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古本屋日誌

2018-12-21 00:17:00

このところ白髪が増えてきて友人には「おまえ、あれやな白髪急に増えたんちゃうか」とか子どもには「なんで染めへんのん?」とか真顔で言われてます。まあ老化は当然のことで、覆い隠しても仕方ないですからね。両親も祖父母も特に髪を染めることはしてませんでした。というか以前は老人は大体白髪だった記憶があり、しかも大半はものすごく腰が曲がっていた。ほぼ90度に体が折れ曲がっていて鳩の杖なんかを持っていて、なんでも鳩は首をフリフリよう歩くからとのまじないらしいが、そういうてる本人が息も絶え絶えでふらついてるもんだから気の毒だった。

萱島駅の寝屋川寄りのいつも行く散髪屋が休みで仕方なく適当に飛び込んだ店でやってもらって「どうも頭の左側だけ髪の毛が伸びるのが早うて、カットしてもうてもしばらくしたら左側だけ膨らんでしまうんですわ」と聞いて見たら「髪の毛伸びる早さは右でも左でも変わらんよ。あんたの髪の毛は下の方が上を向いて生えるくせ毛やから切り方を工夫せなんだら、膨らんでくるんや、まあ任せとき」という。そんなもんなんかな。「平成10年に操業して今年でちょうど20年になんねんけど、以前は12月ともなったらもうお客さんはいらんわゆうくらい詰めかけてきたもんなんやけどな、今はあかんわ、大体この辺散髪屋が多すぎるねん」とのことだ。


2018-12-20 13:39:00

今朝はそんなに寒さは強烈ではなく昼過ぎからは雨との予報でどこか雨の香りがしたり、ぬるんでいる感じです。

以前青林堂から「神の悪フザケ」「花さける孤独」などの愉快な漫画を出しながら自殺してしまった山田花子の日記が増補となって文庫化されました。繊細な感性を持つがゆえに相手からの些細な言動が気になり、いつまでも気に病んでしまう。勇気があったら当人に真意を問いただしたり、こっちから仕掛け返すこともできるのだが、気があかんためにそれもできない。根がまじめだからいつまでも思い詰めて、結局自分がダメなせいだといけない方向に追い込んでしまう。

でも山田花子は「ガロ」という芸術系の漫画誌に表現の舞台を得て、精神的にも安定して創作活動で様々なものを昇華できていると思っていました。中学時代の思い出を描いた作品でアゲハの幼虫を観察する話があって、毎日からたちの葉を持ってきて丹精込めて育てていき、さなぎとなりある日とうとうさなぎの殻を破って成虫が姿を現した。

待ちに待った瞬間なんだが、蝶はなかなか前進を現さない。まあ当たり前ですよね、3時間くらいはかかるものです。ところが善意の人山田花子は「これは私が助けてやろう」とピンセットで慎重に蝶を取り出してやるんですね、もちろん蝶は飛べません。いらんことをして可愛らしい蝶をむざむざ殺してしまった自分を少し冷めた目で描いていました。

また彼女は医者にもかかっていたし、最愛の両親と一緒に暮らしてもいた。精神をさいなまれて入院もして医者の言いつけも守り、好転したので退院した、ところがその直後に屋上から身を躍らしてしまった。


2018-12-19 14:14:00

今朝はさほどの冷え込みはなくまずまずでしたが、風がかなりあり少し寒い。

講談社現代新書から高槻泰郎の「大坂堂島米市場」が出ました。徳川時代の米の先物取引を詳細に論じたもので、なんでも中之島に蔵屋敷を並べる西国の諸藩は年貢米を大阪に回送して商売人に売るのだが、お米そのものを渡すのではなく米切手を手交し、それを持参したら米10石と交換することになっていた。この米切手を堂島の市場でやりとりして儲けるのだそうだ。現在の株式市場同様空売りも行われていて、なかなかいつの時代も商売人は抜け目がない。蔵屋敷の方は蔵に米の現物がなくても、あるいは持っている米の量をはるかに超える米切手を発行することもあり、まあ銀を手に入れられるから当然なんだが、時には取り付け騒ぎとなり大阪町奉行も介入して結局商売人の主張通りに米や銀を用意させられていたとのことだ。火事などの天災で米蔵が焼けて引き渡す現物がない場合は書面上は免責となっていたが、実際は商売人の要求に応えて「実は引き渡す分の米は焼けていなかった」などとなり八方手を尽くして引き渡すことになっていたそうだ。

高槻泰郎は新しく中之島に出来る近代美術館について、そこにあった蔵屋敷を復元して内部に絵を展示するようにするべきだったのに、なんかようわからん建物にしてしまったのはいかんと書いていて面白かった。蔵屋敷の中にモデリニャーニーとか佐伯の絵があるのもシュールでいいかな。


2018-12-18 13:14:00

今朝は少し気温が低うて、風もありましたが、完全な冬空ではなく晴れ間がのぞき次第に過ごしやすい感じになりました。

先日テレビドラマの「リーガルV」の最終回があって米倉涼子はあらためてうまいと思った。表情がうまい、台詞回しがうまい、間の取り方が絶妙、カメラの長回しに何の問題なく堪えうる演技力どれをとっても素晴らしかった。
米倉涼子が弁護士会会長の小日向の息子を脅すところを隠しカメラで取られてしまう。小日向は法廷で米倉涼子の証言が嘘だと立証するために証人として部下の向井理を呼び、「以前同僚だった米倉涼子は粗暴で、いい加減で、信用ならない人間だった」と言わせる。さらに証拠としてカメラ映像を提出したいとなり、向井理は米倉に「法廷は真実を明らかにするところだと先にあなたは言いましたね、それにこの映像を見ないと一生後悔することになりますよ」と言う。米倉は数秒眉間にしわを寄せたり、目を可愛らしく左右に動かしたりと諦観のようなそぶりや、相手に委ねるようなそぶりを見せた後承諾する。実はこの映像は向井理が小日向を陥れるために別のものにすり替えられており、そこには何と、小日向が殺人を指示する映像が映っていて、米倉涼子は窮地を脱することになる。

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2018-12-17 13:09:00

今朝は昨日の夕方からの雨も上がり、なぜか風もなく、気温も高く過ごしやすい。郵便局にうかがってお客さんからの注文をお出ししたが、数が足りない。不思議だと帰宅してチェックしてみたら積み残して出かけていたことがわかり、あわててまた積み込んで郵便局に出向いた。

結婚式でたくさんの祝電が届いていたり、大会の表彰式などで例の「あなたは優秀な成績を収められましたので、その功を表します」てな表彰状朗読がえんえんと続く時などに「以下割愛させていただきます」とかゆうてる人がいますね。本人はそれらを愛していて、大事にしたいが、諸般の事情で惜しみながらカットしますてな意味合いで使っているのだがもちろんそんなおめでたい意味はない。いらないものなのにこだわって残しているものをバッサリ処分するという意味であることは明白だ。

割愛を使って古本屋が「ご自宅でご不要となった本をご割愛ください」というように使うのがいいわけです。呉智英先生に教えてもらったのだが愛は決していい意味で用いられては来ず、「こだわる」「つまらないものに執着する」とのことだった。また車谷長吉も「愛はそもそも喉の渇きを意味していて、仏の道からは執着として避けられるべきものだった」と書いていた。


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