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古本屋日誌
先日昭和19年1月に学藝社から出た大佛次郎の絵本「山本五十六元帥」を入手しました。
160ページある子供用の偉人伝なんですが、山本が海軍航空隊の訓練を推し進め、事故で亡くなる兵隊が出て周りの反対が強くなっても聞く耳を持たなかったと書いてある。さらに航空兵の言葉として「戦争が始まったら飛行機ごと敵の航空母艦に体当たりをして一度に沈めてやるぞ」とあってこれは日本を守ることだけを考えている立派な若者だと大佛次郎は書いている。
昭和19年1月発行ということは原稿はもっと前にできていたわけで、すでに特攻を思わせる話が載っているのでびっくりしました。確か神風特攻隊はレイテの攻防戦からですから昭和19年の終わりくらいですからね。それがアメリカとの戦争を始める前から航空母艦に体当たりをしてやるというんだから不思議な話です。
先に中公文庫から出た「トーキョーレコード」にも開戦前から特攻隊を日本は考えていたと書いてありましたから、やはり本当の話なんでしょうね。
山本は航空隊の訓練でうら若い前途洋々たる兵隊が死んでいくのを見ても中止にはせず、ますます励むように訓示したとある。それでいて亡くなった兵隊の名前をメモに書き留め常にポケットに忍ばせて悲しんでいたともある。
まあこれはマックスウェーバーの「職業としての政治」にある例の「それでもなお❗️❗️」の精神ですね。政治家たるものの心構えを説いた教えだが、戦争という究極の政治に臨むものとして山本の姿勢は当然です。
ベストセラーになった橘玲の「言ってはいけない」は才能が明白に遺伝していることや犯罪者は脳の機能にそもそも問題があるケースも多い、つまり病気なわけだから有罪だとし裁判で裁くのはおかしいことを指摘して、もっともな話だと思いました。
その橘が「週刊文春」で「楽しい人生百年計画」の連載を始めた。2回目はナンパの話で学生を使って男が女にまた逆に女が男に、デートしないか?自分の部屋ですごさないか?ベッドを共にしないか?の3つの質問をした。
デートしないか?のお誘いには男女ともに五割くらいがOKして、大差は無かったが、いきなりのベッドを共にしないか?の誘いは男は75%がOKしたのに対して女は0%、大きな差が出た。橘は男はできるだけたくさん子孫を残したい生き物だから生殖のチャンスを増やそうとするが、女は見境なく交わってしまうと妊娠のリスクもあるので慎重になるとわりと当たり前の、よく言われていることを書いていた。
大学時代、同志社大学の神学部の友人がいたが、まずまずの甘いマスクで、四条河原町などでしょっちゅうナンパをしていていつも「これから俺とねーへんか?」と口説いていたが、それなりに上手くいっていたのを目撃していたから、この実験結果には少し疑問が残るな。
でも男は「生理ちゃん」にも書いてあるが、自分の責とは関係なく自動的に女に目がいって交わりたいと思ってしまうのだから、困ったものだ。
寝屋川市駅は仕事であれこれ利用する駅なんですが、斜めに走る高架線路を京都方面に少し行った八幡西町の交差点は西へ行くと鳥飼大橋、東へ行くと寝屋川市役所なんですが、横断歩道が設けておらず、古ぼけた歩道橋があるだけで、道行く人はもちろん歩道橋なんかつかわない。
奈良から大阪に抜けて行く国道163号線は近所を通過して行くのだが、巣本交差点から大阪に向かう沿道にかごの屋、ローソン、丸亀製麺、王将、古本市場と櫛比していて、各店舗に車が入れるように一々歩道を削ってスムーズにしているために、歩道に段差が常に生じて極めて歩きにくい。
日本はクルマだけが優遇される異常な社会で、ために交通事故では歩行者が死ぬことが多い。トヨタやニッサンなどは交通事故の元凶であるにもかかわらず、全く自覚はなくドライブの楽しさを煽るCMを流し続けている。
今朝も部屋の中では肌寒く感じられるくらいで、この調子で太陽にはお願いしたいところですね。
「週刊文春」に連載していた宮崎哲弥の「時々砲弾」が今週号で終了、最終回は宮崎が10年前に文藝春秋誌上で経済不況に立ち向かうには需要を喚起することが肝要で、そのためには政府の財政出動が切に求められると主張したところ「新ケインズ主義だ、時代遅れの亡霊だ」と散々たたかれたと述べて、一知半解の経済学者に痛撃を与えている。
また「AI vs 教科書が読めない子どもたち」の新井紀子が池上彰と対談、SNSであれこれ発信している連中を「タダ働きしているだけ」と指摘し具体例としてAmazonのレビューにあれこれ書き込んでいる人を挙げている。確かに新井先生のおっしゃる通りAmazonレビューのポイントを稼いでも特に素晴らしい出来事などなにもおこらず、単にAmazonが得をするだけですね。
人に認めてもらいたい、目立ちたいという欲を資本主義にうまいこと利用されてただの仕事を喜んでやっているようなものです。
まあ確かに長くこの世で生きていたら、取り立てて才能も能力もないのに有名になっている人がたくさんいることはよくわかります。そしてそれは社会や資本主義体制が色々なジャンルの作品を金儲けの手段として切に欲しているからであり、そのレールに乗っかってちょうどいい製品を生み出せば有名になれるということがわかってきますよね。だから新井紀子先生には悪いけれど今後ともSNSでのタダ働きは増加するばかりだと思いますよ。
今朝はよう晴れてはいるものの、空気が冷とうてひんやりしている上に風も吹いて肌寒い。
京阪電車の萱島駅の高架は1980年に落成していますが、西口のエントランスは高架線路を支える高い柱は全て深緑のタイルで、はるかに高い線路までの数メートル全面が覆い尽くされており、対して壁面は打って変わってアイボリーのタイルで占められている。また大阪行きホームに上がるエスカレーターは上部が円筒状のスリ天井になっていて、見上げると樹齢700年といわれる巨大な楠を仰ぎ見ることができるようになっている。
高架線路落成記念として人と人モノとものの出会いや別れをイメージした有田焼風の赤い石像も京都行きホームの下に設置してあって、高架ホームまでの数メートルを覆い尽くした白いタイルとコンタラストも効いている。