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古本屋日誌

2018-04-10 12:40:00

今朝はぬくうなってきていて、当然ながら桜は葉桜となり、これが山桜ならもっとダラダラ長いこと楽しめるところなんですね。

お客さんから買い取った本に線引きや書き込みがあるケースが時々あります。私は買取に伺った際に「線引きとかありますかな?」とストレートに聞いていますが、まあそれでも昔読んだ本なんか忘れていることもしばしばありますからね。大阪の老舗の古本屋の「天牛書店」の方に線引きや書き込みを見つけるコツは何かありませんか?と尋ねたことがありますがそのお答えは「ペラペラめくってなんか違和感があるかないかやな」でした。うーんそういうもんかなあ。鉛筆での線引きは消しゴムで地道に消します、赤鉛筆のもかなりあるのですが、これも消えます。

まあ線引きのある本は当然ながら安く売ることにしますから、そういうものがあまり気にならない方にはお得ですね。前にブックオフで岸浩史の「夢を見た」の文庫本を買う機会があり、紙片が挟まっていて見ると著者ご本人が書いたかなり長文のお手紙で、ある女優に献呈するご挨拶でした。岸の「夢を見た」は漱石の夢十夜みたいなマンガで、短編ならではの趣向が凝らされ毎回読ませる作品で、もともと「小説 推理」という双葉社の月刊誌に連載してあった作品です。私は単行本も買い、文庫本も気に入って購入していました。その縁でか何か、著者の直筆を手にできてありがたいことでした。

他によくその本の新聞書評が挟んであることがあります。よほどお気に入りのご贔屓なんでしょうが、少し気になるのは新聞紙は直ちに酸化して黄ばんでいき、その黄ばみが本にもうつることがあることで、まあ参考になる資料が付いているわけだからよしわるしですかね。

 


2018-04-09 12:02:00

今朝も割と寒くて久しぶりにストーブをつけました。しかし外へ出てみるとさほど寒くも無い、むしろ家の中の方が肌寒い、もう少しぬくなったら大丈夫なんだが春先にはよくあることですね。

このところ「新明解国語辞典」の第4版の1刷はないのかとようお客さんに聞かれます。1刷で帯が付いていて、箱もきれいでビニールカバーもよいとなると8000円くらいはしています。でも2、3年前までは1刷も比較的よく目にしていましたし、せいぜい500円前後で買えていましたから、ずいぶん高くなってしまいました。第4版で有名なのは動物を捕らえて監禁する施設だとする「動物園」の語釈や好きになって、あれこれ悩むが失敗するとする「恋愛」の語釈などですが、確かに動物園は一面動物を閉じ込めている面があるので、そういうもんかなと思えますが、恋愛の方は普通には「好きになること」くらいの意味で使っているわけでしくじるという意味合いはないように思います。なぜ執拗に恋愛の不可能性にこだわった書き方をするのかな、そもそも恋愛という言葉にそういうニュアンスがあるのか、それとも著者である山田先生の個人的な受け取り方なのか知りたいところです。

永江朗の「広辞苑の中の日本語」はシリーズで3巻まで出ていて浩瀚なこの辞書を博捜して味のある言葉を取り出して解説したものでなかなか面白い。本当に広辞苑を読んでる人がいて、こんな風に面白がっているんだとわかる、ただ取り上げている言葉は日常的とはいえないものが多くて、新明解国語辞典の第4版を読むような楽しさはない。

 


2018-04-08 11:03:00

今朝は寒の戻りで風が強くて肌寒い。猫は少し外出してゴロゴロ転がってはいたが近所の猫の鳴き声を聞くや否やすぐに帰宅されました。

先日お客さんにインナーシフトが出した「猫はこうして地球を征服した」などをお譲り頂きました。インナーシフトは「隠れた脳」を始めとする楽しい科学啓蒙書をたくさん出している出版社ですが、猫の歯は非常に鋭い上に人間が持つ大臼歯のようなものをすりつぶす機能の歯は持たず、ひたすら牙で急所を襲い殺戮できるようになっているのだとか、犬と違い猫は完全な肉食動物であらゆる動くものを襲って食べる、自分よりはるかに大きい鹿を狙っていたとか物騒な話がたくさんあります。なかでもエキゾプラズマ脳症の話は怖い。なんでも菌は猫のババなどに含まれこれに触れる動物に感染して脳をコントロールしてあやつり果てはネコ科の大型動物例えばライオンなどへの本能的な警戒心を喪失させフラフラとライオンの前に出て行ってしまうように仕向けるという。他にも猫の繁殖力はネズミを超えているとか、野良猫が稀少な鳥類を襲って絶滅に追い込んでいるとか物騒な話がたくさんあり非常に怖かった。それにつけても思い出すのは水木しげるで、作品名を忘れてしまったが三味線屋の店頭が描いてあって店先にうず高く猫の頭が積んであって「あげます」とある。いらんやろうけど、不思議なセンスだなあ。


