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古本屋日誌

2019-11-20 11:55:00

祥伝社新書から井上章一と佐藤賢一の対談本が出た。 

梅棹忠夫からヒントを得たというフランス革命と明治維新の類似性の指摘、ヤマトタケルノミコトの神話での女装やホモっ気の指摘、遊牧民族の歴史上の役割の指摘、宋の時代に全面化した科挙による官吏登用、戦後の人命尊重の風潮が戦争をできにくくしている指摘などが書いてあるが、どれも目新しいものではなく、天下の碩学にしては物足りない内容だった。

先日でた大塚ひかりの「エロまん」に詳述されてある神功皇后の神話をさらに裏づける話は面白かったけどね。大塚は神功皇后が三韓征伐に赴いた際の男装に注目する。

彼女はその時妊娠中で、分娩を避けるために腹に石を挟み込み、甲冑を身につけ男装で戦場に赴いた。また帰国後反乱を起こした2人の皇子を討ち取るために、自分はもう死んでしまったなるデマまで流して当時深く信じられていた言霊信仰まで踏み破った。

井上章一の本では日本武尊の話が次のように述べてある。

熊襲タケルの兄弟を討ち取るために日本武尊が女装してタケルにしなだれかかり、長らく身体を弄らせてようやく男と気づいたタケルを打ち取り、逃げる弟の尻の穴からつるぎを突き刺した。断末魔の中タケルは「あなたはひーろーだ、ぜひヤマトタケルノミコトと名乗りなされ〜〜」と叫んで息絶えるわけで、完全に男色のエクスタシーの場面です。

ただ井上章一は明治維新の時、あるいは秩禄改正のおり危機に瀕した幕閣や侍がシナや朝鮮に亡命して時を待つとか、亡命政権を打ち立てるなどの発想を全く持たなかったことに注目して「日本の場合、ドゴールの亡命政権のフランスやら清末の孫文は考えられもしなかった。それは日本の場合日本という縛りが極めて強いからだ」という指摘は面白かった。

確かに井上章一も述べているが白村江の戦いでの敗戦の際に裏切る兵隊はいなかったようだし、あの元寇の時も圧倒的なモンゴルの軍勢に気圧されて寝返る侍もいなかった、これも日本という縛りが強いことを示しているのだろう。

先の大戦でもアメリカ軍は例えばサイパン島上陸作戦時に基地内にバーや女の接待がある施設を作り、兵隊の慰安に努め、昼間は昼間で圧倒的な物量に物を言わせて日本軍を攻めまくったわけだが、私などすぐに縮み上がって白旗を掲げそうなものだが、降伏してくる兵隊は少なかった。なんでも日本の兵隊にはこっちが機関銃にしても38銃にしてもほとんどない中で弾も節約してやってるのに、アメリカは有り余る銃器を好き放題使って攻め寄せてくる、これはどう考えても不公平だ、不当なことだと思いアメリカ兵への怒りをたぎらしたそうだ。

 


2019-11-19 11:58:00

京都方面を中心に店舗展開をしている「コーヨー」というスーパーの南森町店には一階に自前で焼いた100円パンが並んでいて、その中にパイ生地をリング状に丸く整えて焼いて、上からチョコレートをコーティングしたのを売っていて、私はこれが好きだなあ〜〜

「コーヨー」は阪急の高槻市駅前にもあってここは24時間営業で便利なんだがなぜか同じパンは売っていない。南森町店の二階には喫茶店があって簡単なパスタ」パン、ケーキなどが食べられるほかに、店内の食品を持ち込んで食べたりもできる。

クッション性のよい4人がけのテーブル席もあってよく利用するのだが、昨日も友人と話をしてたらフランスのトイレ事情のことになって「フランスやらヨーロッパ各国にはほとんどウオシュレットがないんや、せやから飲食店なんかでは何とか手に入らないものかと日本人旅行者に依頼してわざわざ日本から持ち込んでもらうこともあるくらいなんや」

そうなのか、そういえば「テルマエロマエ」でも阿部寛扮するローマ人がえらい大げさにウオシュレットに反応していたけどそういう背景があるんやね。

フランスの治安に関しては相変わらずよろしくなくパリの観光地でもスリや強盗が出没する。制服を着た高校生とおぼしき女子の数人が「写真を撮ってもらえませんか〜〜」てな感じで日本人観光客に近づき「かまへんよ〜〜」とかゆうてる隙に他の女子が無理やりハンドバックを奪い取ってそのまま逃げ去っていく。

