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古本屋日誌
このところは少し朝晩気温が高くはなく、風が強いとかもあるにはあるので、冬のような感じはするけれど、ほとんど10月くらいかな?と思える陽気だ。
天下の碩学スティーブン・ピンカーの「21世紀の啓蒙」はCO2の排出がこのペースで進むと今世紀末には産業革命前と比べて世界の平均気温は4度程度上昇してしまうという。ピンカーは楽観的でCO2の排出のピークは過ぎたのではないかといい、また原子力発電を推進すれば格段に排出量は抑えられるともいう。
まあどうですかね〜〜地震の多発する日本ではね〜〜原発なんか危なっかしいよね。
ピンカーは人類を脅かすとされる新たな感染症に関しても極めて楽観的でこれだけ物流が盛んになり、人と人の交流が盛んな現代社会では、手も足も出ないような感染症はありえないという。
確かにかつてインディアンに蔓延した梅毒、中世ヨーロッパのペスト、前世紀初頭のスペイン風邪などはみな植民地支配によってフロンティアが切り開かれてこれまで体験したこともない病原体が入ってきたことで引き起こされたものだ。
酒飲みほど欲が深い。いくらでも飲めて楽しくなれる恵まれた特異体質を保持しているのに、下は見ない。上ばかり見る。「いつまでもたのしく飲めたらなあ」やら「酒の量が減って来て寂しい」だのを下戸の前で言うんだから業が深いよなあ。
昨日のNHKスペシャルは酒の特集で、なんでも1200万年前に酒が分解してできるアセトアルデヒドという猛毒を分解する酵素を生み出す遺伝子が哺乳類に生まれたという。その遺伝子を受け継ぐのはわれわれ人類とゴリラやチンパンジーだけで、この遺伝子があるおかげで地上に落ちて発酵した果物を食べられるようになり、それができない個体との競争に打ち勝てるようになったんだそうだ。
というわけで人類は基本的には酒に強いようになっていて、少々きこしめしても顔が赤くなったりはしない。
ところが6千年前に中国の稲作地域の人類にアセトアルデヒドを分解できない遺伝子が出現してこれが中国人、朝鮮人、日本人に広まった。
ちなみに日本人でアセトアルデヒドを分解できない人、つまり酒に弱い人は44%もいるのだそうだ。
アセトアルデヒドが分解できないと、猛毒だから全身を傷つけガンやら何やら様々な病気を引き起こす。悪いことだらけなのに、その遺伝子がなかったのにはわけがあって、稲作に伴って湿気が多い環境が増えてしまい病原菌が蔓延する事態になったが、アセトアルデヒドはこれら病原菌を退治してくれるのだという。
ただ、以前のような不潔な環境は現代社会では皆無になったわけだから、不潔な環境に適応する遺伝子は無意味となってしまった。
まああれですよね、喧嘩っ早くてすぐに手を出して相手を威圧できるようなタイプの人は人類の歴史の中では極めて生存競争に有利であったわけなんですが、今日腹が立ったからといってすぐに切れたり、自分の怒りの感情に素直に身を任せたりしたらそれこそ身を滅ぼすことになってしまいます。それと同じなんですね。
歳をとっても元気なのは何よりなんだが、仕事もリタイアして、付き合いもひと段落すると時間が余る。
いろんなサークルがあって同好の士が集まって和気藹々、詩吟とかカラオケ、俳句、将棋、碁、街歩き、オリエンテーリング結構なことだ。
その中で古本屋巡りも実は暇つぶしの道具としては有効で千林にある知り合いの古本屋にもいろんなお客さんがやってくる。
店主とアネロのカバンことを話していて「あれは口が広うてなんぼでも入るし、なんやかやゆうてもつぶれへんよなあ」「あやのこうじのがま口もじきに財布やらスマホやら取り出せて合理的〜〜」てなところに
40がらみのおっさんが入ってきて「表に置いたあるのはなんぼなん?」と店先の木箱に積み上げてある文庫本を手にして聞いてくるので私が「そりゃぜーんぶ50円ですわ」と店主になり変わって答えると
「わしもう46でチョンガーなんやけどなあ、なんかへんかなあ〜」
