Welcome

古本屋日誌

2019-09-15 11:14:00

少し前の「週刊文春」の新家の履歴書は特殊漫画家の根本敬だった。

90年代に悪趣味カルチャーの旗手として世間を震撼させたあの根本敬。95年には年収が1000万を超えたと言うことだからね。

何でも根本の親は設計事務所をやっていて、目黒区に事務所兼自宅を構えて盛業ということなので、ごく普通の御宅ですな。

その才能が開花し始めるのは小学校5年の時で好きだった「ガロ」に林静一の「花ちる町」が載っていて、なんでも頭の弱い子をいたぶる話で、根本は「これは見てはいけないものを見てしまった」思いがしてしばらく「ガロ」から遠ざかったという。

なるほどねー「生きる」につながる原体験なわけです。根本はその前小学校三年の頃にも見世物小屋に出入りしていて襤褸の狼女が大暴れして最後に蛇の頭を食いちぎる仕草があって、心打たれて楽屋まで行って見たら女が我が子だと思しき小学生にあんぱんを食べさせているのを目撃して「これは見てはいけないものを見てしまった」と思う。

普通は「あーオトナって大変だな〜〜〜。食うためには狼の真似事までせなあかんねやなあ」てな風に思って少し知恵がつくもんなんですけど、根本は狼女の世界が崩されるように思って、現実を忌避しようとするわけだから面白い。

それにしても精子三部作の最後「未来精子ブラジル」が未だに刊行されないのはどうしてなんだろう。今回根本は「悪趣味文化への批判があった」ことを語り「平成の御代にはその作品は受け入れられない」と感じていたと明かした上で、「新しい時代になって90年代に自分が考えていたそのままを出してやろう、そういう時代になったように思う」と言って、三部作完成への意気込みを述べている。

そうなのかあ、根本ほどの天才でも世間の評判なんかを気にするのか〜〜〜〜

根本の作品を批判するやつて単なるバカでしょう。バカを相手にしても何も生まれません、ぜひその原点に立ち返って作品に磨きをかけていただきたいものです。

 


2019-09-14 11:33:00

小倉紀蔵ご今日の朝日新聞の読書欄「ひもとく」に昨今の日韓関係に関する本の紹介をしている。

まず日本人論に関して李御寧の「縮み志向の日本人」をあげて日本人はあれこれ短縮して、要するにと語る傾向があるとする。

まあこれはよく言われてることですね。中西進も謡曲を例に挙げて仕草を省略して見るものにそれと悟らせる美学を論じている。問題なのは小倉が昨今のワイドショーを床屋談義と批判し、合わせて戦前のシナへの侵略を大衆がシナ人蔑視や短絡的な正義感から煽ったことや一時流行していた北朝鮮間も無く崩壊論をあげていることだ。

日本人は何でも縮めて表そうとして、本質を見ないから問題があると読めてしまう。

小倉は韓国人論としてダニエルの本をあげて韓国人が「正義はこうあるべきなんや‼️」と規範や道徳を第一に物事を論じる点を指摘している。

まああれですね、これは昨今の徴用工問題への韓国のこだわりを説明しようとしているわけなんです。

しかし韓国人がこだわるのは日本がらみばかりなのはどうなんだろう。近くは1980年の光州での暴動では鎮圧でたくさんの血が流れたし、1950年からの朝鮮戦争では北に内通しているとの容疑で同胞をたくさん処刑したし、米軍は太平洋戦争て投下した爆弾をはるかに超える量を全土で使用したし、1948年の済州島の事件もある。中国からは何度も侵略を受けて属国扱いされ名前もいつの間にか中国風に変えられてしまっているし、元寇の時は先頭に立って戦わされる屈辱も味わった。

しかしそれらはきれいさっぱり忘れられていて中国に対して「属国扱いしたのは不正義だ‼️」との主張はないし、アメリカに対して「あんなに無差別に爆弾を投下するのは国際法に違反している」とも言わない。韓国の正義なるものは専ら日本に向かうわけです。

だからこれは小倉が言うような規範意識はなく、つまりは事大主義でしょう。小さな中華思想です。

翻って日本もアメリカには何にも言わない、完全な奴隷、ポチ同様であるのに、韓国や北朝鮮、中国相手になると打って変わって居丈高になるわけですから、これまた完全な事大主義者ですよね。

東アジアの伝統なんだろう。


2019-09-13 14:07:00

最新号の「週刊文春」に小林信彦の連載「本音を申せば」が載っていて8月15日に想い出すことが綴ってある。

「男はすべて去勢されて強制労働、女はすべて強姦される」はずだったが、占領軍は信じられないほど紳士的で、やがて小林の好きな映画も見せてくれた。ハンフリーボガードやエリザベステイラーが出ているものだった。小林は8月16日の朝日新聞のことも書いていて「原子爆弾は真珠湾以前から準備され、非人道の極致であるが、二年半に亘って秘密が保たれてしまったと朝日新聞に書いてある。しかし日本でも仁科博士たちがこの爆弾を研究中であった。ただアメリカが先んじたというだけのことである。東京の中学では、私と同期の者がその研究を手伝っていた」と書く。

