でさえ自衛隊員は風水害や地震、火災の際にかなり危険な業務を担わされているが、彼らにどの程度の給料が支払われているのかわからないが、縁もゆかりもない単なる他人のために命をはるいわれなどあるわけない。



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2021-03-13 12:47:00

秦郁彦の近著「病気の日本近代史」の終章はコロナウィルスを取り上げている。

そこに近年の季節性インフルエンザによる日本とアメリカの死者数の一覧が載っている。

日本の場合は毎年3000人くらい、アメリカは5万から6万人くらいが死んでいることがわかる。

秦先生は本文の中で日本の数字に関して「関連死を含めて 1万人くらいが亡くなっているとの推計もある」と書いている。

アメリカの場合どうなのかはわからないけど現在の新型コロナによる死者数は53万くらいになっているから、アメリカは単純計算で季節性インフルエンザにの10倍からの人が亡くなっていることになる。

これは確かに異常な事態だ。 

ただ日本の場合はとにかくコロナに陽性だったら、直接の死因が癌であろうが脳溢血であろうがなんであろうがコロナ死にカウントされている。


それでも死者数は 1万に達しない。この数字は季節性インフルエンザの関連死者数に全然達していないわけだから不思議だよなあ。

日本だけでなく東アジア全体にいえることで、死者数や感染者に占める死者の割合が極端に少ない。

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2021-03-12 18:35:00

今日から日曜まで花隈の神戸古書会館で古本市がある。

初日に早速行ってみた。

とにかく不思議な建物なんだよなあ。

京都や大阪の古書会館に比べてあまりの狭さに驚く。

木造二階建てで、二階へ本を運ぶエレベーターがそもそもない。あるのは急勾配の階段だけだ。

これだけでも異常なのに、古書会館は車を止められる大きな道に面していない。

JRの高架北側を走る幹線道路から更に北に一間もない狭い登り道を上がったところにあって、会館の前を東西に走る道は幅が 1メートルくらいしかない。

これでは重たい本の搬入は手押し車くらいしか使えないし、下手したらダンボールを抱えてえっちらほっちら坂をあがるしかなさそうだ。

二階に通じる急勾配の階段。

手すりが右側に付いているとはいえ、エレベーターもないわけだから、左脇にたくさんの本を抱えて上り下りしなければならない。

おそらくこれまで何人もが足を踏み外して本の山に埋もれてあの世に旅立ったことだろう。怪我ですんだひとなんか自慢にもならないんだろう。

一階は玄関を入るとたたきがあって、そこから一段高くなって中に入るようになっている。

そのためスペースが狭くなっている。以前の即売会ではこの一階の土間で靴を脱いで上に上がるようになっていた。

われわれは靴を脱いで上がるだけだから、面倒だと思うだけだが、日々この会館でセリをやっている業者の皆さんは不便だよなあ〜と嘆くことはないのだろうか❓

結局神戸の会館は立て場の伝統を受け継いでいるのだと思う。

もともと古本屋はゴミ屋の一種なので、古本や雑誌、紙くず、ガラクタなどを野原にリヤカーで運び込んで取引をしていた。

立て場に本を買いに行く時もリヤカーかせいぜい自転車で行っていたから、別段大きな道に会館が面している必要はなかったのだ。

実はこの古書会館は昭和41年つまり1966年の新築なんだよなあ。

なんでも始めの頃の古本市では今のように床の上にテーブルや本棚を組み上げて、客が立って本を見るスタイルではなかった。

床に茣蓙がひいてあり、その茣蓙の上に直接本を並べていた。

つまり客はしゃがみ込んで本を手にとっていたわけだよ。

それにしても21世紀の今日もその伝統を受け継いでいるというのは素晴らしいことだよなあ。

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