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古本屋日誌
今年は同年配の友人が2人も亡くなった。まだ2人とも五十代で老け込むような歳には見えなかっただけにショックだったなあ。
去年は父親が亡くなったが87だったし、長患いの末だったから来るべきものが来たなあと少し距離を置いてみることができた。
しかし歳も近かったり、歳下だったりした人が死んでしまうのは驚くしかない。
このうちの1人はまだ50に手が届くくらいの女で去年の春に余命宣告をされていたことを亡くなってから知った。
そんなことはおくびにも出さず、仕事に励んでいた。
亡くなる2月前に職場に「リクローおじさんのチーズケーキ」を持って来てナイフで小分けにしては居合わせた同僚に配っていた。
「やっぱりチーズケーキはこれですよね」という。
よく知らないという人には「知りはりませんか❗️難波の戎橋筋入ったとこに以前は店があってよう行列してたんですよ」と講釈まで垂れていた。
翌日、お礼をと思って近鉄上本町駅の地下にあるパン屋のクリームパンを彼女に持って行ったら
「あーこのパンは美味しいて有名なやつですよね❗️」と喜んでくれた。
そのあと体調が悪くなって職場の控え室で机に突っ伏してしまい、その日は仕事を休んで帰宅したこともあった。
後でその日はの話を本人にしたら
「ちょっと貧血だったんです。でもあの時は私が机に顔をつけていたら、周りの人が『あんたいけんのか❓えらい青い顔しとんで❗️』と心配してもうたんです」と言う。
もうその頃はひどい状態だったろうに、精神的に強いひとだった。
先日、劇画の平田弘史が亡くなった。
平田は1960年代初頭に大阪の日の丸文庫から「血だるま剣法」を出して部落解放同盟からの抗議を受けて、本の回収、絶版という筆禍を被った。
この本はようやく2004年に一部伏せ字を施した上で青林工藝舎から復刻がでた。
それまでは読みたくてもなかなか読めず、私は奈良の古本屋の五輪書の目録にこの本が10万円で出ているのを見つけて申し込んだが抽選に外れた。
その後ヤフオクで出ているのを見つけて8万円で落札したが入手後読んでいると何箇所も落丁がある。
下鴨の旧家が出品していたのだが「いやーこの本は大事にしていたので欠損があるとは思わなんだわ」とのことでなかなかうまくいかない。
仕方ないのでいろいろ調べたら東京の大宅壮一文庫が持っていることがわかったので、わざわざ東京くんだりまで出向いてコピーさしてもらいましたよ。
ただ、平田弘史にはもう一つ天理教の開祖の中山みきの伝記がある。
これは天理教の新聞に連載されていたのだが、なぜか途中で打ち切りになり本にもなっていない。
今日も大阪古書会館では古本市だ。それにしても古本屋の仕事で一番問題なのが仕入れだ。
他の業種ではどう売っていくかが問題なんだろうが、こと古本業界に限ってはいい本は必ず売れるので、売り方は大した問題ではない。趣味的な問題でしかない。
やはり本をどこから入手するかが最大の課題なのだ。
お客さんから買い取ればいいやないかと思われるだろうけど、そう簡単ではない。
以前和本をたくさん持っているお客さんのところに出向いたことがある。
節用集や名所図会などもあったが、それ以外に20年くらい前の実用書や歴史書が2000冊くらいあって「ええもんやろ❗️キバって買い取りしてや❗️」とおっしゃる。
私にはよくわからない本ばかりなので値のつけようもない。
「いやあーちょっともわからしまへんわ、どないしましょ」
「古本屋やのに、わからんのかいな」とおっしゃるが、当然わからない。
わかるわけがない。
てなわけで客からの買い取りもなかなか難しいものだ。
今日から谷町四丁目の大阪古書会館で古本市、早速朝から行ってみた。
京阪電車の株主優待定期券を手に入れたい。去年は12月26日に58000円で、その次は7月2日に62000円で手に入れた。