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古本屋日誌
10日の日曜、3年前に87で他界した父親の納骨を天王寺さんでやった。
西門近くの合同墓に収めてもらえるのだが、2時に六時堂の受付に行くと、たくさんの人たちが訪れて順番待ちとなっていた。
近くの一心寺が骨仏を作って供養してくれていたが、このところは受付を停止している影響もあるのだろう。
遺骨にこだわるのは最近の流行だよな。
もともと日本の伝統では骨はほかしていた。京都の鳥部野なんか埋めもせずに露天に晒していてから、鳥葬だな。
その後埋め墓と参り墓を区別する流れもあったけど、結局参拝するのは参り墓だから、遺骨なるものを特別扱いすることはなかったのだ。
それが骨にこだわるようになったのはいつからなんだろうかね。火葬も中途半端な焼き方で骨は残すようにしているからね。
89になる足弱の母親も来ていて、終わってから、二人の妹夫婦、その子どもと上本町9丁目のファミレスで食事した。
下の妹の子どもは今年中学受験で、馬渕教室に通っているのだが、あと1ヶ月で本番ということもあって、妹の方は少しナーバスになっていて
「お兄ちゃん、どうかなあ〇〇中学の志願者数は多なってんのかなあ」と聞いてくる。
それを横で聞いていた母親は「お兄ちゃん(俺のことだ)もな、中学すべったんやから」という。
さて、妹たちのツッコミはどうなるのかな❓と思ってたら、
「このポテトフライ美味いで、誰か食べへんか?」と話題をそらしてしまった。
俺が大昔に中学受験失敗したことを言っても、慰めにも、参考にもならない。そんな意味のないことは言わなんだのに、不思議だな。
池松舞とかいう歌人が『野球短歌』という本を出した。
なんでも東京在住のタイガースファンで、2022年の全試合で(といっても初めの、ずっと負けていた頃のはない)歌を詠んだということだ。
「いいえ私は阪神の女ノーアウト二塁で点が取れないの」
こんな感じの歌だ。
タイガースを贔屓にしているがゆえ、怒りや悔しさにとらわれてそれが日常生活に影響を及ぼしそうになることはよくある。
この本はそのあたりを上手く詠みこんではいるな。
ただ所詮、他人がやってることなので、自分の力ではどうしょうもないという当たり前の話や、それでも侵入してくるブルーな気分をなんとか消し去ろうと努力するところは表現できてない。
さらに、タイガースの選手に力がないのはよくわかっていて、それを踏まえて各球団のエースピッチャーに「おまえ、ええ加減にしとけよ。ちょっとは手加減したれや」と叫んでしまう不思議な感情などはまったく表現されていない。
こんな程度の歌ではダメだ。
今日から谷町四丁目の大阪古書会館で古本市。
今回はシルヴァン書房や淡路の古本屋は参加してなかった。
昭和17年の『螢雪時代』があった。大学入試に向けての問題演習や解説が載っているのだが、もう80年も前の受験雑誌を保存していた人がいるとは驚きだ。
また昭和50年ごろの雑誌『FOCUS』がダンボールに何箱も積んである。センセーショナルな記事ばかりだから、その価値はすぐに衰えてしまう。それにもかかわらず、いつまでも保存しておくというのも不思議な話だ。
その足で天満橋から京阪の特急に乗って、出町柳。雨が時折降る生憎の天気で足元がじるいのだが、百万遍で手作り市があるのだ。
京都では15日は百万遍、21は東寺、25は北野の天神さんで少しタイプを異にしながら、手作り市が行われている。
お目当ては八尾から出店している「川越巽」で毎回可愛らしい猫の頒布鞄を持ってきているのだ。
今回はファスナーは付いてなくて、ラクに中のものが取り出せるタイプのやつを買う。(3500円だが、200円引いてもらった)
おばさんの話では「今日はなあ、雨やさかい客少ない。25の北野はもっと広〜いとこやよってな。それにしたかて、12月にこないな雨てな、ないことやで」
ここの市ではカバンやセーター、食器、ハンカチ、雑貨などに加えてパン、コーヒー、お餅、蜂蜜、ちりめん山椒、スポンジケーキ、シュトーレンといった食品もたくさん店が出ている。
