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古本屋日誌
畑正憲が「われら動物みな兄弟」で書いた東大理学部のスパルタ合宿だが、その程度のことはいくらでもあった。
文学部の考古学教室でも、昼間の発掘の報告会が夕食後、教授や助手を交えて行われた。
先生が「〇〇くん、昼間な、上から4層目から出てきた石器な、ここい持てきてや❗️」てな命令が下る。
ところが当の〇〇くんは、バカの上に注意力散漫で、石器のことはきれいさっぱり忘れていて、残土と一緒に10トントラックに積み上げてしまっていた。
「あのー先生、すみません、あれ忘れてしもてて、トラックの中ですわ」
「自分なあ、ええ加減にしとけよ。今から行てきて残土から見つけてこんかい❗️
見つからなんだらな、よう覚えとけよ、破門や、二度と姿を見せんなよ」
普通、10トントラック満載の残土から石器の破片を見つけることなどできるわけがない。
これは上が、無能な学生を切りたいのだろう。
察しのいい学生なら、さすがに探しにはいかないだろうけれど、大半の学生はおろおろして一晩中トラックの残土を掻き回しているのだ。
畑正憲が87で亡くなった。
アナコンダに首を締められてもなんともないようだったし、ライオンに噛まれても元気そうだったから不思議な感じだ。
畑にはたくさんのエッセイがあって、角川文庫や文春文庫に収めてある。
初期のエッセイストクラブ賞を受賞したら「われら動物みな兄弟」には東大理学部時代の夏合宿の話が出てくる。
当時、昭和30年代、理学部では夏休み期間中、合宿が行われて教授や院生と泊まり込んで、朝から夕方まで実験をやり、そのレポートを提出することが義務付けられていた。
首尾よく🆗が出ればいいのだが、不器用なのや要領の悪い学生は、「やり直せ❗️」と言われてしまう。
食事もそこそこに再度実験にとりかかり、深夜までかかってしまう。
ほとんど寝る間もなく、朝から実験開始で、次第に意識が朦朧としてきて、なんと思ったかテーブルにある塩酸の瓶を取り上げて飲もうとするのだ。
目ざとく見つけた教授に突き飛ばされて、ことなきを得るのだが、実に大変な合宿だよなあ。
自営業は全ての業務を自分でこなすので、コスト意識が希薄になりがちだ。
2日前の京都行きのコストを計算してみた。
まず金の面、トヨタレンタリースで普通車をかった代金が7000円、ガソリン代が1080円(満タン返し)
本の代金が4000円、先輩へのお礼が1万円、飲食費が昼は2500円、おやつで1500円、晩の飲食費が7800円。
合計30000近い。
次に所要時間だが京都、寝屋川の往復に4時間、積み込み作業などに30分。
合計4時間半。俺の時給を1000円としたら4500。
この後、本はネットにあげないといけないので、写真を撮ったり、その前にコンディション確認や汚れを取る作業もしたりする。
冊数は大型本が40冊くらい、雑誌が250冊くらいだから、一点処理するのに5分として、合計25時間くらいかかることになる。
もし自分でやるとなると、時給1000円としても25000円要ることになる。
さっきの4500円と合わせると29500円必要となる。
従って今回はどんなに少なく見積もっても必要経費は59000円くらいだ。
だから売り上げは、この倍くらいはいかなくては意味がないのだが、どう考えても無理だな。
結局自営業者は自分の人件費をないものと考えて商売を続けていくケースが多い。
この時の心理は(これはおれの店だから仕方ない)とか(人にやってもうたら、楽やけどコストを考えるととても無理だ)とか(こんな体たらくではとても商売をしてるとは言えない、完全なボランティアだな。本好きのお客さんの奴隷だ)とかではないのだ。
こういう少なくとも合理的な発想は全く出てこない。
(明日までにネットへの登録やっとこう)(早よせなあかんな)しか思わない。
こんな話をくだくだしているのは、日能研関西のことがあるからだ。
この会社は中学受験の進学塾なんだが、これまで少なくとも、2回過労死事件が起きている。
1回目は2000年の1月の算数課のリーダー(課長のこと)だった酒井が、くも膜下出血で亡くなったことだ。
酒井は倒れるまでの53日間、休みをとっていなかったのだ。
俺は管理職になったことはないから、中間管理職の状況はわからない。
ただ中間管理職も自営業者みたいな心理になるのかなと思うのだ。仕事が次から次へと溜まってくる。