えらい荒っぽいやり口で財布だけならまだしもパスポートやスマホが入っていたりでもしたら、実に厄介ごとだ。


2019-11-18 09:45:00

11月は雑誌サイズの「ゴルゴ13」が発売となる月で今回のはゴルゴが射撃するところを目撃してしまった少年が、その凄まじい殺気に怯え続けて、夢にまで見るようになるが、毎晩のように執拗にゴルゴは現れライフルで少年の頭を撃ち抜く。このイメージがかえって少年にプラスに働き脳内にあった腫瘍が消えてしまうという話だ。

私の知り合いの古本屋はある朝当然胸が苦しくなり、それはもうたまらないほどで、かつて経験したこともないような痛みだったので、恐れおののいて近所の病院に駆け込んでレントゲンやらMRIやらを受けた。「これはどう考えても尋常ではない」とパニックになり、病院の待合室に肌身離さず持っているはずのスマホを置き忘れても気がつかないほどだった。

さて胸部疾患内科のベテラン医師はレントゲンやらをじっと見つめたままうんともすんとも言わない。いたずらに時間が過ぎていく。

「まああれですな、これは何も問題はないから寝違えたとかそういうやつですわ」

この間3分半。長いね〜〜

 


2019-11-17 11:16:00

文藝春秋から出た李栄菫らの「反日種族主義」には日本で働いた朝鮮人の炭鉱夫の給与水準の分析があり1940年の基準でソウルの男子紡績工の5.2倍、1944年の基準で日本の巡査の初任給の3.7倍、1944年の基準で日本の事務職男子の初任給の2.2倍などとなっている。

戦時中で日本はたくさんの兵士が出征し労働力不足に陥っていたし、そもそも炭鉱での作業は熟練と経験を要するもので、危険と隣り合わせでもあって当然然るべき対価が支払われていたということのようだ。

まああれですね、日本の植民地支配に関しては実態がどうだったのかがよく知られていません。それはそれとして中公新書の「英国紳士の植民地統治」によるとイギリスはインドを統治するための高等弁務官やその下部の官僚を全てオックスブリッジを出たバリバリのエリートで固めて、決して本国で食い詰めた輩を厄介払いで送り込むようなことはなく、慎重にことを進めたのだが、その結果はセポイの乱を惹起し植民地支配に大打撃を与えることになってしまった。

結局いかに慎重に、いかに気を遣って統治しようと植民地統治は割に合わないようです。

セポイの乱なんか考えたらとんでもない話ですよね。軍隊ではカースト制度にのっとり、「俺は銃の弾込めだけする」とか「俺は整備だけ」とかいう伝統を守っていたら何もできませんから、イギリスの官僚たちは差別をもたらすカースト制度を解体しようと目論んだわけですけど、結局「差別は大切‼️」との意見に負けてしまうわけですからね。


2019-11-16 11:48:00

昨日から花隈にある神戸古書組合の会館で恒例の古書即売会をやっています。ぜひお越しください。

神戸の古書会館は阪急花隈駅の西口、階段を登りきった一本裏手の路地にあります。

二階建ての木造で間口は三間くらい、ちょうど宿替えか万歳で荷物の運び出しのために開け放たれた陋屋の趣きです。バリアフリーに対抗して土間を入ったすぐのところに40センチはあろうかと思える巨大な段差が設けてあり、少し前まではここで靴を脱ぐ決まりでした。

一階は10坪程度の敷地で縦に三列陳列棚があり古地図、引札、戦前から戦後にかけての「コドモノクニ」シナ事変の時の「歴史写真」などが厳かに並んでいますね。

さて2階はその階段が急峻なことこの上なくおまけに一段一段の幅も狭く、段差は大きいとあって苦杯をなめた人もさぞかし多かろうと思われます。

驚かされるのは二階への本の搬入はエレベーターではなく全て手作業で行っていることです。そもそも会館にはエレベーターがない。京都や大阪の古書会館は鉄筋で4階、5階とそびえ立っていてカーゴを乗せるための大型のエレベーターが備え付けてありますから快適といえば快適でしょうが、そこで徳川時代の地図や引札、役者絵を見るのもどうかとは思うのです。

逆にここで講談社学術文庫の「日本後記」やちくま学芸文庫の「存在の大いなる連鎖」や平凡社ライブラリーの「普遍論争」を見るのはそれはそれなりに様になっています。

 


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