Welcome

古本屋日誌

2019-01-18 09:48:00

今朝は少し冷え込んだが、カラッと晴れていて風も穏やかで過ごしやすい。雄猫は相変わらず外に出るのだが、近所で普請が続いていて車両の出入りも多くその度に走りこんでくるのが面白い。慣れてしまった車に馴れ馴れしく近づくようでは困る。

箕輪諒の「くせものの譜」を入手しました。ぜひお求めください。

戦国時代の曲者とみなされる武将を取り上げた短篇小説集で、戦国時代はもう誰も彼も小説の題材に取り上げられているから、新しく取り上げるのはさぞかし大変だろうなあ。それをあえて主人公にはなり得ず、敗れていくものそれも真田幸村のように脚光を浴びている人物ではなく、知謀知略は並外れたものを持ちながらも時の運に見放されて滅んでいくものという切り口で挑んだ意欲作です。

佐々成政は信長に受けた恩義ゆえに 秀吉の軍門に下るを潔しとせず秀吉の城を囲んであと一歩のところまで追い詰めるが折からの大雪ゆえに敵の援軍に気づかず大敗を喫してしまう。それでも家臣を集めて「義のために共に立ってくれ!」と叫びそのカリスマ性ゆえ一同をその気にさせてしまう。

ところが反秀吉の旗手である織田信雄が事もあろうに秀吉に下ってしまい、困った成政は雪山を超えて駿河に出向いて家康や信雄に翻意するよう説得するが不調に終わる。それでも屈せず戦っていたところに説得に現れたのは……。

上手の手から水が漏れる、策に溺れる、船頭多くして船山に登るとかいろいろ言い方はあるけど、人の能力には関係なく趨勢は止められない、これはよくあることですね。以前働いていた会社も伏見桃山に営業所を開設し、地所までこうて気合を入れてはいたが営業成績は芳しくなく、実績のある営業マンを投入して挽回を模索したがかなわず、閉鎖に追い込まれました。

敵が矢折れ刀尽きとなって今や落城の秋を迎えたとみて全力で城攻めに乗り出し、予想通り鉄砲による反撃は少ない。もはや城方は補給が続かず柵に取り付いてなだれ込もうとする侍を撃ち落とす弾丸もやだねも少ない。局所的には弾に当たって頭を吹き飛ばされるものや矢じりで鎧の裏をかかれもんどりうって転落して見るも無残な最期を遂げるものもあるが、それは運が悪いだけだと考える寄せ手の大将信蕃は先陣を切って柵に取り付いて乗り越えようとする。敵の矢が目の前をよぎっていく、あと少しずれていたら眼を射抜かれていたろうが、それも果たせず、勝った‼️と確信した瞬間………。

好事魔多し、千仞の効一簣にかく。これもありますよね。