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古本屋日誌
今日から谷町四丁目の古書会館で古本市、早速朝から行ってみた。
9時ちょうどに郵便局に出向いて出荷を済ませて、16分の準急で天満橋、電車はそれなりに混んでいる。
谷町線の最先頭に乗って谷町四丁目に40分くらいに到着。中央大通を西にしばらく歩いてから、南大江小学校に続く道を南折れする。
相変わらず狭いグラウンドは子どもで溢れていて奇声が響き渡る。学校の先生は大変だよな。
例によって古書会館の北側にあるファミリーマートでしばらくぶらぶらする。5分くらい前に会館に行ってみると、すでに30人くらい並んでいる。今日は晴れているし、風もなく気温も高いので外出するのに造作はない。
10時ちょうどに始まって、やはり文学書を専門にしている「矢野書房」は人気だ。
「古本 横丁」はこのところはあまり和本は出しておらず、廉価の単行本をずらりと並べていた。朝日文庫の『スターリングラード』の初版、講談社文庫の『日本の中の朝鮮文化』なんかもあった。
「淡路の古本屋」は文庫や新書を1冊200円、4冊なら600円で販売していて、かなりたくさん出品している。
「真木」は豆本をたくさん出しているほか、100均の文庫本もワゴンにたっぷり。
SFなどを得意にしている「ディック」は今回もきれいな状態の文庫、新書、単行本、写真集を並べていて壮観。カバーの上にさらに透明なシートもかけて、本の美しさが際立つ。講談社学術文庫の『人間の条件』(アーレント)なんかもあった。
西洋文学を専門にしている「寸心堂」は単行本のほか、廉価でいろんな文庫を並べている。中公文庫の『帝王ビルゲイツの誕生』上、下なんかもあったが、この古本屋はセットにせずに上、下それぞれ300円で売っていた。お客さんにとってはありがたいことだな。
「牛歩」は古泉智浩のいろんな漫画、福谷たかしなんかもあった。
今日は10時くらいに起きて、食パンとコーヒーで朝ごはん、溜まっていた洗濯を片付けた。
15日はブックオフの、ある店舗では本が全品2割引きとなるセールだ。
俺がアプリに登録してある店舗では、心斎橋店、箕面市役所前店、高槻栄店、吹田関大前店が該当する。お気に入りの三宮センター街店は残念ながら、100円引きになるだけだ。
そこで箕面に行くことにして、萱島から淀屋橋、御堂筋線で梅田に出て、三番街の「インデアンカレー」。
普段は830円のところ780円になっているハヤシライスを食べた。
12時40分くらいで、ホールをぐるりと囲んだ、20人くらい座れるカウンター席は満席で、店の外に数人並んでいる。
三番街店のメニューはインデアンカレーとハヤシライスだけなんだけど、変わらず人気を集めているのは素晴らしい。
エスカレーターで阪急宝塚線、急行に乗る。電車は空いている。
石橋阪大前で箕面線に乗り換えて二駅目の牧落で降りた。市立箕面小学校のグラウンドに接して伸びる街道を北東方向にトボトボ歩いて、やがて市役所が見えてくるが、その隣に地上2階、地下1階のブックオフがある。
入り口のところには赤御影石の階段が設けてあって、高級感がある。
1階は漫画、家電、DVD、楽器、フィギュアなどがあり、地下はトレーディングカードのようだが、地下に行ったことがない。
幅が2間くらいは優にある木の階段を20段くらい上がると書籍フロアーとなる。
2割引きなんだが、正月1日からの数日間もやはり2割引きのセールをしていたし、今日は木曜日なので、閑散としている。この店は文庫はレーベルごとに分類しておいてある。
創元推理文庫、ハヤカワ文庫、河出文庫、岩波文庫、講談社学術文庫、新潮文庫の海外小説、ちくま文庫、ちくま学芸文庫、中公文庫、文春文庫という感じだ。
岩波文庫は本につけられた分類番号順、講談社学術文庫は刊行ナンバー順、ちくま文庫は作者別五十音順に並んでいる。これなら経験の浅い従業員でも、すぐ覚えられそうだし、客もわかりやすいな。
そして、それなりに高い値段が付いているコーナーと220円か110円に値下げしているコーナーに分けてある。
さらに小説、時代小説がそれぞれ作者別五十音順に大量に並んでいて、こちらも高いコーナーと安いコーナーに分かれている。
この店は元は飲食店だったそうで、2階には、おそらく元はちょっと広い個室だったと思われる、独立した一区画がある。
今は辞書、歴史、鉄道、旅行、写真集などの大型本がずらりと並んでいるほか、上から下まで、黒いシートで覆ってある区画があって、もちろんそこはアダルトコーナーだ。
魅力的な古本屋がある立地は、大阪ではもちろん緑地公園だ。
阪大と関西大があるし、緑地公園駅の中には「田村書店」がある。
この本屋は、千里中央に大きな本店があるのだが、いろんなジャンルの新刊本を取り揃えているし、以前はワゴンで古本販売もやっていた。
