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古本屋日誌
古本屋も「新刊の本屋に比べて趣味の要素があるから」ということで100平米を越える店舗には店を閉めるようにとの要請が出ている。
新刊の本屋は生活に必要な知識に関係するが、古本屋は趣味の方面だという区分だそうで、こじつけにもなっていないよなあ。
神戸にある知り合いの古本屋に聞くと「ちょっと前に役所から電話があったわ、しゃあけど俺んとこは閉める気は無いで。暖房もいれんとなあ、窓とかドアも全部開けて、ちょっと営業時間は短かしたるけどなあ」とのことだった。
それにしても例えば学校とか塾とか予備校は今後ネット配信で十分となっていくだろう。
教えるだけだったらネット配信の方が合理的だし、むやみに邪魔ばかりしてくる生徒に周りが煩わされることもないからだ。
もちろん学校は生徒を型にはめてそれなりに常識のある人間に仕立てていくという責務があるから、ネット配信ばかりでは能力も何もないのにただうるさいだけのバカを増産してしまうことにつながるだろう。
ショッピングも通販がますます隆盛を極めて、実店舗は苦境に立たされよう。古本屋も今のような本のタイトルを羅列したようなホームページではなく店内をくまなくお客さんがへめぐることができるようなロールプレイングゲームみたいなものに進化していくだろう。
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雑誌「ユリイカ」の坪内祐三の特集号で泉麻人が彼の死因について書いている。
葬儀の折に夫人が淡々と死に至るまでの症状を述べていて「風邪をこじらせて重い肺炎を患っていたのだろう、と思われた」とある。泉はひょっとしてコロナではと話を持っていくのだが、これまでは急性心不全だといわれてきたわけだから、びっくりした。
まあ肺炎では全世界で年間400万人も死んでいるそうだし、厳密にどの肺炎なのかを特定するには遺伝子レベルの検査が必要だからあれこれ詮索するのは意味はなかろう。
でも同じユリイカの中で一志治夫が2020年を迎える大晦日坪内と飲んだ話を書いていて、坪内は2時間でブラックニッカを開けてしまったという。
特に咳き込んでいたとも、息苦しい様子だったとも書いていない。まあ亡くなるまで2週間近くあるから、その頃はまだ肺炎に感染していなかったのかもしれない。
今ちょうど確定申告の時期で古本業界でもあれこれやっているわけだ。
親しくしている大阪市内の店舗を構える古本屋だが、今年1月の売り上げは60万くらい、2月は75万、3月は44万と落ち込んだ。経費は人件費(バイトを店番に雇っている)が25000円、家賃が37000円、組合費などが8000円くらい光熱水費が2万くらい後は仕入れ代。
家賃が安いのは共同店舗なので自分の負担はこの程度なのだ。つまり固定費で10万くらいは必ずいるから、あと車の費用や古本市の経費に加えて仕入れ代となるからそんなに残らないよな。特に3月は大きく売り上げが落ち込んでしまっていて、これは古本市が中止に追い込まれていることに加えて街中の客足が極端に落ちているためだ。
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雑誌「ユリイカ」が先ごろ亡くなった坪内祐三の特集号を出した。450ページを超える大冊で坪内の著作のアンソロジーやグラビアを織り込みながら様々な角度からの話が楽しめる。
坪内は雑誌「ぴあ」に大阪の話を長らく連載して「大阪おもい」「まぼろしの大阪」にまとめてあるが、この連載の関係者の回想が載っている。ぴあの編集だった安藤善隆なんだが、いかにたくさんのことを坪内から教えてもらったかを事細かく記している。
まあそれは事実だろうし、例えば橋爪紳也が書くようなありきたりの驚きのない繊細さに欠ける大阪論とはまったく違う坪内の論考のよってきたる所以を書いてもらいたかったけどなあ。
坪内は明治から大正にかけての文人、趣味家をよく読み込んでいて、そこにあるわあるわ、大阪への敵意むき出しの論考(安藤更生とか、池田弥三郎とか)もちろんもっと多いのは大阪への憧れやとても叶わないという諦念、尊敬の思いを綴った論考(小泉八雲、谷崎潤一郎、小島政次郎とか)を目にして興味を抱いたのであろうことは想像に難くない。
坪内は東京オリンピックにも批判的で「64年のオリンピックで東京の街は破壊されてそれまでとはまったく違うデタラメなものになってしまった」といい、大阪万博に関しても「あのパビリオンはナチスの強制収容所の系譜に連なる」とまで言う。
橋爪紳也は2025年のオリンピック大賛成なようだし、どう考えても坪内とは相容れないよな。その辺りの軋轢や違和感について安藤には語ってもらいたいのだがなあ。今回の論考にはない。
福岡伸一が「週刊文春」の連載で今回の肺炎騒動を取り上げている。
肺炎では世界で年間400万人程度が死んでいてそのうちウィルス性のものは三分の一くらいで、そもそもどのウィルスが原因なのかは厳密に遺伝子検査をしないとわからないという。だから今のコロナもだいぶ前からあった可能性もあるのだという。
まあ福岡伸一は冷静に対応せなあかんという意味合いで書いているんだが、もっとはっきり言わないと普通の人にはなにも伝わらないのではないか?
福岡はニューヨーク市が肺炎にかからないためのマニュアルを市民に配っている話も書いていて、危険なのはキスをしたりリミングをすることなんだそうだ。リミングというのは肛門を舐めて愛撫することなんだそうだ。
対策としてニューヨーク市はオナニーに励むことやデートの代わりにビデオデートやセクスティング(エッチなメールのやり取り)を推奨しているのだそうだ。
ヤンキーどもはバカだよなあ。そんなもんいちいち配布せんでよろしい~~
マニュアル好きも大概にしたらどうだぁ〜〜
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わけのわからない自粛ブームのために治療も必要としない患者まで病院にあふれて逆に医療行為を妨げている。
経済活動は停止してなんなんタウン、ホワイティ、なんばウォークなど地下街はシャッター商店街となっている。
古本業界でもブックオフが心斎橋店、難波店、京橋店など大阪市内中心部の店舗を休みにしている。
もっとも緊急事態宣言の出ている大阪府内は全店休みかというとそうではなく、喜連瓜破店や堺市内の店は開けている。
これは一種の忖度でキタやミナミは目立つから吉村の顔を立てて休まざるをえなくなっている気がする。喜連瓜破は大阪市内なんだけど田舎だから目立たないでしょうということなんだろう。
倉橋健一が澪標から「大阪人物往来」を出した。大阪生まれではなくエトランジェとして大阪を訪れたり、小説に書いている人物を紹介したわりと新しい切り口の本だ。
最初が小林秀雄で例の中原中也との女をめぐる三角関係の最中道頓堀の喧騒の中を歩んでいるときに頭にはモーツァルトが鳴り響いていたという話で、まあ衒学趣味で韜晦するのが趣味の小林らしいエピソードだ。
ただこの本は織田作やら開高健やら折口信夫やら明らかに大阪生まれの作家を取り上げすぎていて看板に偽りがある。
それにこの手のソースとしては「大阪近代文学事典」「大阪近代文学作品事典」があるんだからそれなら基づいて作ればいいのに、底の浅いセレクションになっている。また小説のネタが多すぎる。エッセイで大阪を取り上げたものはいくらでもあるのだから、例えば上司小剣をなんで取り上げていないのか不思議だ。フィクションに偏るのはいただけない。誤植の訂正もできていない。
まあそれにしても従来のゴミくず同然の大阪本とは違う切り口であるのは評価できる。