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古本屋日誌

2020-03-06 10:13:00

雑誌「BRUTUS」の3月15日号は「大阪の正解」と題して飲み屋、バー、名所、建物、キャバレー、古本屋、レコード屋などを網羅したガイドブックだ。
「夜ふかしの正解」としてキャバレー「ユニバース」が取り上げてあって60年代の内部の写真が見開きにカラーで掲載してある。
センターにステージがありここに向けてダンサーの乗る円盤が降臨してくる仕掛けだ。ステージを中心に客席がサークル状に何重にも取り巻いている。ポスターのあおり文句は「世界最大の超弩級キャバレー、世紀の大開場愈々迫る❗️❗️」だったり、「社交係3000人、大募集受付開始」などとある。
カラー写真を見ると場内は紫めいた漆黒の中にきのこ型の赤いテーブルライトが輝き、その奥に白く照りかがやくステージを見はるかせるようになっている。
社交係3000人はどうかと思うが、ダンサー以外にホステスは常時500人いたそうだから大した繁盛ぶりだ。
それにしても「世界最大の」という形容はいいのかなあ〜〜宗右衛門町の「メトロ」や「富士」なんかの方が大きい感じもするのだがほんとのところどうなんだろうか。

昨日は心斎橋に出向いてあれこれ散策。長堀通りから一本北に入った、心斎橋筋に面した角地にあった喫茶店がクリスビクリームドーナツになっているのでビックリした。
以前は周防町通りと心斎橋筋の角に大きな店舗があって当初は行列もできていた甘~~いドーナツ屋だ。
そのすぐ北側に「スターバックス」ができていて間口も広い二階建ての店舗なんだが、トイレが異常に汚い。
オーダーが済んで支払いをするときに渡されるレシートを店員が指差して「トイレに行かれる時はこの番号を押してください」という。
注文もせずにトイレだけ使う客を締め出したいというわけで、トイレのドアには金属製の押しボタンキーが付いていて4桁の番号を正確に押さないと扉が開かないようになっている。
中のトイレは御多分にもれず極めて汚く悪臭が絶えず立ち上ってくる。まあ従業員も面倒な仕事はしないわけだ。


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2020-03-05 11:05:00

集英社新書から三上智恵の「証言沖縄スパイ戦史」が出た。三上は沖縄に通いつめてこれまで知られていなかった「護郷隊」の実像を映像化した監督だ。三上が行ったインタビューを中心に構成されたのがこの本で700ページ以上ある大冊。

「護郷隊」は15才くらいの子どもを赤紙で召集して作られたスパイ部隊で、陸軍中野学校出身のその道のプロに率いられてスパイ、敵の補給基地の破壊、交戦、狙撃などを受け持っていた。

何といってもこの本の白眉は次から次へと繰り出されるインタビュー記事で90近いたくさんの元の隊員があれこれ当時の模様を話してくれる。

三上はよほど人たらしなんだろう。

沖縄戦のこれまでの回顧録では帝国陸軍の装備は貧弱だし、火器もアメリカのものと比べると性能も劣るし、何より補給も行き届いていないので銃砲弾がすぐに尽きてしまい、それこそ勝負にならないみたいな話が多かった。

しかしハラスの「沖縄シュガーローフの戦い」を見ればすぐわかることだが帝国陸軍の装備や弾薬もあるところにはあるもので、全くアメリカの物量に引けをとらない。

この三上の本でも多くの証言者が「アメリカーが上陸してこれはすぐに負けると思った、だって火炎放射器はあるし、機関銃もすごいし、こちらは数発撃ったらまた弾込めしないといけないし、手入れしないとすぐに銃身が赤くなってしまう」みたいなことを言う。

しかし三上のすごいところは「あれはあまり信用できない。だって戦争が終わってから自分がアメリカ兵を殺したというのは言いにくいし、言っても何の得にもならないからね」と冷静に分析できるところだ。

もちろん戦後の風潮に背を向けて正直に「俺は米兵を100人は狙撃して殺したよ。子どもだったからあやしまれないし、普通の格好して向こうの基地の様子を調べてまた帰ってきて隊長にその模様を報告してたよ」と話してくれる老人もいて三上もビックリしている。

しかし笑わしてくれるところもある。

地上戦では沖縄の無辜の大衆がたくさん犠牲になった。「戦争になると軍隊は住民を守らない、自分の保身で精一杯、住民を置き去りにして逃げてしまう」とのステレオタイプがある。

三上はたくさんの証言を集めてそれを実証していく。しかしある意味それは当然なんだと言う。

彼女がルポした「護郷隊」はスパイ部隊なわけで「ほんま助かりましたわ」「食べるもんもないんですわ、なんとかなりませんか?」と言って頼ってくる大衆を守ろうとしたらそれこそ米軍に所在を知られることになってしまうから、住民を切り捨てていくしかない。

そのリアリティを三上はしっかり描いて、ではどう考えれば良いのかとなって、さてどんな考察があるのかとグッと期待してしまう。

その答えは「それは戦争などしないことだ」

あんた、そりゃないでしょう、そんなことはわかりきっていることで、今現在の視点で断罪しても何の意味もない。

住民をかばおうとしたら「アフガン、たった一人の生還」みたいになってしまうこともある。だからといってソンミ村みたいな蛮行はありえない。そこでどうしたのかだろう。

 


