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古本屋日誌

2023-10-25 01:11:00

四条河原町の高島屋の別館として出来たSCは4階にまんだらけ、5、6階に蔦屋が入っている。

 

昨日その蔦屋に行ってみた。

 

蔦屋はもともと枚方から始まったのもあって、ちょっと前に駅の東側の元近鉄百貨店があったところに、大型の商業ビルを建てた。

 

 

しかしこのビルは極めて下品で、行くたびにげんなりしてしまう。

 

 

ビルの壁面の大半はガラス張りで、外からよく見える作りになっていて、その各階には高く、外から見えるように洋書が並べてある。

 

商品ではなく、意匠として、オブジェとして、装飾として本を扱い、しかもそれが洋書であり、かつ、外からも透明なガラス越しにたくさんの本が並んでいるのを見れるところに品のなさを感じてしまう。

 

成り上がりのバカな金持ちが、見せびらかすために応接間に、読みもしない百科事典や文学全集を飾るのとおんなじではないか。

 

 

そんな前世紀のくだらないスノビズムみたいなものを21世紀の今日になお意味があると考える頭脳を俺はバカにもし、また憐れんでもいる。

 

ただ唯一いいところは本屋の横にスターバックスが併設されていて、こうた本を直ちに紐解くことができる点だ。

 

 

面白い本はすぐに読みたいし、コーヒーも飲みたい、そういう江湖の渇きに応える店づくりとはいえる。

 

 

ここのスタバはいつも満員だ。

 

 

その意味では読み通りになっているんだろうけれど、スタバはどこでもよく客が入っているから、本屋との相乗効果があるのかはよくわからないな。

 

 

さて、その蔦屋が四条河原町にどんな本屋を出したのか❓

 

 

4階はゆったりしたスペースに美術書、画集、エッセイ、文学書、新刊、旅の本、建築書、写真集、大型本などが並んでいる。

 

ところどころにはショーケースがあって、中には「ビンテージ」と称する古書が並べられていて、買うこともできる。

 

渡辺克巳やアラーキーなどがその中にあった。

 

 

5階は漫画、肉筆の絵画、イラストのほかに前衛的な壺や筆、様々な雑貨も並んでいる。

 

 

さらに時間制で使える喫茶スペースが設けてあった。

 

1時間1500円くらいで、飲み物や食べ物を自由に選べたり、少し高めになるが(2000円くらい)アルコールを選べるコースも作ってある。

 

 

1日コースもあって、これは4500円くらいするようだ。

 

Wi-Fiも完備してあるし、電源も確保してあるし、個別の机もある。

 

未精算の本も3冊までなら持ち込めるとある。

 

 

4階のまんだらけには、今では入手できない美術書や写真集も並んでいるから、新刊を扱う蔦屋と合わせれば実に多種多様な本に触れることもでき、入手した本をコーヒーやビール片手に楽しむこともできるわけだ。

 

 

これは居心地のいい図書館であり(うるさいガキもこないからだ)、リーマンにとっては作業スペースでもあり、本が好きで、ひまがある年寄りの憩いの場でもある。

 


2023-10-23 20:03:00

今日は秋晴れで、昼間は汗ばむ陽気だった。

 

 

天神さんの古本市の最終日で、昼から出かけてみた。

 

 

安売りをしている店もあって、愛知から来ている南部堂は200円均一のが100円になっていた。

 

 

この古本屋は独創的で、昔の学生の日記(敗戦を挟む3年間、鞄付きで4万円とか、10数冊の敗戦から3年間のものが64000円)や軍人が戦地から出したたくさんの手紙を出品しているのみならず、まったく無名の大衆の作文なんかも持ってきているのだ。

 

 

昭和10年に愛知の中学2年生が、ガリ版で出した文集(100円)、昭和館34年に愛知の小学6年がサーカスを見に遠足に行った時の手書きの文集(100円)などがあった。

 

 

 

他にも賢明学院(たぶん兵庫の女子中だろう)の生徒の算数や英語、文法などの手書きのノート(古書といえるくらい黄ばんでいたから、50年くらいは経過していそうなもの)が100円だった。

 

 

こういったものはほとんどの古本屋は潰しにしてしまうだろう。(つまり捨てるのだ)

 

 

確かに無名の子どもの書いたものなんかに価値があろうとは思われない。

 

 

しかし出版されている小説やらなにやらを読んでも、よくこれだけくだらない作品を紙やらインクやらを消費して、かつトラック運転手の手を煩わして出版したよなあとあきれるものが多いのだ。

 

 

つまりくだらなく、何の価値もない点ではおんなじではないか。

 

 

先の昭和34年の子どもの遠足文集には、サーカスを見に演劇場に入った時、座席の様子を「床にはバナナの皮やら、タバコの吸い殻やら、紙クズなんかが散らばっている」「座席も指で触れてみたら、ネバネバしていて気持ち悪い」などと細かい描写があって、俺は十分面白いと思ったね。


2023-10-22 14:30:00

歴史の分野では従来の通史を補うものとして個人の日記が援用される。

 

古本屋はそういうものも扱ってきたが、せいぜい明治時代に書かれたもので、戦後の日記なんかは、商品化せずほかしてきた。

 

ただ、戦争中の個人の日記はかなりの数が残っているようで、特注のノートに万年筆で楷書で丁寧に書かれたものも多い。そういったものはかなりの値段もついているのだ。

 

 

その人が亡くなってからも、故人の思い入れがあったことを遺族もよくわかっていて、そのまま保存していて、かなり経ってから古本屋に処分、引き取りを頼んでくる。

 

 

俺は日記はかなり好きだな。

 

