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古本屋日誌
歳をとっても元気なのは何よりなんだが、仕事もリタイアして、付き合いもひと段落すると時間が余る。
いろんなサークルがあって同好の士が集まって和気藹々、詩吟とかカラオケ、俳句、将棋、碁、街歩き、オリエンテーリング結構なことだ。
その中で古本屋巡りも実は暇つぶしの道具としては有効で千林にある知り合いの古本屋にもいろんなお客さんがやってくる。
店主とアネロのカバンことを話していて「あれは口が広うてなんぼでも入るし、なんやかやゆうてもつぶれへんよなあ」「あやのこうじのがま口もじきに財布やらスマホやら取り出せて合理的〜〜」てなところに
40がらみのおっさんが入ってきて「表に置いたあるのはなんぼなん?」と店先の木箱に積み上げてある文庫本を手にして聞いてくるので私が「そりゃぜーんぶ50円ですわ」と店主になり変わって答えると
「わしもう46でチョンガーなんやけどなあ、なんかへんかなあ〜」
店主が「まあそんなもんでしょ。」と答えたら「嫁も子供もおらんしなあ、どうなんやろ?」と畳みかけてくるのでまあむつかしいよね。
それ以上は答えることもなく過ごしていたらしばらく本を見ている。
また勝平得之は秋田を代表する版画家で、藤田嗣治の巨大な祭りの絵と並んで魅力的なんですが、ファンも多くて古書価は高い。わりと最近出た大判の版画集はもともと5万くらいしていて今はさらに高騰している。
私のところにも問い合わせがお客さんからあって「あーあれね〜〜ありますよ。きれいな状態ですよ、値段は6万でいいです」
「あれなんや、近所なんやけどちょっと持ってきてもらわしまへんやろか?ちょっと足腰が悪うてな、おもたいもんはようはこべへんね。 今月の月末にな」
「あーかましめんよ〜〜あれですよね、お金ですよね〜〜」
「そうそう、生活保護受けてんねんけど、月末しか入らへんのよ、ちょっとしかないしな」
「家賃とかも高いですか?」
「そうなんよ、4万5千円すんねんで」
「いつお持ちしましょ、この日て言うてもらわんと、おられなかったらね」
「月末なあ〜〜」
「ほたら、店に直接来てもうてその時持って上がりますわ」