2020-03-04 00:24:00

昨日も晴天で気温も15度くらいまで上がり嫁と京都に出かけてみた。

出町柳の「ふたば」は豆大福の老舗で本来火曜日は休みなんだが三月三日のひな祭り、紋日ということで開いていたがいつもは3間ある店を三重くらいにうねうねと続く行列がほとんどなかった。

京都大学の本部に出向いて本部食堂で昼食、2年前に出向いた際はテーブルの上にオーバードクター向けの就職説明会の案内が掲示してあったが、今日はなし。

京都大学に来ていつも思うのは濃厚なバカの気配だ。百万遍の交差点に面する歩道に寝転がってスマホをいじる学生が今日もいた。

本部構内も寒いのに薄手のセーターだけ、サンダルばきというバックパッカーのような人、工学部の校舎のコンクリートの階段でしゃがみこんで動かない人や放心したように天を見つめる女、法経館と教育学部棟の間の道でジーパンにスニーカーで正座している女。

東大にせよ京大にせよそもそも募集人員が多すぎるからバカな学生もいくらでも入学してしまう。入学後、学問的水準についていけないのは別に問題はないが、喪失感にさいなまれて、やる気もなく人生をあやまることになる。

アル中になって人生をあやまった坪内祐三は横浜国立大で学生運動がかつて盛んだったのは、この大学に入ってくる学生が第一志望大学に落ちたあげくの入学で、深い喪失感やアイデンティティの危機に直面しているからではないか❓と書いていた。

これは京大ではないが近藤雅樹の「霊感少女論」には芸大の学生が自らの能力の低さに直面して「私には霊感やシックスセンスがある」とおかしな方向に逃げ込む姿が細かく書いてある。

そういえば京大の農学部の院生の女が教授から命じられた解剖実験のレポートを出したんだが出来が悪く、「お前❗️やる気があんのか❗️なめとったら承知せんぞ❗️」と叱責されて「メス入れるときに、細胞のみなさんの痛がる声や泣く音が聞こえるんです〜〜」と泣き出した話も聞いたなあ。

四条河原町から大丸まで歩いたんだが、大丸は全店臨時休業。高島屋や藤井大丸は営業していたのに、いったいどういうことなんだろうか。


2020-03-03 00:10:00

橋爪節也は阪大の博物館の人でこの度創元社から「大阪百景」を出した。
四季折々の大阪の風物詩をものした本だが、心打たれることはない。
要するにこういうことがありました、面白いでしょうと見つけたことを羅列してある本で底が浅い。つまりは作者のエッセイストとしての底の浅さが感じ取れてしまう。
例えば堂ビルホテルにあったバーのメニューの話がある。
カクテルに「花咲く国のカクテール」というのがあって要するにOSKですよねというだけの話になっている。まるで小学生の作文か中坊のレポートだ。
私はこういうつまらない本を読まされるよりは磯田敏夫の小説やエッセイ、藤澤桓夫の出来のいいエッセイ、上司小剣の小説やエッセイを読みたい。
出版社にせよ、編集者にせよ、バカばかりなのかな、橋爪の書くものと今あげたものの優劣をどう考えてるのか伺いたいものだよ~
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2020-03-02 13:19:00

「季刊25時」のvol9は52で死んでしまった中島らもの特集号で彼の全著作が紹介してある。

他にも「中島らもの高槻事件」と題した追悼文がある。東京でらもと対談することになっていたのだが、いつまで待っても現れない。可愛い女ならしばらく待とうものだが、なにせなにわの怪人である、会いたい、話がしたい3時間待ったが現れなかった。

後でわかったんだが、らもは約束の2日前の深夜に大阪を出て東京に着いているのだが、なぜかまた大阪に戻りJRの高槻駅で降りている。高槻は新快速の停車駅で次は新大阪なんだけどね。

駅前に座り込んでいたら若いにいちゃんから「らもさんですか❓」と話しかけられしばらくして「にいちゃんとこ泊めてくれるか❓」とらもは頼んだんだが断られて連れ込み旅館に泊まった。

それからしばらくしてらもは三ノ宮の飲み屋の階段から落ちて死んでしまった。

こういう話なんだがこのにいちゃんもバカだよなあ、自分から話しかけておいて泊めて差し上げないとは困ったもんだ。信心が足りんよなあ。

同じく若くして死んでしまった坪内祐三が「ぴあ」に連載していたエッセイで単行本化にあたり中島らもと対談することになっていたが、急に連絡が入って「らもさんが階段から落ちてお亡くなりになりました」。

坪内もらももアル中なんだよなあ、周りがいくら止めても言うことを聞かない。中島は入院中の病院を抜け出して酒を飲んでいたし、坪内は林真理子から「ツボちゃん、あんたアル中でしょう、ええ加減にしとかなあかんよ」と言われて「林さん、知らないでしょう、僕が自宅でどれだけ真剣に仕事したり、本を読んでいるか」とか言う。

坪内の「反論」は笑ってしまうよなあ。全然反論になってない。むしろアル中が言いそうなことだ。


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