店主が「まあそんなもんでしょ。」と答えたら「嫁も子供もおらんしなあ、どうなんやろ?」と畳みかけてくるのでまあむつかしいよね。
それ以上は答えることもなく過ごしていたらしばらく本を見ている。
また勝平得之は秋田を代表する版画家で、藤田嗣治の巨大な祭りの絵と並んで魅力的なんですが、ファンも多くて古書価は高い。わりと最近出た大判の版画集はもともと5万くらいしていて今はさらに高騰している。
私のところにも問い合わせがお客さんからあって「あーあれね〜〜ありますよ。きれいな状態ですよ、値段は6万でいいです」
「あれなんや、近所なんやけどちょっと持ってきてもらわしまへんやろか?ちょっと足腰が悪うてな、おもたいもんはようはこべへんね。 今月の月末にな」
「あーかましめんよ〜〜あれですよね、お金ですよね〜〜」
「そうそう、生活保護受けてんねんけど、月末しか入らへんのよ、ちょっとしかないしな」
「家賃とかも高いですか?」
「そうなんよ、4万5千円すんねんで」
「いつお持ちしましょ、この日て言うてもらわんと、おられなかったらね」
「月末なあ〜〜」
「ほたら、店に直接来てもうてその時持って上がりますわ」
郷土雑誌「大阪春秋」が最新号で世界遺産登録記念として「おおさかの古墳と古墳群」を特集している。
冒頭で羽曳野市や堺市、藤井寺市の役人の座談が載っていて世界遺産登録を喜んで、「これから観光客も増えるからさばききれなくなるかもしれない」とか「世界遺産委員会からも古墳の荘厳な雰囲気を評価されているのであまり騒がしいのはちょっと」とか話している。
役人て本当にバカだよなあ。古市にせよ百舌鳥にせよ、あんなものは古墳ではなく、単なる小山だろう。そんなくだらないものを誰が金をわざわざ使って見に来るんだ?
堺市などはヘリコプターで上空から古墳を見るツアーをやっているがヘリコプターの爆音が住民の静穏な生活を破壊していて批判を受けている。
そもそも発掘するのが第一であるのにその当たり前の主張もできないのは理解できないよなあ。
少し前に呉智英が「週刊ポスト」の連載で、宮内庁が陵墓の発掘を認めない理由を分析していた。それは「研究のためにあなたのご先祖様のお墓を発掘したいんです、学問の進歩のためです、お願いします」というリクエストに「いやいや、学問うんぬんではなく、先祖の墓は静かに守りたいんです」というのが宮内庁の見解だというのだ。
呉智英は宮内庁の見解に同情的で、「誰でも先祖の墓を掘りたいと言われて喜びはしないだろう」と書き「学問という錦の御旗を見せれば、不満があっても引っ込まないといけない風潮はおかしい」と主張する。
なるほど呉智英にとっては発掘したい要望はショックドクトリンみたいなもんなんだな。
まあよくわからん主張だ。
ともあれ、今でもすぐにできる百舌鳥、古市古墳群のための施策は次の通りだ。
❶直ちに巨大古墳の発掘を行う。当たり前だろう。
❷市が広い空き地を整備して客に巨大古墳を作らせる。もちろん土木機械などは一切使わない。客を奴隷としてこき使い、足枷なども取り付けて石や土砂を運搬させる。
❸市が埴輪を焼く昔ながらの窯を作り、これまた客に作業させる。バカ丁寧に教えなくてよく、始めは遠隔地から土砂を運ばせることから始めて、器用な人には焼きの工程もやらせる。
❹古代陵墓に設置されていた陵戸を探し出す。奈良の天武持統陵では現在もその家系が連綿と伝わっていて、徳川幕府から長槍などの下賜も受けている。これだけたくさんの巨大古墳があるのに陵戸の伝承がないわけがない。ちゃんと探せば見つかる。
❺古墳に敷き詰めてあった円筒埴輪や水鳥、相撲取りその他の埴輪や土器を焼いた工房の跡を探し出す。100年以上作業が続いたのだからその子孫を探すことも容易だろう。子孫から伝承を聞き出して観光に役立てる。
❻今城塚古墳の埴輪群はもがりや即位の儀式を模していると考えられるが、あれを忠実に再現して巨大古墳の周りでやる。
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