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古本屋日誌

2021-12-25 19:19:00

今年の夏に白水社からショーンバイセルの「ブックセラーズ・ダイアリー」が出た。

これはスコットランドの古本屋の実録で一年にわたって毎日の店での売り上げ、購入者数に加えてネットでの売り上げも記してある。

 

ただこの本によれば店頭の在庫は軽く10万冊を超えているし、ネット売りもそのうちの1万冊なんだそうで、われわれとはそもそも規模が違う。

2月の店売りは、5日が274ポンド。6日は95、7日は67、8日は77、9日は休み、10日は119、11日は5、12日は104、13日は13、14日は307ポンドという具合だ。

1ポンドは150円くらいだから307ポンドは46000円くらいになる。これが毎日だったらいいんだが、1日店を開けても5ポンドしか売り上げのない日がある。

これは750円だから俺だったらもう精神的に参るよなあ。

ネットの売上でもたまにものすごく少ない日があると気になって仕方がない。

 


2021-12-24 09:53:00

古本屋の仕事の最大の問題は仕入れだ。販売は店舗でも売れるし、通販なら販路は全国なので他の業種のように売り方で悩むことはない。

昔からの古本屋でお客さんも何代にもわたっていい本を売ってくれるという関係を築いているところは商売も容易だ。

ぢこういう古本屋にも悩みはあって1つは売れない専門書を持ってくる大学の先生だ。文系の専門書は万を超えるものも多いが、大半は同人誌レベルで学問的な価値はない。

しかしお客んは自分が著者ということも多くて、そういう常識的な判断もできないから、断る理屈を捻り出すのが大変なのだ。

また和本を扱う古本屋も必ず購入してくれるお客さんがいるので商売としては楽だ。

 

しかし、売ってくれるお客さんは必ず和本とセットで何十年も前の売れない本を大量に持ち込んでくるので、その処分をどうするかいつも困るのだ。

私の感じでは仕入れが容易な分野はなんといっても文学書だな。とりわけ日本文学の初版本とかを取り扱う本屋は客との個人的な関係を作りやすい。

それは客がこちらからは窺いしれないいろんなこだわりを持っているからなのだ。

ある気に入った作家の初版から始めてその後の全ての刷が欲しいとか、文庫本なんだがカバーがある刷から変わった、ついてはその変わる前の最後の刷の本が欲しいとかいうわけだ。

だからそのこだわりに応えられる古本屋だということになれば、お客さんはリピーターになって何度も本を売ってくれる。

文学書のコレクターは同時に哲学書や人文系のなかなかいい本も持っているものだ。客の方は古本屋にすがる思いでお目当ての本を探しているから、恩義も感じていて、いろんな本を安く売ってくれるわけだ。

というわけで仕入れが容易な古本屋は

❶文学書を専門に扱っている、日本文学でも西洋文学でもかまわない。

❷店主はある程度自分の扱う本について思い入れを持っている必要がある。単に一発当てたれとか、古本屋は楽な商売だとか、やまこだけではいけない。

❸古本屋の所在地は大阪府南部(堺、和泉、貝塚)と大阪府北部(豊中、吹田、箕面、高槻)が望ましい。金持ちがそれなりに多いし、大阪大学、大阪市立大学、大阪府立大学などがある。また南部は引退して余生を過ごす老人もたくさんいる。

 


2021-12-23 14:25:00

今日から30日まで阪神百貨店で古本市だ。

早速朝から行ってみた。

 

コロナ騒ぎの影響でこのところずっと開店前はガードマンが誘導してローブを張り客を一列に並べて待たせている。

 

それも単に行列させるのではなく30人程度列ができるとその後ろに間隔を取ってまた並ばせている。

エレベーターも5人までにしてくれとの表示が床に立ち位置まで指定して書いてあるのだが、特段守られているようには見えない。もちろん守る必要のないルールであるのは間違いない。

今回の古本市は喫茶店も併設されていてずらりと椅子を並べたカウンター席の他に丸テーブルを囲むスタンディングスタイルのもある。

 

コーヒーに加えて「ろうそくケーキ」と銘打ってスポンジの上にイチゴを乗せて生クリームをたらしたケーキが450円で出ている。

大阪、京都、神戸の古本屋に加えて三重や富山の古本屋も参加している。

大阪は半分は無店舗で、不思議なことに無店舗の方が安い値段が付いている。日頃は通販でそれなりの利益を得ているので、たまの即売会では安売りをするのかもしれない。

でも古本屋ていうのはだいたいは一山当ててやろうてなことを考えていて、相手を出し抜いてやろうというスタンスの人が多い。

本が好きで好きで、本に囲まれて生活できれば御の字だというような古本バカみたいな人はあんまりいないよな。

 

 


2021-12-22 12:21:00

今日から箕面のメイプルホールで古本市だ。

早速朝から行ってみた。

 

というのも大阪で金持ちが居住しているのはまず箕面であり、高槻の北部であり、中之島であることはよく知られている。

橘木俊詔の「日本のお金持ち研究」によるのだが、やはり金持ちはそれなりに本も読むだろうからいい本もあろうかと思うからだ。

それにこの古本市を主宰しているのは「豊能障害者労働センター」で、営利企業ではあるが、我々のように利益しか求めない古本屋ではないから、お客さんも半ばボランティア精神でいい本を売っている可能性がある。

さて古本市の内容だが古本だけでなく、レコード、DVD、児童書、たくさんのネクタイ、オモチャ、プラモデルなどもあった。


2021-12-21 12:42:00

先年小学館から「蘇った古代の木乃伊」が出た。

高槻市の阿武山の山頂で昭和9年に見つかった古墳の被葬者が藤原鎌足であるのを確定する話だ。

未盗掘の古墳で、全身の骨格のみならず、内臓や皮膚の一部まで残っていたし、金糸を使った冠や当時としては貴重品のガラス玉を使った枕なども発見された。

大発見が報じられるや、一眼見たいと見学者が大挙して訪れて現場は混乱し、また皇族の墓ではないかとの可能性も出て、不敬にあたるのではないかとの配慮から憲兵隊が出て墓を埋め戻したのだ。

興味深いのは石槨内にあった木製の柩をまて石槨に戻す際、八瀬童子が駆り出されたことだ。

比叡山麓に代々住まう「八瀬童子」といわれる人たちは伝統として天皇の死去の際その棺桶を担ぐのを生業としていてそれが昭和9年にも伝えられていたわけだ。

このことは猪瀬直樹がその著作でも述べていたことで、昭和天皇が死んだ際にも宮内庁から要請はなかったが、八瀬童子側から参加したいとの申し入れがあったのだ。

 


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