(ただ、古本にはものすごく剥がしにくい大きな値札が貼ってあって、剥がすのに大変な苦労がいった。本店には有機溶剤をつめたシール剥がしを販売していたが、不快だった覚えがある。)
喫茶店はよくわからないが、駅の西側に服部緑地があって、広大な自然公園が広がっているからおそらく雰囲気のいい店もあるのではなかろうか。
そしてブックオフとともに、双璧である天牛書店がある。
ここは100年からの歴史を有する老舗の古本屋で、戦前は大阪市内を中心に7店舗を数えた。
戦後も道頓堀やアメリカ村にも店舗を構えていた。驚くべきはハワイ店があったことだ。
確かにハワイは邦人もそれなりに多いだろうし、観光やハネムーンで訪れる人も多いだろう。
だからといって、普通古本屋を開こうと考えるだろうか❓
重たい本を日本から輸送する手間がかかるし、いくら日本人が多いといっても、観光客や新婚カップルが本を読み耽るだろうか。なかなかに浮世離れした店主だよなあ。そして、これこそがいい古本屋の特徴だ
俺にとって魅力的な古本屋は街の古本屋だ。その街に住んでいる人が売りに来たいろんな本を並べて、また買うてもらう、探し物の相談にも乗ってくれる、そういう古本屋だ。
魅力的な古本屋がやっていける第一の条件はちゃんとした大学が近所にあることだ。
俺は以前谷町線の千林大宮駅近くに住んでいて、数軒の古本屋があったが、そこでの主力商品は時代小説や写真集だった。俺はそのジャンルには全く興味はない。
スノビズムでもなんでも、旺盛に知識を身につけたい学生や教職員がいなければ本の需要は喚起されない。
第二の条件は、大きな新刊書店があることだと思う。
今はAmazonやジュンク堂の通販でどんな本でも容易に手に入るから、どこに住んでいようが本の入手に困ることはない。
しかし、新刊を実際に手に取って内容を確認して、カバーなどの具合もチェックということになれば、実店舗でないとかなわない。そのように吟味してこうた本がやがて古本屋に流れてくるのだから、新刊書店は必須だ。
3番目の条件は古本屋の店主がインテリで、浮世離れしていることだ。
古本屋が容易に陥る陥穽は、(一山当てたい)(掘り出し物を見つけたい)(珍しい本を扱いたい)というものだと思う。
ところが浮世離れした店主だと、掘り出し物などあるわけもないし、本はそもそもコピーなんだから大した価値があるとは考えないのだ。
初版とか、帯付き美品に重きを置く価値観もわからなくはないが、それは骨董品であって、古本ではないと思うのだ。そもそも本は、読めればいいのだから、安い文庫本で全然問題ないと思う。
そうなると本の値付けも安くなるわけだし、本を売りに来てくれるお客さんも(あーこの値段で売ってはるんや、買い取りが安うてもそらしゃあないなあ)と思ってくれるから、どんどん本が集まるのだ。
4点目はゆっくり本が読める喫茶店が近くにあることだ。新刊書店でこうた本をじっくり読むには、コーヒーの味とかよりもくつろげる空間だと思う。じっくり本を読んだら、2回読むことはないだろうから、古本屋に売るだろう。
以上のポイントを考えると、阪急の六甲駅周辺は条件を満たしている。山の上に神戸大があるし、駅なかにかなり大きい『ブックファースト』が存在する。
ここで気に入ってこうた本を古本屋に売ってくれるだろう。
そして程よい喫茶店もある。気に入った本はすぐに読んで内容を確かめたい、レジュメを作って保存したいと思うものだ。
新刊書店の近くにさてんがあっても、スタバのようにいつも混んでいるようでは、集中して読み耽ることはできない。
その点六甲駅の「ブックファースト」の前には、パンやサンドイッチも置いている広いさてんがあって、コンセントを備えた席も備えられており、好都合だ。この店でしっかり本を読めばもう2回目読むことはなかろうから、古本屋に売ることになる。
うちはAmazonをかなり使っているのだが、2012年あたりは本の配送料は250円くらいに均一で決まっていた覚えがある。
その後、Amazonが請求してくる手数料や月間登録料が値上げとなり、それを機に自由に配送料を決めていいことになった。
現在は、本と配送料の合計の15%に加えて一冊につき150円の手数料、さらに月間登録料が5000円くらいかかるので、以前のような本の本体価格1円、配送料250円みたいな廉価販売は出来なくなってきている。
またAmazonの出荷は土日祝はしなくてよいことになっていたが、少し前から正月やゴールデンウィーク、お盆休みなどにもそれが拡大された。(ただ去年のお盆休みは土日祝だけに戻っていたが)もちろん、休みに設定したくない業者は、設定を変えることもできる。
これは働き方改革の一環ではないかと思うのだが、結構なことだと思う。
さらにAmazonでは角川文庫のヒトラーの『わが闘争』や『完全自殺マニュアル』なんかは販売できなくなった。そういう意味の健全さのあるプラットフォームにしたいということだろう。