今日は雨であれだが、お気に入りのグッズを買い、コーヒーをいれてもらい、美味しいクッキーやパンも手に入れてそこかしこでお茶会もできるのだ。
長い老後の楽しみとして、これはなかなか乙なものだよなあ。
どの店も客を捕まえようと、いろいろ話しかけてくる。
わずらわしい、買うかどうかわからないのに、「味見して‼️」と渡されたら断りづらい、との意見もあるようだ。
でもそういう人は別のお店で買い物すればいいと思う。
小金を持った年寄りや若いひまじん、店員とやりとりしぃもって買うのが好きというわれわれ同様の人種にとっては、快い場所だ。
京阪電車の株主優待がヤフオクに12月1日から続々出ている。
6ヶ月定期券が欲しいのだが、今のところ8万くらいで落札となっていて、7万くらいで買いたい俺としては手を出せない。
ただ、使用開始は来年の1月11日だから、まだ1ヶ月くらいはあって、早めに手に入れてもメリットは何もない。
むしろ支払いをすぐにしなければならないからデメリットしかない。
阪急電車の6ヶ月定期券はたぶん6万くらいで入手できるようで、京阪の方がずいぶん高い。
阪急は、京都から大阪を経て神戸まで乗ることもできるから、極めてお得で、大阪と京都を繋いでいるだけの京阪が高いのは解せない。(ただ、京阪電車は大津まで行こうと思えば可能だが)
俺が思うには阪急の株をたくさん持ってる人が多いので、定期券の供給も潤沢だからなんだろう。
いつも思うのだが、TOKAIチケットとか甲南チケットなんかの大手のチケット屋がたくさん定期券をヤフオクに出品してるのは解せん。
なぜ店頭で売らないんだろう。
オークションは確かに売れるのだが、手数料が8.5%くらいかかるし、送料も自前で負担しなければならないし、いちいち客の住所をきちんと管理して直ちに送付する手間もバカにならない。
オークションなら思わぬ高値がつくかもしれないと思うのだろうか❓もちろんそんなことはない。
6ヶ月定期券はいくらでも市場に出ている商品に過ぎず、希少価値は全くないから、相場は決まっている。
6万5千円から8万の間で、大半は75000円くらいだ。
店頭で売れば、その場で現銀が入ってくるし、郵送やら、なんやらの手間もないし、第一、胴元に手数料を払う必要がないから儲かるのだ。
1831年、ビーグル号で太平洋の荒海の航海に出たダーウィンはジェントリーで、生涯定職は持たず、旅と思索、研究生活を送った天才だ。
領地から上がる莫大な収入があったのだが、金持ちの大半はバカなんだが、彼は違っていた。
それは彼の類稀な天分に加えて、蓄積した大英帝国の富と繁栄の賜物であって、この沈滞した現代日本ではあり得ないと思っていた。
ところが草思社から、松島駿二郎が出した『タスマニア最後の女王トルカニニ』を読むと、いやいや、現代でも「旅行作家」なるものが存在していることがわかった。
松島は1942年の生まれで、上智大の経済学部を出た後、旅行記、ガイドブックの編集者として30年のキャリアがあり、自らも世界を股にかけて好奇心の赴くまま、貴重な本をいくつも出している。
中でもこの『タスマニア最後の女王トルカニニ』はオーストラリアの南にあるタスマニア島(北海道くらいの面積がある)をイギリスが流刑地として植民地化して、原住民を住み慣れた故郷から僻地に隔離し絶滅に追いやった犯罪行為を余すところなく暴いた名著だ。
欧米の植民地支配は、我が国が朝鮮や台湾に施した微温的なものではなく、文字通りのジェノサイドであったことがわかる。
オランダが南アフリカの黒人を全滅させ、その後労働力を確保するために、中部アフリカから黒人奴隷を大量に輸入したことはよく知られている。
しかしタスマニアでのイギリス人の蛮行は仄聞にして知らなかったな。
オランダにせよ、イギリスにせよナチス同様のジェノサイドに手を染めながら、しれっとしてなかったかのような態度を取り続けているわけで、その辺りはわれわれも学ばなければならない。
大東亜戦争もこの連中の驥尾について、真似をしようとしただけで、それ以上でもそれ以下でもない。