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古本屋日誌

2019-01-21 10:41:00

今朝はよう晴れていて爽快、風もなく冬の終わりを告げているかのような晴天です、雨上がりで大気はしっとりしていてそよ風が吹き外出日和です。

橘玲の「もっと言ってはいけない」(新潮新書)が出ました。黒人と白人のIQに明らかな差があることや、精神疾患も遺伝の要素がかなりあることなどをわかりやすく解説した本です。

70年代のアメリカの公民権運動では黒人は差別されているがゆえに知的な能力が劣っているのだから、差別は許されないし、生活環境全体にわたる底上げを図ることで白人と同様の能力を取り戻せると考えられました。アファーマティブアクション、つまり大学入試にせよ、企業の採用にせよ黒人にゲタ履かせて優先的に採用する措置もとられて、環境面の改善とあいまって早晩能力差は解消されることが期待されたが、ご承知の通り依然として黒人と白人の能力差は歴然とあり、これが「黒い憂鬱」と称されてリベラル、進歩的な知識人の悩みのタネとなっています。

まあこれはアメリカの話だから我々にはどうでもいいことなんですが、この本で取り上げられていて衝撃的なことはAIが跋扈するであろうこの先の展望に関する話です。

パソコンなどを使い普通に業務が行える労働者は現在でもそんなに多くはなく、今後それらの業務もAIに置き換えられていくから、それを上回るスキルを示せる労働者はさらに減る。新井紀子の主張を裏書きするような内容ですね。目覚まし時計が発明されるまでは「朝起こし人」という仕事があったそうですから、時計の発明でこういうアナログな仕事は失われ失業の憂き目にあったわけですが、産業革命のおかげで工場労働者としてなんとか吸収されて飢え死にすることは免れた。しかしこれから起こるであろうAIによる改変では失われる仕事の代わりとなる職は容易なことでは見つからない。

でもまあ、世の金持ちは単に自分のことしか考えず合理的に金儲けに狂奔しているだけですからね。お釈迦さまのおっしゃる「慈悲」の精神など何もない。自分より劣っているたくさんの人たちを見て憐れむというのは偉大な知恵です。


2019-01-20 08:31:00

今朝は夜前から雨で時折やむ時もあったが、ずっと降り続けています。

森晴樹の「プガジャの時代」を入手しました、帯も付いていますので、ぜひお求めください。

「プレイガイドジャーナル」の草創期からの各編集長のレクチャーをまとめたもので、1980年代の初頭大卒の初任給が14.5万だった頃に、2万5千円くらいの給料だったとある。毎月4日に編集部に集まり16日の出校日まで怒涛の作業が続き、特に13日以降は連日徹夜となったというが「それでも肉体的にはきつかったが、たのしかった、給料が2万5千円でも行けてしまうんです」という。

いくら物価も安いとはいえこの給料ではと思うが、ラジオのコントの台本を作る仕事があったりしてそこである程度ちゃんとした収入得ていたようだが、それにしても映画の試写会をタダで観にいけたり、ポスターをもらえたりとかの特典があるとはいえ、不思議な高揚感のある時代だったんだなあ。

ダウンタウンの芸が面白くなかったとの記事を掲載したところ吉本興業から厳重な抗議が来て、しばらく「プレイガイドジャーナル」には吉本興業関係のイベント情報は一切掲載を認めないとなったことがあった。最終的には香川登志緒が頭を下げてくれて手打ちとなったが編集部は「ようやったった」と意気が上がる感じだったという。そりゃあ当然だよなあ。

 


2019-01-19 09:05:00

今朝はかなり冷え込みましたが、晴れているので次第に気温は上がり風もないのでよい。

12月8日に死んでしまったメス猫のちきりんの写真と携帯ストラップが葬儀社から送ってきた。携帯ストラップは二つあり、丸く写真が加工して透明の円盤に収めてありそれぞれ金と銀の鎖で繋いであるもので、いつもちきりんの顔を拝めるのでありがたい。

以前実家でこうていた猫は白猫なんだがオッドアイで左目が青く右目が黄色でなかなかきれいな猫だったが、キャットフードなどという高尚な食べ物は普及しておらず、ご飯にかつお節をまぶしたり、煮干しをあげたりというような餌だったゆえか、隙あらばおつくりであれ、焼き魚であれ、たいたんであれ魚と名のつくものならなんでも盗って食おうという気概にあふれていたので、しばしばおかずが半減することがあった。

放し飼いであるのはもちろんなので、ノミがたかっていて、ブラッシングすると毛と毛のあわいさに黒いゴマ粒のようなノミがしがみついている。ビニールの袋に収納してしまうのだが、何かの拍子にこちらに飛び火して二の腕あたりに留まり、吸血していることもあった。人間の血を吸うノミは今までは黒い円形だったものが、縦に細くなり、黒い棒のような形だった。履き古した白い靴下を猫のそばに置いておいたら、すえた臭いに引き寄せられるのか猫の体から黒いつぶつぶが靴下めがけて飛び移るのが見えた。


