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古本屋日誌
今日は天神さんの古本まつり最終日だ。
これでしばらく大阪では大規模な古本市は開催されないから、名残惜しくて朝から行ってみた。
先日の天王寺さんの古本市は雨にたたられて、会期の6日のうち満足に晴れが続いたのは2日しかなかったから、最終日は多くの店がバーゲンセールをしていた。
しかしもともと天神さんの方は、廉価本が多い上にほぼ会期中晴天に恵まれたので、最終日もバーゲンセールとはなっていなかった。
注目していたのは大規模な100円均一コーナーの動向だ。
というのもこのコーナーは白米さまとお稲荷さまの社の前なんだが、単行本は白米さまの社殿の軒先に、文庫本は御手水のところに、ブルーシートをかぶせて、平台に乗らない本が積んであるのだが、先日見たところでは、まだまだかなりたくさん積んであったのだ。
最終日でもシートの下というのではせっかくの販売機会を失うことになるから、今日は残った本は全部平台に乗せたり、白米さまの軒下に並べたりするだろうと思うのだ。
さて100均コーナーに行ってみたら、単行本の方は軒先のブルーシートがめくってあって、白い紐で40冊程度が結えられた状態で、タイトルも確認できる。
文庫本も同様で御手水のシートはめくってあって、やはり紐で結えられてはいるがタイトルも確認できる。
これはもちろん「さあ、お客さん❗️残り物には福があるよ❗️どんどん買うてね❗️」ということなのだ。
それにしても売れ残った大量の本はどうやって持ち帰るのか、いつも不思議だ。
おそらく再び紐で50冊くらいずつ結索してから、トラックに積み込むんだろう。
それにしても16時の、古本市終了時刻からものの2時間くらいで、100均台から、自分の店の本まで片付けてしまうんだからすごいなあ。
ひょっとしたら100均に限っては古本屋ではなく、運送業者に委託して、台の設置、本の配置、補充、撤収までやってもらっている可能性もないわけではない。でも人件費がすごくかかりそうだし、本当のところはどうなんだろう。
橘玲の新著「バカと無知」はなかなか興味深い本だ。
われわれは何百万年にも及んだ狩猟採集生活の影響を色濃く受けている。
人間関係が濃密で、他人から無能の烙印を押されると死に繋がるから、能力が低い人間も「自分はそれなりにできる」と思い込むようにプログラムされている。
一方有能な人間もそれをひけらかすことは、妬みのもとで危険であるがゆえに「自分は大したできない」と思うように心の仕組みがなっているというのだ。
橘は現代の民主主義国家で、バカと利口が話し合えば、必ず利口はバカに引きずられて愚かな結論をだすにいたると主張している。
確かにそうかも知れない。
だからといって、有能な人間が話し合って事を決めた方がいい、例えば中国は独裁国家であるがゆえに、コロナも乗り切って上手くいってるでしょう、などということにはならない。
橘の意見は思考実験としては興味深いけど、実際には確かめようもないよた話でしかない。
遺伝子の中に「自己を高く見せる」働きの部位や逆に「謙遜してしまう」部位があることが科学的に実証されるとは到底思えないからだ。
これは文系で言えば語源の研究に似てるよなあ。
小学館からは「日本語源大辞典」、三省堂からは「新明解語源辞典」が出ていてどちらも人気だ。
例えば「うがい」(風邪引いた時にゴロゴロやるやつだ)は「鵜飼」から来てるんだとか書いてある。
魚を飲み込んだ鵜が首を絞められてグェーと吐き出す仕草から来ているというのだが、そりゃ、いゃあ言えるかな程度のものに過ぎない。
千年も二千年も前の話で、誰も確かめようもないし、再現することもできない。
バファローズが優勝し、当然ながらクライマックスシリーズも勝って、日本シリーズに駒を進めた。
連覇でありその価値は計り知れない。
山本の投球は圧倒的だし、4番の吉田の芸術的なホームランは球場を埋める観客を沈黙させるほどだ。
大阪の野球ファンはすでにタイガースをとうの昔に見限っている感じがするなあ。
17年も優勝できないなど言語道断だ。(まあバファローズも2021年の優勝まで随分長かったけどな)
