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古本屋日誌
酒飲みほど欲が深い。いくらでも飲めて楽しくなれる恵まれた特異体質を保持しているのに、下は見ない。上ばかり見る。「いつまでもたのしく飲めたらなあ」やら「酒の量が減って来て寂しい」だのを下戸の前で言うんだから業が深いよなあ。
昨日のNHKスペシャルは酒の特集で、なんでも1200万年前に酒が分解してできるアセトアルデヒドという猛毒を分解する酵素を生み出す遺伝子が哺乳類に生まれたという。その遺伝子を受け継ぐのはわれわれ人類とゴリラやチンパンジーだけで、この遺伝子があるおかげで地上に落ちて発酵した果物を食べられるようになり、それができない個体との競争に打ち勝てるようになったんだそうだ。
というわけで人類は基本的には酒に強いようになっていて、少々きこしめしても顔が赤くなったりはしない。
ところが6千年前に中国の稲作地域の人類にアセトアルデヒドを分解できない遺伝子が出現してこれが中国人、朝鮮人、日本人に広まった。
ちなみに日本人でアセトアルデヒドを分解できない人、つまり酒に弱い人は44%もいるのだそうだ。
アセトアルデヒドが分解できないと、猛毒だから全身を傷つけガンやら何やら様々な病気を引き起こす。悪いことだらけなのに、その遺伝子がなかったのにはわけがあって、稲作に伴って湿気が多い環境が増えてしまい病原菌が蔓延する事態になったが、アセトアルデヒドはこれら病原菌を退治してくれるのだという。
ただ、以前のような不潔な環境は現代社会では皆無になったわけだから、不潔な環境に適応する遺伝子は無意味となってしまった。
まああれですよね、喧嘩っ早くてすぐに手を出して相手を威圧できるようなタイプの人は人類の歴史の中では極めて生存競争に有利であったわけなんですが、今日腹が立ったからといってすぐに切れたり、自分の怒りの感情に素直に身を任せたりしたらそれこそ身を滅ぼすことになってしまいます。それと同じなんですね。