2018-04-07 12:01:00

今朝はかなり寒くてホットカーペットをつけました。雄猫は相変わらず私が外出するに合わせて必ず外に出るんですが、近所で蔵のあるお宅が解体中で車両の出入りも頻繁にあるために落ち着かずためにすぐに帰宅しておられます。

郷土雑誌「大阪春秋」の170号が発売となり早速一読、大阪府唯一の村である千早赤阪の特集。従来はこの雑誌は歴史の話が大半だったがこのところは現在やこれから過疎化をどないしていこうかという未来を見据えた話まで掲載するようになり、その分くだらない記事もあるはものの、玉石混淆となり雑誌を読む楽しみは増えた。村長のインタビューで村民はどうしても手のかからないコメの生産に偏りがちで、コメはなかなか他の産地との競争に勝てそうもないし、他の農産物を奨励したい、特にいちごには期待をかけていて「ちはや姫」という品種を売り込んでいるという。「ちはや姫」はこのところテレビでも取り上げられていてなんでも大消費地である大阪市が近いので完熟しないうちにもいで、出荷する必要がなく、いちごのへたが完熟の証として外に反り返るのを見てから摘み取っているので非常に甘みも高くうまいという。

先日鉄工所に勤める友人とその友人と飲む機会があり、友人の友人は30台の半ばだが退職して奈良県の下北山村に移り住んでその地のホテルなどの立て直しの仕事をするという。ビームコミックで出ている鈴木みその「限界集落温泉」は人口減に悩む村がアイドルのイベントを開催するなどして立て直そうとする作品でなかなか面白いのだが、大阪は京都などと違い観光に力を入れる姿勢がもとから薄いのでこういうアィデアも必要だろう。千早赤阪村も「太平記」には千早城で関東の100万の大群を翻弄して100日にわたる攻防に耐え抜いた、その防衛戦もなかなか愉快で断崖から岩や大木を投げ落とすのはまあ当たり前として、なんでもババを集めて煮えたぎらせたりして大きな柄杓でよじ登る敵にかけたとある。まあババは沸騰させるまでもなくえらいかおりが漂うだろうからそれでもなお崖をよじ登ろうとする関東の軍団は役者ですな。

京都の人ならこういう楽しそうなホラ話は大事にしてまずここがその防衛戦の崖ですから始まり、ババを用意した肥溜めはここですと細かく商売にしていくだろう。


2018-04-06 12:17:00

今朝は晴れていたが11時あたりからぱらつき始め今は地雨です。

先日お客さんから出たばかりのちくま文庫「たまゆら」(神藏美子)などをお譲り頂きました。この本は以前は横長の大判で出ていたもので評論家の坪内祐三のいい人が白夜書房の末井昭とくっ付いてしまうまでの神藏の表情を巧みに撮影したもので、アラーキーの「東京日記」みたいな作品です。

また同じお客さんに伊賀駒吉郎の「三都比較 大阪研究」もお譲り頂きました。伊賀駒は夕陽丘女学校の校長で、兵庫の甲陽中学の創設者でもある教育者で大正4年に1400ページあまりもある大部の大阪研究書をものしていて最近は全然目にしませんでした。大阪の名所として例の骨佛のある一心寺が載ってます。しかし骨佛とことは全く書いてなくて、大正4年にはなかった風習のようで、代わりに境内にある古跡として「家康駒つなぎの松」「霧吹きの松」「彦左手植えの老椿」が書いてある。このうち「霧吹き松」は家康が幸村に追われてあわやという時に霧を吹いて家康を救ったというもので、一応現存しているようだが、後の2つは影も形もない。残っている松のことも全然宣伝してないので、ないも同様で、一心寺としてはそういう京都のような名所旧蹟にたよった金儲けではなく、みなが直面する死をテーマにお寺の存在意義を見出していった。京都の寺ならまあ松なり、椿なりが枯れたらそれらしいのをどこやらから調達してきて丁寧に植えてまたぞろ名所でございてな感じにするに違いないが、それって立派な文化財の偽造、捏造ですからな。


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