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古本屋日誌
京阪電車の株主優待の品々がヤフオクにいろいろ並んでいる。
その中でも半年間、自由に乗り降りできる定期券は手に入れたい品だ。
2020年あたりは、リモートワークが推奨されて、出社する人が減ったせいもあって59000円くらいで落札されていたのを見たことがある。(それでも大半は6万円台だった)
今年は、あのくだらないコロナ騒動も終息した上、優待券の発送が6月20日で、使用開始の7月11日まで、さして日数がないということもあって、早めに入札する人が多いだろうから、落札予想金額は75000円あたりではないだろうか。
いつも思うのだがTOKAIチケットや甲南チケットといった、金券ショップがたくさん定期券を出しているのは実に不可解だ。
京阪電車の株券を6800株以上持っている人に、優待として定期券などが贈られるのだが、それが不要となれば自分でネットに出品したらもっと儲かるのにね。
それを金券ショップに売ってしまうと、半分くらいしか儲けがないと思う。
しかし、金持ちは出品したり、落札者に送付したりという手間がそもそも煩わしいのだろう。
なにせ彼らはブルジョワ階級だからな。
それはいいとして、買い受けた金券ショップも不思議だよな。ヤフオクに出品したら、手数料として落札価格の1割くらいが差し引かれてしまう。また定期券は大半の出品が送料込みとなっているから、それも持ち出しだ。
利益を考えたら、店舗で予約を受け付けて(買う人はずっと買うのだから、一回客を掴めば後は、特に営業も必要ない)手渡しした方が儲けは大きいと思うのだが、なぜヤフオクにわざわざ出すんだろう。
産経新聞はかつては占い記事がたくさん載っていて面白かった。
毎日毎日、同時にいろんな占いが紙面に載っているので、よーく読んだら縁起の悪い日はない、今日も大丈夫と元気になるのだ。
秦郁彦は例の南京事件で、20万人が虐殺されたという中国共産党のご意見や、そもそも虐殺などなかったと否定する連中まで、あれこれ意見が飛び交う中、極めて実証的に5.6万の、虐殺はあったことを示した碩学だ。
1932年のお生まれなので齢卒寿でありながら、今回新潮新書から『ウクライナ戦争の軍事分析』を出した。
ロシアによる侵略戦争の行方を示した本だ。
秦郁彦は4つのシナリオを示しているが、シナリオ1はこれまでような消耗戦が続き、3年目に突入する。
シナリオ2と3はウクライナがロシアを追い詰めるもの、シナリオ4はロシアがキーウ占領を目指して攻勢をかけるというものだ。
それはさておき、この本の後書きで秦郁彦は、産経新聞の『正論』欄に2022年の4月に寄稿を求められた話を書いている。
「ウクライナ戦争、ロシア軍の敗因を探る」と題されたものだ。
ところが、ファックスで原稿を送ったのに2週間も連絡がないので、電話したら編集委員のSが「レベルが低いので掲載できない」という。
秦郁彦はこれまで30本くらい産経新聞に論考を掲載しているが、一度も書き直しを求められたことはない。
しかしSは「とにかく、レベルが低いから書き直せ。不服なら全部をボツにする」というのだ。
結局秦の論考はボツになり掲載されなかったのだが、今回この新書に全文が掲載されている。
さてどこが産経新聞、つまり我が国の支配階級の代弁新聞の奇譚に触れたんだろう。
邪推を働かせてみた。
それはおそらく「ウクライナ産ミサイルを導入せよ」の下りだと思うのだ。
「四月十四日には黒海艦隊の旗艦である巡洋艦「モスクワ」が、ウクライナ国産の地対空ミサイル「ネプチューン」によって撃沈された。
台湾侵攻をもくろむ中国は衝撃を受けたようだが、尖閣を、かかえたわが国にとっても他人事ではない。
自衛隊は若干の地対艦ミサイルを装備してはいるが、ネプチューンの追加配備を検討してもらいたい」との内容だ。
秦先生はどうなんだろう、役立たずの自衛隊をおちょくる意図があるのかもしれない。
一方、産経新聞は国防へのおちょくりは嫌なんだろうか。
あるいは自衛隊の装備がウクライナに及ばないと指摘されたと考えて、それがたまらなかったのかな。
でも我が国は、そもそもアメリカの犬であることを選択したわけで、戦争などできるわけもないし、するつもりもない。
一方、ウクライナは侵略者のロシアと8年も戦争を続けてきた。
そりゃあどう考えてもウクライナのミサイルは実戦的であり、練度や気合の入り方、敵愾心、そのどれをとっても自衛隊などお笑いでしかない。
秦先生はおちょくりも、入っていたのかもしれないけれど、軍事的にもごく当たり前のことを述べているのだろうと思う。
今日、明日の2日間、御池通りの地下、ゼスト地下街で古本市。
ここも12店が出品しているのだが、すべて京都の古本屋だ。
現在藤井大丸の地下でも古本市が開催されている。
昨日、藤井大丸のあるところは東京でいえば、銀座、大阪でいえば心斎橋、つまり一等地なんだと書いた。
でも京都の人に言わせるとそんなことは全然ないんだそうだ。
