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古本屋日誌

2019-12-26 00:08:00

土屋慎吾が水木しげるのアシスタントを首になった直後のあれこれを描いた「続ゲゲゲのアシスタント」を入手しました。

土屋は水木しげるのアシスタントで、三年余り気合を入れて仕事をしていた。しかし雑誌デビューが決まり、また女にうつつを抜かしたり気のない仕事を続けたりしたために水木から「あんた、今月中でやめてね‼️」と通告されてしまうわけです。

この漫画の魅力は水木しげるがあたふたするところなんです。土屋慎吾を切ったのも1人だけやる気のないアシスタントがいると他のアシスタントに示しがつかないからでしょう。

でも確か水木は自分は子供時分寝たいだけ寝ていたので、遅刻ばかりしていたとか、仕事もノンビリするのがいいんだとか、なまけものになりなさいなどと我々に怠惰をあおって金儲けをしてましたよね。

現実の水木しげるは仕事に追われまくっていたし、アシスタントへのしつけもかなり厳しかったわけで、まあプロダクションを維持しようと思えば当然ですよね。

なまけものになりなさいは商売として売れるからやっているだけの話で、鬼太郎も売れるからやっているのとおんなじですね。

同じくアシスタントをしていた鈴木翁二もやめてしまい、水木はイライラがつのっているところへ、夜中その鈴木翁二が他のメンバーとアシスタント部屋で騒いでいるので水木は「今何時だと思ってるんだ‼️」と血相変えて部屋に飛び込もうとするのですが、階段の途中で意気沮喪となってすごすご引き返してしまいます。このエピソードも笑えます。

 


2019-12-25 01:29:00

7月下旬あたりから5つになるクロネコが腹部をはじめとして、下半身がかなりハゲてきた。

黒いふさふさした少し固めの毛があらかた抜けてしまい黒毛の下に生えている白い和毛が目立つ。

仕事の関係であまり外に出してやれなかったので、繊細なオス猫は気に病んでこうなったようで、8月に入ると積極的に外に出してやるようにしたものの、ハゲているパーツが気になって、ベロベロヤスリのような舌で舐めるためにますますハゲが拡大してきた。

ただ救いは以前は7キロもあった体重がかなり減り体型もスリムになったことだ。以前の餌をやめて膨満感、満腹感を得られやすいものに変えたことも功を奏したようだ。

嫁と相談して舐めないための服を購入して早速着せてみた。確かになめることはできないわけで、これ以上ハゲが進行しないとは思う。

ただ頭と尻尾を残して全体を白と青い伸縮性の少ない服で覆われて、違和感があるのか歩き方もひょこひょこしていて痛々しい。神経質なオス猫は服が新たなストレスになってしまっているのかもしれない。

それでか普段はまずしないのだが私の膝の上に乗っかってきて香箱を組むのも元気がなさそうで気の毒に思える。

そうかといって脱がしてやると直ちに満遍なくヤスリの舌で全身を舐め始めるのだから困ったものだ。


2019-12-24 15:17:00

渋谷直角の「さよならアメリカ」を入手しました。ぜひお求めください。
アメリカのアンティークにかぶれている主人公アンディがカフェを開いたのだが、ふとしたことからウォーホルのノートを見つけて一躍時の人となる。
トランプ大統領の来日の歓迎晩餐会にアンディもよばれるのだが、「ふさわしくないし、興味もない」と断るのだがアメリカ側は何と安倍総理に手を回して、安倍が直接やってきて「日米の平和のためにぜひ出てもらいたい」と説得されてしぶしぶ出席、パーティではトランプがやってきて「おれのトランプタワーに飾る彫刻を依頼したのだが、仕上がってみたらトランプタワーには全然そぐわないくだらない作品だったのに、そいつはさっさと金を払えと言いやがる」などと一方的にまくし立てる。
やがてアンディはウォーホルのノートを盗んだのではないかとかアメリカに行ったこともないのに数え切れないほど渡米したと嘘をついているとか噂をたてられ苦境におちいる。
するとウォーホルの遺品を管理しているアメリカの団体はどう手を回したのか、渡米記録がたくさん押してあるパスポートを偽造して公開したり、ウォーホルのノートが盗まれた時にはアンディは渡米していないと証明してみせたりした。
この度重なる押し付けがましさに耐え切れなくなってアンディは「アメリカなんか大嫌いだ‼️‼️」となってしまう。


