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古本屋日誌

2022-10-17 14:43:00

橘玲の新著「バカと無知」はなかなか興味深い本だ。

 

われわれは何百万年にも及んだ狩猟採集生活の影響を色濃く受けている。

 

人間関係が濃密で、他人から無能の烙印を押されると死に繋がるから、能力が低い人間も「自分はそれなりにできる」と思い込むようにプログラムされている。

 

一方有能な人間もそれをひけらかすことは、妬みのもとで危険であるがゆえに「自分は大したできない」と思うように心の仕組みがなっているというのだ。

 

橘は現代の民主主義国家で、バカと利口が話し合えば、必ず利口はバカに引きずられて愚かな結論をだすにいたると主張している。

 

確かにそうかも知れない。

 

だからといって、有能な人間が話し合って事を決めた方がいい、例えば中国は独裁国家であるがゆえに、コロナも乗り切って上手くいってるでしょう、などということにはならない。

 

橘の意見は思考実験としては興味深いけど、実際には確かめようもないよた話でしかない。

 

遺伝子の中に「自己を高く見せる」働きの部位や逆に「謙遜してしまう」部位があることが科学的に実証されるとは到底思えないからだ。

 

これは文系で言えば語源の研究に似てるよなあ。

 

小学館からは「日本語源大辞典」、三省堂からは「新明解語源辞典」が出ていてどちらも人気だ。

 

例えば「うがい」(風邪引いた時にゴロゴロやるやつだ)は「鵜飼」から来てるんだとか書いてある。

 

魚を飲み込んだ鵜が首を絞められてグェーと吐き出す仕草から来ているというのだが、そりゃ、いゃあ言えるかな程度のものに過ぎない。

 

千年も二千年も前の話で、誰も確かめようもないし、再現することもできない。