Welcome
古本屋日誌
今朝はまだ雨が残っていましたが、昼前くらいからあがり、日差しが時折さしてきました。
企業の経営者の遺産を展示する博物館は「藤田美術館」や「東洋陶磁美術館」「香雪美術館」などが有名で藤田美術館は例の世界に3器しかない曜変天目茶碗や源氏物語絵巻を所蔵しているし、先日もオークションで300億円からの売り上げを記録し新美術館建設の足がかりを築いた。
翻って松下幸之助のはこれといった美術品も骨董品もなく単に松下電器がこれまで作ってきた家電の歴史を「世界の家電の未来を切り開きましたでござーい」と夜郎自大に見せびらかすだけのものだ。
松下電器は藤田に対抗してか門真市駅近くの本社横にたくさんの桜を植えて、春にはソメイヨシノの春爛漫を楽しむことができて無料で開放しているのだが、大したスペースでもなく、周りは工場や道路に取り囲まれていて雰囲気を楽しむ余裕など持てない。藤田の庭園は大川に面している上に面積も広大だし、横には蛍の群生まで見られる「太閤園」があるし、松下電器のチャチな公園はまことに恥ずかしい。
iPhoneから送信
今朝は曇り空で昼前からポツポツ雨が降り始めています。3月10日は東京大空襲の日で、卑劣なアメリカによる無差別大量虐殺が行われたわけで、アメリカの加害責任を問う声があまりないのは理解に苦しむ。無辜の大衆を皆殺しにしようという考えはナチスドイツのユダヤ人虐殺と何も変わらない。
「週刊ポスト」の井沢元彦の「逆説の日本史」は呉座勇一への公開質問状と称して、呉座が朝日新聞などで井沢の名前を挙げて「勉強不足」とか「作家の思いつき」と批判したことへの怒りが述べてある。
井沢によると「安土宗論八百長説」は東大閥の学者が唱えたものだが自分がそれを否定する正しい論文を見つけた、今や八百長説を否定するのが学会の定説となっているわけだから、自分の言論活動はそれなりに意味があるはずだ。また現在の「飛鳥時代」という時代区分は都がずっと飛鳥にあったわけではないので不合理で、自分は「首都移転時代」とすべきだと思うという。
井沢の「猿丸幻視考」は殺し方のトリックがデタラメではあるがまあまあおもしろいし、「逆説の日本史」は八切止夫みたいで私は大好きです。今回の反論は安土宗論を取り上げているが、通説に異を唱える考えを自分が思いついたというのではなく他人のふんどしで相撲を取ろうといういうところがゆるいな。また時代区分の話は相手にもされんだろうな。井沢にはできたら足利義満暗殺説で呉座勇一に挑んでもらいたいものだ、これは正しい考えだと正面切って主張をぶつけてもらいたい。
井上章一が「古墳時代」や「安土桃山時代」に異を唱えた時ももちろん誰も相手にしなかったからね。白川静の漢字の語源説も基本的にはスルーされてました。高島俊男は「漢字には形声文字があって読み方と意味が分離しているものが多いわけだから全部象形文字のように解釈しようとするのはおかしい」と書いていたけどね。
今朝は一段と春めいていて、快晴で朝方は寒かったが気温はぐんぐん上がり行楽日和です。
先日
かんさい熱視線「南海トラフ巨大地震 “津波最前線”の町は今」
というNHKのドキュメンタリー番組がありました。今後30年以内に南海トラフ大地震が起きる確率は80パーセントあるので、それに備えて町ごと高台に移転しようというプロジェクトを進めている和歌山県の太地町やすさみ町の話でした。
大地震が起きる確率の話は根拠がデタラメで過去数回続けて地震があったというだけで、何の説得力もない。小学校から確率の勉強をやり直したらどうなんだ。これはどこからどう見てもナオミクラインのいう「ショックドクトリン」だろう。
高台移転には国から7割の補助が出るわけで町の予算をはるかに超える移転費もまかなえて、大規模土木事業の旨みが味わえるし、雇用も呼び込める。町を一からデザインできる楽しみもある。何より地震が来るという大義名分があるから家を破壊し、インフラを移設するという従来なら意義を丁寧に説明し、何年もかけて地上げしていた手間が一挙に片付く。
世間ではとにかく人命が唯一無二の価値となったいる風潮も「ショックドクトリン」には追い風だ。その町で長年かけて作り上げてきた思い出や潮風や磯の香を感じながら生きる生活などは人命という唯一無二の絶対価値に比べたら吹けば飛ぶようなもんでしょう、こういう話にいつのまにかなっていて異論は許されない。
お客さんは本も買いに来るけど世間話をしに来るので、勢い話が長なってなぜか将棋盤を持ち出して対局することになり、レジに別の客が本を持ってきたら将棋盤を退けて「よう、お越し」となる。
iPhoneから送信
iPhoneから送信
今朝は昨日の昼からの雨も上がり、どんよりとした冬らしい天気で肌寒い。
中公新書の新田潤美「階級にとりつかれた人々」を入手しました。階級社会イギリスの姿を余すところなく活写した名作です、ぜひ求め下さい。2カ所ほど赤い線引きがございます。著者はイギリスのミドルクラスの子弟が通う学校に通学していたが初めに通ったところは中産階級でもアッパーミドルの学校で英語の話し方も微妙に違い、テーブルマナーも独特でデザートもたとえアイスクリームだったとしてもスプーンだけで食べることははしたないとされてナイフとフォークを使うように言われたりしたが、やがて転校した学校ではそういうことはなく、さらに転校した学校では最初の学校と同じようなマナーが教えられたという。
アイスクリームをスプーンで食べないというのは合理的な思考ができていない証拠でイギリスの中産階級はバカなのではないかと思うけどね。まあ王室などという身分制度をありがたがっている段階で思考が硬直化していると思うから当然ではあるね。
階級にこだわることは差別を固定化したい欲望なんだが、差別自体は悪いことばかりではなくいわゆる
ノブレス・オブリージュ
が差別ゆえに考えられていて、上のものが我が身を犠牲にしても下のものを指導していく姿勢や、戦時にはそれこそ文字通り死を厭わず勇敢に戦うわけだから、日本の金儲けしか頭にない金持ち連中とは違いますな。


