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古本屋日誌
2023-07-15 22:52:00
大原富枝の『ストマイつんぼ』(昭和31年)をようやく入手して、一読した。
いまではあまり使うこともなくなった「つんぼ」を表題にしている作品で興味深い。
結核の治療薬としてストレプトマイシンが用いられるのだが、時には難聴や耳鳴りを引き起こす。
しかし結核は当時死病と恐れられていたので、「難聴になるくらい、構わない」とストマイを服用する人たちはもちろん多かった。
主人公は、結核との10年以上にわたる長い付き合いで、結核菌に親しみを感じて「彼」と呼ぶようになる。
また、周りの人たちにもシンパシーや哀れみを、犯罪者にすらおぼえるようになる日常がこまかく描いてあった。