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古本屋日誌

2020-05-24 11:02:00

新潮新書から古賀太の「美術展の不都合な真実」が出た。正倉院展などいつも混んでいるがなぜなのか?特別展の主催は新聞社が多いが、なぜ美術館主催でないのか?などに答える本だ。
欧米の巨大な美術館に比べて日本のそれは規模が小さい、つまり狭すぎるという。

また新聞社主催であると、欧米の著名な美術館から絵をレンタルするための多大な費用、運送費、保険代その他諸々を持ってくれる、その上チケットには特別展の他の通常展示の代金も加算されていて、その分は美術館が取れるのだそうだ。つまりややこしい経費は新聞社に押しつけて、美術館側はおいしいところを持っていけるというわけだ。


まあそれはさておきこの本での白眉は欧米の著名な美術館で日本美術の展覧会を行う際は費用は日本側の持ち出しになるのだというのを明らかにしたところだろう。


普通に考えたら日本の美術館から貸し出してあげるのだからレンタル料を請求するのが筋なんだが、依然として日本の文化財の価値が認められていないために全く反対になっているのだというのだ。


ふーん、そうなのか。


まあ日本側が単に弱腰だからじゃないのかね。アニメとか漫画関係は海外でも評価されているはずなんだけどね。

ただ徳川時代の浮世絵は、特に人物画は確かに下らないよなあ。「美人画」といったかて、全然美人ではないし、類型的で今の我々からしたら歴史的な価値しかない。でも風景画はかなりいい線いってるのではなかろうか。


以前東洋陶磁美術館が浪花百景の浮世絵を室内を暗くして展示していたことがあったが、立体感が際立って素晴らしい展示だったけど、このところその手の展示はやらないなあ。
何代にも渡る長谷川貞信の大阪名所とか明治の風景画を同じように照明を少し落として、つまり当時そのままの鑑賞方法で展示してもらいたいところだ。
「郷土研究上方」の表紙絵でもいいんだけどなあ。


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