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古本屋日誌
2019-05-11 10:32:00
先日昭和19年1月に学藝社から出た大佛次郎の絵本「山本五十六元帥」を入手しました。
160ページある子供用の偉人伝なんですが、山本が海軍航空隊の訓練を推し進め、事故で亡くなる兵隊が出て周りの反対が強くなっても聞く耳を持たなかったと書いてある。さらに航空兵の言葉として「戦争が始まったら飛行機ごと敵の航空母艦に体当たりをして一度に沈めてやるぞ」とあってこれは日本を守ることだけを考えている立派な若者だと大佛次郎は書いている。
昭和19年1月発行ということは原稿はもっと前にできていたわけで、すでに特攻を思わせる話が載っているのでびっくりしました。確か神風特攻隊はレイテの攻防戦からですから昭和19年の終わりくらいですからね。それがアメリカとの戦争を始める前から航空母艦に体当たりをしてやるというんだから不思議な話です。
先に中公文庫から出た「トーキョーレコード」にも開戦前から特攻隊を日本は考えていたと書いてありましたから、やはり本当の話なんでしょうね。
山本は航空隊の訓練でうら若い前途洋々たる兵隊が死んでいくのを見ても中止にはせず、ますます励むように訓示したとある。それでいて亡くなった兵隊の名前をメモに書き留め常にポケットに忍ばせて悲しんでいたともある。
まあこれはマックスウェーバーの「職業としての政治」にある例の「それでもなお❗️❗️」の精神ですね。政治家たるものの心構えを説いた教えだが、戦争という究極の政治に臨むものとして山本の姿勢は当然です。