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古本屋日誌
講談社α新書から中野信子の「空気を読む脳」が出た。中野は売り出し中の脳科学者なんだが、啓蒙書のカバーはご本人の顔写真になってることが多いな。
ナルシストなのか、出版社の方の売り上げ戦略なのか、いずれにしても大した美人でもない。
それはさておき、この本にはスタンフォード大のターマンのリサーチの話があって、1921年から80年にわたって10歳前後の児童1528人を対象に性格を分析してその後の人生を調べたものだ。
結果は定期的な医療検査や適度な運動、サプリメントや緑黄色野菜の摂取などは長寿と関係ない。一方長寿者は真面目で悲観的な性格を持っていることが明らかになったという。
なるほどね〜
メンタルな方が寿命には大きなインパクトがあるということなんだろうけど、悲観的な人はサプリなんかも健康を気にしてあれこれやるんじゃないのかな。
またとんでもないダメンズに絶世の美女が惹かれる理由が説明してある。嘘つきて、あちこちに借金をこしらえて、女にだらしない、こういう男はリスクを冒して新しい物ごとに挑む性質がたかく、性的にもアクティブなので遺伝子を広く拡散できる。女の方もこういう男と関係を持てば自分遺伝子を広く拡散できる確率が上がるので、理性ではとんでもない男だとわかっていても何億年も蓄積された遺伝子レベルでの趣向にはなかなか抗えないのだという。
そうなのか〜
まああれですね、人類の悠久の歴史の中では喧嘩っ早く、攻撃的な男の方が子孫を残してきたはずですから、今でもちょっとしたことでもすぐ切れたり、相手を攻撃したりしたくなる人がいます。しかし煽り運転の例でも明らかな通りそういう性格は現代社会ではかえって人間関係を破壊し、下手すれば犯罪者になってしまいます。ここは自分の趣味趣向を抑えて冷静に、理性の声に耳を傾けるべきなんでしょうな。中野も最近流行の瞑想を日常に取り入れてみることを勧めている。決める前に心を無にして落ち着きを取り戻してみようということなのだ。
まああれだよな、大平光代の「だからあなたも生き抜いて」も本人の顔写真がカバーになっていておまけに巻頭グラビアでは高校生の頃の写真に加えて、オール5の通知簿も載っていて、相当頭のいかれたナルシストであることが窺えて面白かったけどな。
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「週刊文春」も毎号コロナの特集をしているが、大阪府の吉村の話も書いている。
吉村は「緊急事態宣言」を止めるときの基準を国に先立って明確化してリーダーシップを発揮したとされて、支持する人も多い。
しかし吉村が所属する維新は大阪府と大阪市の二重行政解消を唱えて病院の統廃合を進めて、跡地を民間に売却してきた。このため当然だがベッド数が減少して今回の肺炎騒動では医療体制の逼迫化を招いた。
また保健所の職員の削減も進めて3割くらい削減してしまった、このため今回の事態では手が回らなくなった。
なるほどね、これは「週刊文春」のいう通りだな。
もともと緊急事態宣言なるものを出して大幅な自粛をすることには反対する人もたくさんいた。それは店が開けられなくなることで雇用が失われて首になる人が増え、それこそ生活が成り立たなくなることがわかっていたからだ。会社の寮やネット喫茶を追い出されてしまい、しばらくは友人宅などに転がり込むこともできようが、そのあとは文字通り宿無しとなってしまい路上生活に至ってしまうというのだ。
病院のベッド数の削減もずっと前から批判しているひとはたくさんいて、全国的に見ても低いベッド数で医療が崩壊するだろうと警告もしていた。
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新潮新書から古賀太の「美術展の不都合な真実」が出た。正倉院展などいつも混んでいるがなぜなのか?特別展の主催は新聞社が多いが、なぜ美術館主催でないのか?などに答える本だ。
欧米の巨大な美術館に比べて日本のそれは規模が小さい、つまり狭すぎるという。
また新聞社主催であると、欧米の著名な美術館から絵をレンタルするための多大な費用、運送費、保険代その他諸々を持ってくれる、その上チケットには特別展の他の通常展示の代金も加算されていて、その分は美術館が取れるのだそうだ。つまりややこしい経費は新聞社に押しつけて、美術館側はおいしいところを持っていけるというわけだ。
まあそれはさておきこの本での白眉は欧米の著名な美術館で日本美術の展覧会を行う際は費用は日本側の持ち出しになるのだというのを明らかにしたところだろう。
普通に考えたら日本の美術館から貸し出してあげるのだからレンタル料を請求するのが筋なんだが、依然として日本の文化財の価値が認められていないために全く反対になっているのだというのだ。
ふーん、そうなのか。
まあ日本側が単に弱腰だからじゃないのかね。アニメとか漫画関係は海外でも評価されているはずなんだけどね。
ただ徳川時代の浮世絵は、特に人物画は確かに下らないよなあ。「美人画」といったかて、全然美人ではないし、類型的で今の我々からしたら歴史的な価値しかない。でも風景画はかなりいい線いってるのではなかろうか。
以前東洋陶磁美術館が浪花百景の浮世絵を室内を暗くして展示していたことがあったが、立体感が際立って素晴らしい展示だったけど、このところその手の展示はやらないなあ。
何代にも渡る長谷川貞信の大阪名所とか明治の風景画を同じように照明を少し落として、つまり当時そのままの鑑賞方法で展示してもらいたいところだ。
「郷土研究上方」の表紙絵でもいいんだけどなあ。
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編集工房ノアの社主涸沢純平の「やちまたの人」には杉山平一の話が収めてある。
杉山の「わが敗走」から散文詩の「星を見る犬」のことが取り上げてあって、杉山が経営していた尼崎精工が倒産に追い込まれ従業員も四散し残ったのは飼い犬だけだったが、ある日出社してみたらその犬もいない。
犬取りにやられたのだ。杉山は保健所に駆けつける。なんでも捕獲した犬は3日間猶予期間が設けてあって、それぞれ別の檻に入れられている。捕まってまだ1日目の犬は騒がしく盛んに吠えたてているが、2日目、3日目となるとすっかりあきらめてから大人しくなってしまう。
その中に弱々しくすり寄ってくる杉山の犬がいて、連れて帰るのだ。
「長い間、精魂傾け尽くして、全滅した悲しみが急にこみ上げてきた。」
杉山は従業員との団体交渉に忙殺されていたし、資金繰りで銀行やら金融屋とのややこしい交渉、取り立て騒ぎにも心が穏やかでない日々を送っていた。その中で家族同様の犬が保健所に連れ去られてしまった。
救うことはできたが後にはやりきれない悲しみだけが残る。
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「週刊SPA」の最新号で小林よしのりが「日本のコロナは恐るるに足りない」と論じている。