自分でもパソコンに15年くらい毎日膨大な量を書いていたこともあって、日記なら誰にも明かしていないことも、自由に書いてしまうことを知っている。

 

だから、たとえ亡くなった人だといっても、人の触れてはいけない部分を覗き見るような、いけないことをしている感触もあって、それがそそるのだ。

 

先日は昭和6年つまり1931年の「軍用日記」を手に入れた。

 

 

軍用といっても、戦地で書かれたものではなく、陸軍が一般向けに日記帖を販売していて、各所にこれまでの陸軍の戦争での記念日や人事の沿革なんかを添えてあるものだ。

 

 

書いたのは大阪市東成区在住の20手前の若い男なんだが、読んでいくと、面白い。

 

 

正月3日に自分の会社である鐘紡に同僚の畑中と行ったとある。

 

そこで客から(なにを売ったのかは書いてない)代金1円を受け取ったのだが、その金を畑中はすぐに自分の懐に入れてしまった。

 

 

それで、この日記の主の、篠原くんは「今のは一円やったんちゃうか❓」

「いや50銭やった」

「しゃあけど、50銭銀貨が擦れあう音したけどね」

 

 

畑中は色を成して「ほたら、お客さんに聞いてみたらええやないか‼️」てな話が延々と書いてある。

 


2023-10-21 23:55:00

今週で3週目となったNHKの朝の連続テレビ小説「ブギウギ」はOSK出身の笠置シヅ子の話だ。

 

それにしても大阪への偏見と差別意識にまみれた展開で、見ていて不愉快だ。

 

 

そもそもOSKが「泥臭く」などというバカバカしいスローガンを持っていたことはない。

 

 

1922年の創設時から、竣工間近の道頓堀松竹座で公演を待つことは決まっていて、「泥臭く」など全くない。

 

 

スローガン全体も「強く、逞しく、泥臭く、艶やかに」などというふざけたものだ。

 

これは宝塚の「清く、正しく、美しく」のもじりだが、大阪へのステロタイプに寄りかかった極めて差別的な文言だ。

 

また劇団のネーミングがそもそもおかしいだろう。

 

宝塚は「花咲」となっているが、OSKの方は「梅丸」。

 

これはないだろう。無理やり泥臭いネームにしていて極めて不愉快だ。

 

主人公の名前も福来静子(ふくらいしずこ)などというくだらないものだが、笠置シヅ子はもともと三笠静子の名前で出演していた。(三笠宮に遠慮して改名させられたのだが)

 

それを無理やり泥くさを出そうとおかしな名前にするのがまた気に食わない。

 

 

こういうベタな名前はむしろその当時は宝塚の専売特許だったことは、誰でも知っていることだ。

 

「天津乙女」とかそんな調子で名前をつけていたのが宝塚だ。

 

 

 

OSKは、創設時には宝塚歌劇団から、上方舞・楳茂都流の楳茂都陸平、作曲家の原田潤、松本四郎を招いていたが、大阪の中心に出来る巨大劇場で活動するOSKが宝塚に引け目を覚えることなどあるわけもなかった。

 

(さらに近く大阪劇場という超マンモスステージも完成する予定になっていた。)

 

それにもかかわらず、連ドラでは史実を捻じ曲げて泥くさい存在だと描くところに、大阪への激しい差別意識があるわけだよ。

 

こういうくだらないステレオタイプな地方差別を許してはならない。

 

また3週目の「桃色争議」の発端について、人員削減や賃下げという描き方になっているが、事実に反する。

 

争議団の要求は待遇改善(出張手当、食事、寝具の改善)であった。1933年当時の大阪で人員を削減して、経費を浮かせる必要などあろうはずもなかったのに、なぜこんな話にしたのか、疑問だ。

 


2023-10-20 10:41:00

昨日はものすごく暑い日で、日中の日差しは強烈で、Tシャツ一枚でも、本を運んでいると汗が吹き出してきた。

 

先輩にお願いして、本の運搬を手伝ってもらい、店に運び込んだあとは、近所のたこ焼き屋でビールを呑んだ。

 

 

「司」という古くからやっている店だ。萱島駅から東に少し歩いて、徳川時代からある墓地の外れに店はある。

 

持ち帰りができるのは当然だが、店内にはカウンターがあって店のみもできるのだ。

 

 

メニューは、たこ焼き(6こ300円)明石焼(6こ400円)のほかにイカ焼き(250円)もある。

 

 

通常のたこ焼きは甘いソースで食べるが、この店のは何もかけずにいただくようになっていて、生地に入っている出汁がビールに合うのだ。

 

 

街のたこ焼き屋の主人は大抵、爺さんが婆さんで、薄汚れた前垂れなんかをしているイメージだ。

 

しかし、「司」のマスターはフランス料理のシェフみたいなのだ。上から下まで真っ白、頭には大きな白い帽子。

 

 

店のカウンターもソースや青のりなんかで汚れていない白いきれいなもので、もともとはスナックだったのではなかろうか❓と俺は疑っている。

 

 

 

さて、今日もお昼前に天神さんの古本市に行ってみた。

 

昨日の初日に気になった100円均一コーナーの本の量がどうなっているのか見たいのだ。

 

 

例年なら100均コーナーの近くのお堂の軒先ものすごい量の本が積み上げてあるのだが、今年は全くそのストックがない。

 

 

ということは今平台に置いてある本しか売り物がないということになりそうなのだ。

 

 

今日、平台を見てみると、予想通り本の量が著しく減っている。

 

昨日は平台一面たくさんの本が並んでいたが、今日は隙間だらけで、手前の列は本がなく、台の茶色い表面が見えるのだ。

 

会期はまだまだ月曜日まであるのだが、どうなるんだろうか。

 

 

 

 

 


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