Welcome

古本屋日誌

2021-09-25 21:26:00

田辺剛の「インスマスの影」がビームから出ている。

ラヴクラフトの小説を漫画化したものだ。田辺はこのところ毎年ラヴクラフトの作品を手掛けているが本作はとりわけ完成度が高い。

今回は見開きで様々なシーンを描いていてその画力に驚嘆する。

主人公が謎の港町、インスマスにバスの乗って到着し、街中をゆっくりしたスピードで走る車窓から教会をのぞき見るシーンがある。

司祭は荘厳な被り物と礼服を身につけてはいるのだが、その間に挟まれた司祭の横顔が見開きになっている。

それは人間と恐ろしい魚が渾然一体となったような容貌魁偉な化け物だ。

しかしそれをとくと見たはずの男は「あれは確かに動いていた」と確認するはものの、

「やはりあれは普通の人だろう、そういう人なんだ」と無理から安心しようとするシーンがあって笑ってしまう。

そらいくらなんでも無理、無理。

iPhoneから送信


2021-09-24 16:28:00

ロビン・リエリーの「米軍から見た沖縄特攻作戦」はこれまでのワンパターン解説に再考を促す内容が含まれる。

攻撃に意味がなかったとか、損害をあまり与えられなかったとか、フィリピンでの特攻にくらべると成果は少なかったてな感じで片付けられていたからな。

沖縄占領のため必要なレーダーサイトとして洋上に設けられたレーダーピケットに連日帝国陸海軍機の特攻機殺到してその海域にいたアメリカの艦船の29%に損害を与えていた。

その理由は様々あげてある。

レーダーに見つかりにくい超低空飛行で艦船に接近していたこと

護衛の戦闘機は艦船上では対空砲火があるので迎撃できなかったこと

帝国陸海軍機とアメリカ軍機の識別が難しく接近を許したこと

帝国陸海軍機が木製の機体の飛行機も利用して特攻を仕掛けてきたため近接信管が作動せず突入を許したこと

なるほどね。

それにしても、戦後は戦争はいけないとかいうイデオロギーや現代の価値観で昔を評価する幼稚な価値観も蔓延した。

さらに加えて日本はアメリカの犬になる選択をしたことも加わって紋切り型の評価が戦争全般に加えられている。

iPhoneから送信


2021-09-23 13:38:00

人はいろんな思いで、友人を見ている。

私が古本屋を始めた時に初めて蔵書を売ってくれたのは予備校講師時代の友人夫婦だった。

嫁さんは同志社女子大の講師で中国文学が専門で、旦那さんは関西大学で留学生相手に数学を教えていた。

図録や講談社学術文庫、Z会の参考書なんかを譲ってもらってありがたかった。

わしが古本屋をすることに関して
嫁さんは

「あんた‼️古本屋やろ思たらできるやろ‼️」と突然旦那さんを追及し出した。

「そら調べて、勉強して相場わかってきたらなんぼでもできるやろ」

手近な人と旦那を比べて、とやかくいうのは世間ではよくあることですな。

やはり予備校講師時代の友人で、今は精神科医となっている勤務医に

「俺古本屋になったんや」というと

「古本屋なんかあかんて、そんなもん」という。

「学園前にな、論語教える教室出したらええねん、わしの娘も通わすよって」ともいう。

彼は人間は向上心を失ったらあかんねやということが言いたいようだ。

あれこれこっちから言ったらそれなりの社会的地位を鼻にかけて話をしているようにも聞こえてくるし、俺は全くその点に興味はないのでやめておく。

この友人の精神科医は以前は神戸の病院にも勤務していてあの有名な奥崎謙三も診察したことがあるのだよ‼️

出所後のことなんだが、

「あれこれ話聞いてたらえらいどつかれたわ」

とのことなんだが、細かい話が聞きたいよなあ。


iPhoneから送信


2021-09-22 23:33:00

今日は京都のお客さんのところに出向いて昭和10年ごろに出た建築写真類聚を譲ってもらった。

その中に「割烹店・酒場新装集」というのがあって銀座と上野にその当時あった割烹や酒場の外観に加えて内装の写真を集めたものだ。

銀座は今はあんな状態で通りに面していろんなものを食べられる店なんかないよね。

しかし昭和10年ごろはカウンターやテーブル席から気軽な人波や景色を愉しみながら酒を嗜める店がたくさんあった。

帰りに新京極を歩いたんだが「キリンシティ」は8月から閉まっていて、今も階段は閉鎖されたままだ。ただ「10月1日から、再開するからよろしくね‼️」という張り紙があったのでホットはした。


iPhoneから送信


2021-09-21 20:22:00

並木書房からリエリーの「米軍から見た沖縄特攻作戦」が出た。

これまで日本側の特攻資料は出撃前の心境や覚悟、遺書、作戦計画しかなかった。

まあそりゃあそうだよなあ。

基地を発進してしまえば、帰ってくることはなかったんだから、具体的に米艦船にどう挑んだのかはアメリカ側の資料にあたる他はない。

これまでも正規空母バンカーヒルが特攻攻撃で大損害を受けたことに関して「特攻、空母バンカーヒルと二人のカミカゼ」が出ていて世間をあっと言わせた。

今回はさらに沖縄戦全体での特攻攻撃が米軍に与えた打撃や作戦の詳細が示されたので、興味が尽きない。

米軍は沖縄に侵攻するにあたりレーダー網を張り巡らしたのだが、洋上にその中継地点を設け駆逐艦などを常駐させていた。

このレーダーピケットはさっそく帝国陸海軍の察知するところとなり、連日激しい特攻攻撃を受けた。

レーダーピケットに配置された艦艇の3割に被害は及ぶのだが、その戦闘日誌の収めてある本書で注目すべきは特攻をせずに爆弾を投下する飛行機がかなり多いことだ。

これはそういう任務を与えられたベテランパイロットがいたということなのか、それとも怖くなって爆撃に切り替えたということなんだろうか?

iPhoneから送信


1 2 3 4 5 6