2019-01-18 09:48:00

今朝は少し冷え込んだが、カラッと晴れていて風も穏やかで過ごしやすい。雄猫は相変わらず外に出るのだが、近所で普請が続いていて車両の出入りも多くその度に走りこんでくるのが面白い。慣れてしまった車に馴れ馴れしく近づくようでは困る。

箕輪諒の「くせものの譜」を入手しました。ぜひお求めください。

戦国時代の曲者とみなされる武将を取り上げた短篇小説集で、戦国時代はもう誰も彼も小説の題材に取り上げられているから、新しく取り上げるのはさぞかし大変だろうなあ。それをあえて主人公にはなり得ず、敗れていくものそれも真田幸村のように脚光を浴びている人物ではなく、知謀知略は並外れたものを持ちながらも時の運に見放されて滅んでいくものという切り口で挑んだ意欲作です。

佐々成政は信長に受けた恩義ゆえに 秀吉の軍門に下るを潔しとせず秀吉の城を囲んであと一歩のところまで追い詰めるが折からの大雪ゆえに敵の援軍に気づかず大敗を喫してしまう。それでも家臣を集めて「義のために共に立ってくれ!」と叫びそのカリスマ性ゆえ一同をその気にさせてしまう。

ところが反秀吉の旗手である織田信雄が事もあろうに秀吉に下ってしまい、困った成政は雪山を超えて駿河に出向いて家康や信雄に翻意するよう説得するが不調に終わる。それでも屈せず戦っていたところに説得に現れたのは……。

上手の手から水が漏れる、策に溺れる、船頭多くして船山に登るとかいろいろ言い方はあるけど、人の能力には関係なく趨勢は止められない、これはよくあることですね。以前働いていた会社も伏見桃山に営業所を開設し、地所までこうて気合を入れてはいたが営業成績は芳しくなく、実績のある営業マンを投入して挽回を模索したがかなわず、閉鎖に追い込まれました。

敵が矢折れ刀尽きとなって今や落城の秋を迎えたとみて全力で城攻めに乗り出し、予想通り鉄砲による反撃は少ない。もはや城方は補給が続かず柵に取り付いてなだれ込もうとする侍を撃ち落とす弾丸もやだねも少ない。局所的には弾に当たって頭を吹き飛ばされるものや矢じりで鎧の裏をかかれもんどりうって転落して見るも無残な最期を遂げるものもあるが、それは運が悪いだけだと考える寄せ手の大将信蕃は先陣を切って柵に取り付いて乗り越えようとする。敵の矢が目の前をよぎっていく、あと少しずれていたら眼を射抜かれていたろうが、それも果たせず、勝った‼️と確信した瞬間………。

好事魔多し、千仞の効一簣にかく。これもありますよね。

 

 

 

 


2019-01-17 18:17:00

今朝はかなり寒かった、久しぶりにお休みなので朝寝をして、雄猫が起こしに来るまで寝ていた。早起きて外へ出してくれとのリクエストなんだがねまで9時半くらいまでグズグズしていた。

ようやく大判になった「プレイガイドジャーナル」「ぷがじゃ」をまとまって入手できました。70年代のジャーナルは判型も小さく執筆者も今から見てもわけのわからない連中が多くて面白さもあるものの、つまりは読む価値のない文章も多かった。ところが大型化して一新したものは中島らも、いしいひさいち、蛭子能収、内田春菊、関川夏央、鴻上尚史、川崎ゆきおなどの面白い話が毎号載っていて、面白い。

蛭子能収がテレビではああいうおとぼけキャラだが、映画評論は非常に的確で、全くの別人としか思えないし、「ガロ」によく載っていた「私は馬鹿になりたい」をはじめとする漫画は人生は無駄であることや、余ったヒマな時間をどう使っていけば良いのかわからなくなり、ギャンブルにのめり込んだり、犯罪に手を染めたりする様々な人間があくどい絵柄で表現されていて心打たれる。

蛭子能収は1986年の「ぷがじゃ」のエッセイでニュースステーションで久米宏がアランドロンを番組に呼んだ時の話を書いていて、久米宏がアランドロンにたった5分しかインタビュー時間を取らなかったことを批判し、さらに「ドランが『テロが起きるのはフランスはいろんな国から移民を受け入れすぎたためだ』と言ったところ久米宏はドランには何も言わず番組の最後で視聴者に向かって『テロは嫌ですけど、移民を受け入れなくなることも嫌ですね』と言って終わってしまったのはどうなんだ。まずドロンにそう言うのが筋だろう」と書いています。久米宏は大衆受けすることしか頭にない人だから仕方ないでしょう。

蛭子能収は大阪のタクシーに乗ったとき「お客さん、あれやでギャンブルはやったらあかんで、わしの連れでもやったったのあるけどみんな会社辞めてしまいよった、ギャンブルやるやつはクズやで」と真剣に言われてやり取りするうちに運転手が創価学会の信者だとわかってきて、さてどうするかというお話でなかなか楽しい話ですのでぜひお求めください。

 


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