さあてね〜〜小林信彦は何が言いたいのかね、ナチスをも上回る広島、長崎の全市民抹殺を実行したアメリカをよくもそれだけかばえることだよなあ。小林信彦には一度原子爆弾で殺されてからもう一度さっきのセリフを言ってもらいたいものだ。

それにしても小林は以前からマークゲインの「ニッポン日記」を取り上げて、有名な憲法の押し付けシーン、「今日は原子の光で満たされてるね」にも触れて「明らかに原子爆弾をイメージさせる発言をして、脅迫している」と書いているんだけどね。どうしてしまったんだろう。


2019-09-12 11:46:00

こないだ天下茶屋のもと天牛堺書店のあったモール一階に行ってみたら、「田村書店」になっていた。

うーんそうなのかあ〜〜私はこのロケーションは関空から大阪市内への必須アクセスポイントだから、土産物屋や金融関係、飲食店に小分けされるだろうと予想していたのだが、全くあてが外れました。「田村書店」は千里中央や緑地公園、南茨木とか、大阪の北のほうに拠点を持つ新刊の本屋だが実は古本屋もやっていて、千里中央店には比較的大きな古本コーナーがある。この天下茶屋店にも奥まったどんつきの棚が古本コーナーになっているほか、店頭の通路にもワゴンが出ていて古本の文庫が少しある。

このうち千里中央店には仕事の関係で頻繁に行くのだが、古本コーナーに置いてある本は時代小説やファンシー文庫が多くて、私好みの岩波文庫やちくま文庫といったものはほとんどない。千里中央の店は規模も大きく文庫本も在庫のあるものは相当数設置してあり、おそらく客はたくさん買うていっているだろうに、読み終わった本を田村には売らないのだろうかね。

さて今日は京都のお客さんのところに行く用事があり、朝8時14分、枚方市を出るプレミアムカーに乗ってみた。これまで何回か乗ろうと試みたが、ちょうどよい時間に特急が走っていなかった。

出町柳までで料金は400円、ネットでみたら空席は3席だけで、一番前の窓際が空いていたのでここにする。先頭の向かって右側にはパーサーの乗務するスペースがあって、席の状態を確認したり、乗り降りの際の送り出しなどに務めている。

先頭の席にはノートパソコンなどを置ける台が備え付けてあり、肘置きにあるコンセントを使い作業ができるようになっている。


2019-09-11 16:06:00

しかしえらく暑い‼️連日35℃オーバーが続いて夜もあまり風が吹いて来ない。

戦艦武蔵に乗り組んでいて九死に一生を得た渡辺清の小説「戦艦武蔵の最期」を入手しました。

「戦艦大和の最期」を書いた吉田満は東大法学部を出て電探担当であり、いわばエリートとして乗り組んでいたが、渡辺は高小を出て志願して海軍に来たという一兵卒で、最後の出撃は機銃担当だった。

武蔵は出撃前に船体をグレイに塗り直し、敵からわざと目立つようにして囮の役目を果たすことになっていたという話が確認できた。初めの攻撃で魚雷が一本命中し、損害は軽微であったが、その振動で主砲の射撃を統御する方位盤が故障して、戦闘能力が半減した話が載っている。渡辺は「魚雷一本の振動くらいであっけなく故障する方位盤をどうして今までそのままにしていたのか」と技術の粋を集めたと喧伝されていた大和、武蔵の構造にそもそも問題があったと述べてもいる。

また渡辺が助かって漂流中、長い材木につかまっている数人の兵隊に遭遇し自分もつかまらせてもらおうと頼み込んだが、拒絶されたのみならず、蹴りを入れられたり暴行を受けたとある。「戦艦大和の最期」でもボートのつかまって助かろうとする兵隊を軍刀でその手を斬りはらい無慈悲にも追いやってしまうシーンがあるが、やはりそうなるだろうなあ。自分だけが助かろうと人を蹴落とそうとするのは実に人間らしいよなあ。

まあそれはさておき心打たれるのは二回の空襲を経て少し攻撃が途絶えた際に出た食事の話だ。

鍋にごま塩をたっぷりまぶして大きく握ってあるにぎりめしとぶった切りの沢庵に大和煮の牛缶、サケの缶詰というメニューなんだが、死体がゴロゴロ転がって異常な雰囲気の中当番の兵隊がお茶を注いで回っている。

うーん、すごい平常心やね〜〜、まだまだこれから敵機の襲来があるのに、いつも通りお茶を注いで回る胆力というか、惰性の恐ろしさが、でもそうだったんだろうなあ。


1 2 3 4 5 6