「俺は京都市内に80年くらい住んでるけどな、藤井大丸にいたことはない。だいたい大丸とか高島屋に行くわけよ。デパ地下やないやろ、あそこは。スーパーが地下に入ったあるんや。」とのことだ。
そうなのか。
そうだとすれば古本業界という零細産業と藤井大丸というこれまた百貨店業界では大手とはいえないところが、互いに手を携えて細々とやって行こうということなのかもしれない。
その話はとりあえず置いておく。
今日からのゼストの話だ。
レジは現銀しか受け付けられないのは不便だ。
確かにたくさんの古本屋が集まっているので、カードやスマホ決済を入れたら後で配分するのが面倒なんだろう。
仕方ないかな。
こうた本の最後のページに出品した古本屋の名前と値段を書いたスリットがはさんである。
大阪の古本市では、レジスターに、参加している古本屋ごとに番号が割り振ってあって、レジの人は一々古本屋の名前と値段を読み上げる。
「厚生、450円」するとレジスター担当の人が「えーと、厚生、厚生と、あ12番やな。ほいっと。はい次」てなことをいいながら、レジに割り振ったその古本屋のボタンを探して、それを押してから金額も入力する。
これは時間の無駄だ。
参加している古本屋がたくさんあると、レジスターのどこにあるのか探すのに手間どっている。押し間違いも発生している。
その点、京都の、この古本市はとりあえず、値段だけ読み上げていく。
「500.450.350.1200」てな感じで、さっさと合計金額を出して精算する。
スリットはささっと抜き取って回収している。
古本市が終了してから、古本屋ごとに売上を分配するんだろう。
昨日から四条寺町の藤井大丸の地下で古本市。
また2日前からそのすぐ西側の東急ハンズ一階入り口前で、小規模な古本市。
さらに今日からはゼスト御池の河原町広場で古本市。
京都はもともと学生が多いし、教員もたくさんいるので(なにせ日本には800も大学と称する機関があるのだよ)本の需要は高く、人口比の古本屋数は東京と大差ない。
藤井大丸は京都の中心部(すぐ前は四条通りで新京極となる)に昔から店を構えていて、東京でいえば銀座であり、大阪だったら心斎橋だ。
でも銀座の百貨店が地下の催し物会場で古本市をやるだろうか。
心斎橋では、大丸が階上の催し物会場で古本市を開催していたことがあるけど、もう随分前にやめてしまった。おそらく儲からないからだろう。
それが京都では、儲かるのかどうか、よくわからないし、ひょっとしたら商売としては成り立たないのかもしれないが、ちゃんと古本市を年に何回かやってくれるのだ。
参加している古本屋は京都のは19店のうち6店しかない。
あとは大阪、神戸、奈良、三重、金沢、丹波、彦根、富山からわざわざやって来ている。会期は7月2日までの10日間もある。そんな遠隔地からやって来ても古本屋は儲けが出るのだから、藤井大丸に払うショバ代などがかなり安いのかもしれない。
今から40年前、1980年代の半ば藤井大丸の模様替え工事(一階のショーウィンドウの展示を総替えするとか、催し物会場の撤収など)は藤ノ井工務店が請け負うことがあった。
模様替えは店が閉まってから、深夜まで一気にやらなければならない。
当然人手がかかる。藤ノ井さんは学生を手っ取り早く集めたいので、熊野寮にしばしばアルバイトの依頼をしてきた。
4時間で7000円という、40年前の物価からして非常によい美味しい条件で、熊野寮の学生は喜んで仕事に行っていた。
夜中、藤井大丸の作業場に行ってみると、40人からの学生が集められていて、人海戦術で運び出し作業をする。
なかなか壮観なんだが、ものの2時間くらいで作業は終わって、もちろん満額バイト代は支給された。
その当時の学生は極めて非常識で、また勤労意欲などゼロに等しかったが、それでも「こんなちょろい仕事で、ようさん銭もうてええんやろか」との話が出ていた。
(そしてこういう非常識なほど好条件の仕事が、舞い込んでくるので、熊野寮の学生はますます怠惰になるわけなんだが)
何が言いたいのかというと、藤井大丸さんは学生が好きだったのかなということだ。
模様替えにそこまでの学生はいらないことくらい、わかっていただろうし、作業が2時間程度で終わっていたことも、もちろん把握してしていたはずだ。
それにもかかわらずいつも通りのラクなお仕事を提供している下さるわけだからね。
今回の古本市も、もしかしたら藤井大丸の道楽の一つなのかもしれないと、邪推している。
通常ありえないことなんだが、ごく稀にお客さんが自分の住所を間違えて送ってくることがある。
郵便番号の間違いなら、少し時間がかかるけど、ちゃんとあて先に到着する。
しかし住所そのものが間違っていたり、番地を書き忘れていたりすると、当然「宛先不明」で返送されてくる。
しかし投函して程なくなら、(つまり投函してからお客さんの方から、住所が間違えていたと申し出があったみたいなケースだ)郵便局に出向いて正しい住所を書いた用紙を提出すれば、組み替えてちゃんと配達してくれる。
ただこれは相当な手間がかかるので、580円料金がかかる。