高校や大学、社会人でそれなりに才能があるとされているのを入団させて、後は野球ばっかりさせるわけだから、普通は上手くなるだろう。
ところがことタイガースの選手に限っては、どいつもこいつも全く上手くならない。
これは
❶タイガースの経営者は優勝させようと全く思っていない。だから力のある選手を獲得していない。
❷そもそもタイガースに入団する連中は全く才能がない。
❸才能はあるが大阪や兵庫に瀰漫している「ヒマリ球菌」に感染して皆下手になってしまう。
❹甲子園に来る観客は弱いチームが好きという変わった種族である。
才木が村上に通用しないことくらい、ちゃんとわかっていて「おい❗️バカの村上❗️ちょっとはて加減したれよ❗️」などと意味のないヤジを飛ばすのが好きなのだ。
そのヤジに影響されて選手も上手くならないのだ。
以上4つの真理が重なってタイガースは永久に優勝できないのだ。
今日から天神さんの古本市だ。
早速朝から行ってみた。
この古本市は均一本が多い。
100均コーナーは10メートル以上はある巨大な平台が4つも並んでいる。
「豊能障害者作業所」は文庫や新書は100円だ。
「杉本梁江堂」も単行本がたくさん300円均一で出ている。
「小町書店」は全て300円。
「厚生書店」は文庫は全部200円だ。
「からすうり」も文庫を3冊500円で売っている。
つまりバーゲンセール的な要素が強いのだ。諸物価高騰の折、古本の価格は上がっていないし、100円でいろんな本が買えてしまうのだから、時代離れしてるよなあ。
古本屋の方は3日前から天神さんの境内に出張って平台を組み立て、トラックで本を運び込んで、さらに並べて初日を迎えるや、怒涛の販売、面倒な本の補充、会期が終わったら、また、トラックに積み込んで、台をばらし倉庫に本を収納するわけだ。
俺が思うには、労力や必要とされる労働時間と収入が釣り合っていない。
古本屋には「自分の売っている本でお客さんに喜んでもらいたい」てなことを考えてる人も少ないけどいるにはいる。
しかし大半は「掘り出し物で、一儲けしてやろう」てな山師的な考えの人だ。
そのくせ商売のやり方はとても合理的だなどとはいえるしろものではないのだから、驚くよなあ。
いうまでもないことだが、日本一の古本屋は「ブックオフ」だ。
大阪市内のある店舗の店長に話を聞く機会があった。
まず売り上げについて
「店長会議があるんやけど、上からは『新刊の書籍の売り上げがこれこれやろ、そんだけ世間には本があるわけや。なんでそれを回収でけへんねや❗️』てな話がある。
しゃあけどそんなもん新刊はあんまり売れてない。つまり流通してないわけや。なにゆうとんねん思うけど、ようゆわんけどな」
なるほど上からええ本をこうてこい言われるけど、それは無理な話ということだ。
「そしたら店長会議では不満が渦巻くみたいになんの❓」
「いやな、それがそうはならんのや。要するに売上を伸ばしてくる店長がおるんや。そんでなもう、『言い訳無用❗️』てな雰囲気になってまう」
「俺なんかやで、そんな中でやで、社歴だけ長い人みたいな目でみられるんや」
「そんなんやったらしんどいね、いっそ田舎の店舗に移ってみるのはどないなん?」
「いや、俺はな、生活すんのは都会の方が好きなんや。一番嫌なんは下町。プライバシーなんもない、監視されてる感じする。」
「でも田舎やったら隣と距離あるやん?あんまり接触することないから街中よりええやろ」
「そんなことないわ。田んぼや畑は隣と接してるやん、必ず毎日隣のやつと出会うことになるんや」
「でもな、ブックオフの田舎の店舗やったらな、店長が体調悪なって休んだら、お客さんはな、『あの店長さん、どっか身体悪しはったんやろか』思てくれる。
しゃあけど、俺んとこなんかな『あーまたサボりやがったな』みたいな感じで気分悪いわ」
「なるほどな、ほたらわがで古本屋やるのは考えてへんのん❓」
「そらできるけどな、通販での販売になってまうやろ。
あんたがやってるのみてたらな、客とのやり取りもないし、自分一人で本買うてきて、値付けしてシコシコやってるよなあ。
そんなんは、寂しいわ。やっぱり俺の店の店員とかと話をしたりな、そんなんないと俺は無理やな」
「なるほどごもっともでございます」