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2019-12-23 09:42:00

スティーブン・ピンカーの「21世紀の啓蒙」の下巻にはキューバ危機の話があって、従来核戦争の一歩手前までいっていたとなっていた。とりわけソ連の潜水艦の話は背も凍るような恐怖を覚えるものだった。

 追い込まれたソ連海軍の艦長がアメリカ艦隊に核魚雷を発射しようとしたが、副官が何とか押しとどめた、という話だったのだが実際は艦長が自分の判断で取りやめたのだという。これを含めてキューバ危機では実はアメリカ側も、ソ連の方も現実的に核戦争を意図したことは全くなかったのだという。

そうなのかあ、岩波新書の「核先制攻撃症候群」にある通り、アメリカもソ連も敵が核ミサイルを発射したことを感知した場合、それが着弾するまでのわずか数分の間に直ちに応戦して報復の核ミサイルを発射するか、それとも実はこの情報はフェイクかもしれず、よく確かめもせずに応戦してしまったら大変な事態になると慎重に事態を見守るかを決断しなくてはならず、当然直ちに応戦の選択肢を誤って選んでしまう可能性も十分にある。

また北朝鮮が核兵器を保持していて、しかもそれはアメリカ本土をも脅かすICBMであるからこそ、アメリカから譲歩を引き出すことができた。つまり核の軍事的なプレゼンスは圧倒的に有効だということだ。

ピンカーの主張は少し楽観的すぎるようにも思える。

まあ確かに政治は結果責任の世界であって1945年の長崎へのアメリカの不当な原爆投下以降は核兵器は使われたこともないわけだから杞憂なのかもしれないが、心配事はそうなる可能性を否定できない。


2019-12-22 11:19:00

雑誌「フリースタイル」に連載中の山上たつひこの「大阪弁の犬」は2017年に単行本化となっていて入手できた。

山上は「がきデカ」や「喜劇新思想大系」などで知られる天才漫画家なんだが1990年に引退してから小説やエッセイをよく書いている。

徳島の生まれだが幼い頃大阪に移り住んで貸本漫画の出版社の日の丸文庫の社員になり作家デビューをしたことはよく知られている。

この本では初めは旭区の大宮町に住んでいたことを知った。

家の前を小さな川が流れていたが、ドブ川で真っ黒な異臭のする水に発泡スチロールやらゴムまりやらが浮かび、徳島の清流を見て育った山上は世紀末的な無常観を植え付けられたようだ。

やがて日の丸文庫に就職するが住処は心斎橋の大丸とそごうの間の道を西に歩み阪神高速道路を超えたあたりで、勤務先の日の丸文庫のほん近くだったのだが、高速から排気ガスの異臭が漂い、これも山上にはこたえたようで、いつも40分かけて靱公園まで歩いて行き癒しを求めたという。

まああれですね、農本主義のような、自然回帰、ソローみたいな感性は高度成長期をまたいで生きてきた人にはありがちな感覚ですな。

山上は日の丸文庫の同僚編集者だった山松ゆうきちのことも書いているが、彼が背も低く、足も短く肥満なのに、クリクリした大きな目や太い眉毛が魅力的なのか、イケメンの自分を差し置いて女にモテていたと悔しそうに書いていて面白い。

また日の丸文庫が出していた「魔像」を振り返り辰巳ヨシヒロをその当時読んで評価できなかったことを悔やんでいるのだが、辰巳ヨシヒロて今読んで面白いでしょうかね?

「少年マガジン」に短編連作で描いていた「東京姨捨山」とかはまあありかも知れないけれど、現代的な価値は感じられない。

この辺が天才の面白いところでものを評価する基準が歪んでいる。山松ゆうきちなんか、どう考えても天才作家でしょう。貸本時代から「チャンピオン」を出版して、人物的にも魅力的なんだけど、山上たつひこには単に女にモテる変なやつでしかないとはね〜〜

山上たつひこはその後「チャンピオン」に「がきデカ」を連載して一躍時代の寵児に躍り出るのだが、鴨川つばめが始めた「マカロニほうれん荘」に衝撃を受けた。「こんなハイビートのギャグは俺には到底無理だ」とショックに打ちのめされ、絵柄も影響されてこまわりくんのみならず西条くんやジュンちゃんとかまでえらい頭でっかちの体型になってしまったという。

のみならず表紙に「がきデカ」が採用されなかったり、表紙の「がきデカ」の文字が小さかったり、4色刷が2色刷になったりした時、編集長を呼びつけてネチネチ文句を言いつづけたとあるから、天才でもわからないものだ。

 

 


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