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古本屋日誌
今朝はよう晴れていて爽快、風もなく冬の終わりを告げているかのような晴天です、雨上がりで大気はしっとりしていてそよ風が吹き外出日和です。
橘玲の「もっと言ってはいけない」(新潮新書)が出ました。黒人と白人のIQに明らかな差があることや、精神疾患も遺伝の要素がかなりあることなどをわかりやすく解説した本です。
70年代のアメリカの公民権運動では黒人は差別されているがゆえに知的な能力が劣っているのだから、差別は許されないし、生活環境全体にわたる底上げを図ることで白人と同様の能力を取り戻せると考えられました。アファーマティブアクション、つまり大学入試にせよ、企業の採用にせよ黒人にゲタ履かせて優先的に採用する措置もとられて、環境面の改善とあいまって早晩能力差は解消されることが期待されたが、ご承知の通り依然として黒人と白人の能力差は歴然とあり、これが「黒い憂鬱」と称されてリベラル、進歩的な知識人の悩みのタネとなっています。
まあこれはアメリカの話だから我々にはどうでもいいことなんですが、この本で取り上げられていて衝撃的なことはAIが跋扈するであろうこの先の展望に関する話です。
パソコンなどを使い普通に業務が行える労働者は現在でもそんなに多くはなく、今後それらの業務もAIに置き換えられていくから、それを上回るスキルを示せる労働者はさらに減る。新井紀子の主張を裏書きするような内容ですね。目覚まし時計が発明されるまでは「朝起こし人」という仕事があったそうですから、時計の発明でこういうアナログな仕事は失われ失業の憂き目にあったわけですが、産業革命のおかげで工場労働者としてなんとか吸収されて飢え死にすることは免れた。しかしこれから起こるであろうAIによる改変では失われる仕事の代わりとなる職は容易なことでは見つからない。
でもまあ、世の金持ちは単に自分のことしか考えず合理的に金儲けに狂奔しているだけですからね。お釈迦さまのおっしゃる「慈悲」の精神など何もない。自分より劣っているたくさんの人たちを見て憐れむというのは偉大な知恵です。