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古本屋日誌

2019-12-11 12:32:00

沖田✖️華の「お別れホスピタル」の3巻が小学館から出た。終末期病棟の模様をナースが活写したビッグコミックスピリッツ連載の漫画です。

「いつかゆく道とはかねて知りしかど〜〜」なんだけど、想像もつかないために日頃は考えることもなく避けていた問題だ。

56の元建築会社の社長の話があって、スキルスの胃ガンで手の施しょうがなく終末期病棟に入院した。

医者の話ではうまく緩和医療がいけば1年くらい生きれるのではないかということだった。

男は中卒でずっとそれから建築現場で働き始めて人を使う会社まで起こしてこれまで全部自分で生き方を決めてきたのに、まだ50台で死の淵に直面させられることになってしまい、口惜しくて仕方がない。ナースには「合コンとかするの?来週でもやろうよ〜〜」とか「若くて美人のナース紹介して〜〜冥土の土産に〜〜」とか明るくて冗談を言ってくる。

しかしある日廊下の窓から身を投げて死んでしまった。

廊下の開け放たれた窓を警察の鑑識がチェックしたら窓ガラスの半ばから下までびっしり指紋がついていて「この人窓枠に腰掛けて、何回かためらっていたんですな、身体を後ろへ倒そうとしたが、思いとどまってきつく窓ガラスをつかんだりしていたんでしょう」

まああれですね、ガンに殺されてしまうくらいなら、最後も自分で決めてやるということでしょう。潔さも感じるし、自分で決断してやってきた人生なんだからその矜恃や誇りを失いたくないという感情は痛切だなあ。


2019-12-10 11:50:00

環境大臣の小泉が温暖化対策の国際会議「COP25」に出て、日本が石炭や火力に発電を頼りCO2を大量に排出している件でどう話をするのか面白いところだ。

1997年にアメリカで出版されたラリー・バークダルの「ナゲキバト」は日本でも30万部以上売れた短編小説集なんだが、この中に仔牛がアルファルファの柔らかい葉を食べてしまい、げっぷができなくて胃の中に溜まったガスを排出できなくて苦しむ話がある。

のたうちまわる牛にナイフで胃袋を突き刺してガス抜きをしてあとは神頼みとなるのだが、もちろん助かる見込みはなく最後は銃で安楽死させてしまうのだが、「牛はげっぷができない」となっているのが不思議だ。

「COP25」でも牛や羊は胃の中に草を分解する最近を大量に住まわせていて、そのため大量の二酸化炭素をげっぷやオナラで排出してしまう、そのために温暖化の元凶ともなっているとして議題にも上がっている。インドがCO2の大量排出国であるのはヒンズーで牛を神聖化して大切にしているからだというのも社会の授業で習った覚えがある。

アルファルファは特別なガスを出してしまうのか、それともアメリカのある州での慣習なのかよくわからない。


2019-12-09 11:51:00

神戸の進学塾の社会の先生が60になったために、継続雇用となったのだが、時間給が2割削減されたのは不当だとして、神戸地方裁判所にその撤回と給与の減少分の支払いを求める訴訟を8月に起こした。

この先生は正社員ではなく非正規の労働者で時間給で授業だけを担当している。60になるとやっている仕事は従前通りの授業で、何も変わらないのに給与だけは大きく減らされる、これはおかしいということだ。

先月の2回目の公判では契約交渉の際の録音が証拠として提出されて「この時間給は不当で認めない、ただ今契約書にサインしないと契約が打ち切られてしまうので、サインはします。ただ時間給は納得していないので、今後会社と交渉する」との発言が録音されていて、会社も交渉することを了承していました。

さて今月19日の11時から神戸地裁で3回目となりますが、この進学塾の担当者は非常勤講師が60を迎えた後は再雇用ではなく、雇用延長だと述べていました。

再雇用であれば、それは一旦雇い止めとなって新たに契約を結び直すわけだから、時間給や労働時間も含めて従来の契約にこだわらず契約できるだろうが、雇用延長となれば当然これまでの契約が適用されるわけだから、一方的に時間給を2割も削減するのは不当ということになる。

このあたりを裁判所がどう判断するのか興味深い。


2019-12-08 11:23:00

高島俊男の「お言葉ですが」は随分長らく週刊文春に連載されていたが、何かタブーに触れて連載打ち切りとなってしまい、その後連合出版から続編が出ている面白いことばエッセイだ。

単行本化する時に連載後読者から届いた情報を加え、さらに文春文庫に入る際にはその後の動きも加えて増補されている。

今回ようやく文庫版の10巻揃いを入手できました、ぜひお求めください。その4巻目「広辞苑の神話」には広辞苑の初版が昭和30年に刊行となった話があります。

だいぶ昔ですが、それでも広辞苑と同じ規模のかなり大型の国語辞典はいくらでもあった。「言林」が全国書房から、「新編国語辞典」が国民図書刊行会から、「辞海」が三省堂から出ていたという。また「広辞苑」そのものも博文館の「辞苑」の改訂版であった。

というわけで広辞苑だけが注目されたのは発行所の岩波書店が知の巨塔、大いなる権威として君臨していたからだという話です。

それはそうとこの本には芭蕉が金沢で詠んでのちに「奥の細道」に収められた「残暑しばし手ごとにりょうれうり茄子」の話も載っています。

「りょうれ」というのは名詞の「料理」を活用させて動詞の命令形にしたものです。「カレーでもりょうろうかな」とか「昨日もカレーりょうったやろ〜〜ええ加減にしときや」みたいな感じで使う。

まああれですな、天才には文法とか言葉の制約などという下世話なものはありません。

ただ「奥の細道」には「残暑しばし手ごとにむけようり茄子」と改作されて載っている。

弟子からなんか言われたのかなあ〜〜それとも句会の時は酒飲みすぎてやらかしてもうたわ〜〜〜〜なんだろうか。 


2019-12-07 00:00:00

ようやく小林信彦の「東京のロビンソン・クルーソー」を入手しました。
一読して小林が民主主義の価値を信じていたことに改めて驚いた。マークゲインの「ニッポン日記」のことは小林の週刊文春で度々目にしていて、例の日本国憲法のマッカーサー草案を日本側に提示する場面で「今日はよう晴れとるなあ、原子の光が輝いとるなあ」と言い放って原爆を背景に日本側を脅迫した話を書いていた。
この本でも「ニッポン日記」には触れているのだが、GHQは民主主義を推し進める側と、反共の防波堤に日本を仕立てようとする側に別れてしまっていたとか、アメリカ本国からマッカーサーを飛び越えて指令が来て鶴の一声で決まってしまう話が書いてあって、要するに小林信彦は残念なんだな。
日本を徹底して民主化しようとするグループが敗れ去ってしまったことを嘆いている。
60年安保の話もあって樺美智子の死因を警察が隠蔽している話とか、その後右翼が国会周辺に詰めかけて「岸は人殺しだ‼️」とか「国会の門をぶち破れ‼️」とか叫んで学生を挑発して警官隊と衝突させようとしていると小林は批判する。
まああれですね、小林信彦は人が殺されたことや手続きを踏まずに国会に突入するような民主主義を踏み破ることが嫌なんですね。
私は国会とか手続きとか何の意味もないと思うので、60年の時も徹底的に国会に突入して破壊して欲しかったけどね。

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