それを部下に割り振るのだが、例によって出来の悪いのもいるから、遅々として進まない。
合理的に考えたら労働時間内にこなせない仕事を出してくる上がバカであるのは間違いない。
また仕事もできないのを押しつけてきて、締め切りを守らせようとする上の連中の管理能力の欠如、人を見る目のなさは呆れるほどだ。
しかし、なかなかそういった合理的な発想にはならないのではないのか❓
まるで自分の会社であるかのように、不思議な感覚に囚われて、粛々と業務をこなそうとするわけだ。
昨日は寝屋川市駅近所のトヨタレンタリースでクルマをかって、(乗用車を八時間レンタル、保険付き、ネット予約で7000円くらい)第二名阪の下道で京都まで買取に出向いた。
俺は運転できないので、何事もそつなくこなす先輩に運転はお願いした。
12時過ぎに寝屋川を出て、目的地に到着したのは2時くらいだ。目立った渋滞はなかったものの、第二京阪の合流地点周辺で数回流れが悪くなった。
お客さんは桝形商店街近くのマンションの三階にお住まいで、わざわざ一階まで本を御運び頂いている。
おまけに雑誌は揃えて段ボールに入れてあったり、きちんと紐で結えてある。
これは、もちろんありがたいことなんだが、逆に「この手の本は買取が出来ないんですよ、すみません」てなことは言いづらい問題もあるのだ。
拝見するとディアゴスティー二から以前出ていた週刊本の『源氏物語』がバインダーに閉じてあるやつ。しかし見てみたら最後の10冊が無い。
また70年代の初めに国語研究所が出した大部のシリーズ本、これは全7巻なんだが、やはり6巻しかない。
ほかには昭和30年代に早川書房が出していた劇関係の雑誌がバラでたくさんあった。
またこれも昭和30年代初頭に出たシリーズなんだが、「写真でで見る日本』、これは箱に入った全20巻が揃っていた。
どの本も売りにくそうだよなあ。
でも断るわけにもいかない。
ありがたく頂戴して車に積み込んですぐに京都を出て寝屋川に向かう。
3時過ぎに中書島あたりに着き、くたびれたのでサンマルクカフェで休憩し、寝屋川市内のガソリンスタンドに立ち寄って満タンにして(8リットル消費していた)トヨタレンタリースに返却したのは5時くらいだった。
8時までの契約だったが、早く返したということで、300円ほど返金があった。
結局、寝屋川から下道では、京都市街まで片道2時間くらいかかることがわかった。(京阪電車なら40分で三条に着くところだ)
乗用車に乗るのも久しぶりで、車が第二京阪の高架下にすっぽり入って路面が暗くなると、少しタイムラグはあるものの、自動でヘッドライトが点くのに驚いた。
ところが、帰りしな、サンマルクに入って出てきたところから、道に凹凸があって少し車がバウンドするたびに「ピーピーピー」と何やら警告音らしきものが鳴るのだ。
初めは半ドアかなと考えたが、運転席の文字盤に目を走らせて、半ドアを示す赤い表示はない。
やがて車が上り坂にさしかかると、一層激しく鳴る。しかし何が問題なのか、わからない。
電子音でもなんでもいいから「ここがこないなってまっせ、あんじょうしなはれや」と指摘してもらわないと意味がないばかりか不安ばかりがつのってくる。
どうも後ろのドアがあやしい気がするのだ。
譲り受けた本は後ろのドアを開けて放り込んであるから、上り坂で本がずり落ちようとして、ドアに当たるので、けたたましく警告音が鳴っていると思うのだ。
信号で止まった時に車から降りて、締め直したら静かになった。
昨日は20年ぶりに大阪ドームに出向いてホークス戦を見た。
チケットは、嫁が勤めるスーパーの従業員割引で、一塁側内野席、ビール一杯付きで3000円。
2連覇を果たし、日本一にも輝いた栄光のバファローズだ、しかも宿敵ホークスとのホーム開幕シリーズ、客の入りは上々に見える。
甲子園のファンに比べると若者が多い。誠に結構なことだ。
地下鉄と阪神電車からアクセスもよく、隣接するイオンモールの2階から直接の球場に入れるのもよい。
甲子園の場合はダイエー(今はイオン)で買い物をして、いったん外に出た、阪神高速の高架をくぐって球場入りする。
おなじイオンでも規模は全然違うし、イオンの2階出口を出たところが、すなわち一塁側内野席入口になっているのが素晴らしい。
外野は空席が目立つものの、内野席はかなりうまっている。
ロビーにはチャンピオンフラッグが、集合写真とともに掲げてあり感動もひとしおだ。