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古本屋日誌

2018-03-06 12:14:00

今朝は風が強く気温も下がり少し冬に逆戻りした感じはしますが暦の上では啓蟄だそうでまあ太陰暦なわけだからずれがあるのも当たり前ですね。

先日お客さんから「大阪今昔図絵」の第弐集などをお譲り頂きました。昭和29年の発行で篠崎昌美がやっていた大阪郷土文化会の出版物です。開くとB4くらいの大きさがありたくさんの写真が載ってますが、最大の特色は建物の内部の写真がいっぱい載ってることです。例えば阪急百貨店の巨大な食堂、キャプションには正面の壁画を撤去して後にバースペースを作ることになっているとある。そごうの二階の吹き抜けから一階を写したもの、大和銀行の巨大な柱が林立する内部の写真とかはこれまで見たことがなく魅力的でした。他に御堂筋に5メートルおきとも思えるほどの短い間隔で並び立つ照明灯の写真、歩道だけでなくいくつかの中央分離帯にまで等間隔で並ぶ光景は不思議です。天王寺公園から美術館に向かうところにある黒田家の蔵屋敷の門はもとはもちろん中之島にあったものですが蔵屋敷を解体して新大阪ホテルにする際にホテルを計画したメンバーが懐かしんで移築したとある。そのまま使ってもいいようにおもいますがね。明治に流行していた石垣の上に赤いレンガを積むの方が私ははるかに違和感を覚えます。旭区の今市に巨大な旧家があったが、お決まり通りこぼってマンションにすることになりました。既に竣工してますが外壁の土塀は瓦を乗せて残してあります。

以前坪内祐三が「大阪おもい」という本の中で「大阪今昔図絵」の第一集の素晴らしさを書いてましたが、少なくとも2冊目まではあったことがわかりました。


2018-03-05 12:27:00

今朝は本格的な雨で気温も高く、先日まで寒さで震えていたのがなんだったのかという感じですね。猫も雨の日は出ようともせず、一応玄関までは来るのだがたたきに下りようとはしません。

先日お客さんから谷口尚規の「冒険手帳」などをお譲りいただきました。この本は中高生にサバイバル術を伝授する目的で書かれていて、あまり役にはたたない瑣末な知識が汗臭いイラストとともに書いてあります。子供の時ボーイスカウトに入っていてこの本を読むように勧められたことを思い出し懐かしくなりました。例えば砂漠で水を手に入れる方法だとして「実は砂漠でも水は蒸発している、だから簡単に手に入るんだ」という。少し砂を掘り下げてすり鉢状の穴を掘り、その上をビニールシートで覆い真ん中に足を乗せてシートの下に設置したコップに蒸発して垂れてきた水が溜まるようにするんだという。

まあ確かに少しは溜まるだろうけどそこ溜まるまでのクソ暑い時間はどこで過ごせばいいのかは書いてません。山で熊に出会ったらどうするかというのも書いてあります。死んだふりはダメだとして谷口によると思い切って熊の胸ぐらに飛びついてしがみつくのが良いという。なんでも熊はその手で自分の胸もとを探ることはできないからだという。しがみついてるうちに熊の中にバカな人間への愛情が芽生えるかもしれないと谷口は書いているが、バカバカしい。だいたい熊にずっとしがみつく腕力なんか普通はないしその前に噛まれて終わりだろうと反論するのも愚かしいくらいだが、それはそれなりに面白かった。

アルピニストで心霊現象を研究していた西丸震哉は今後平均寿命はどんどん縮む、41歳になってしまう、なぜなら現代人はたくさんの汚染物質に囲まれているからその毒素に耐えきれなくなるからだという。もちろんたわごとでした。彼は一種の農本主義者だったんだと思います。


2018-03-04 11:24:00

今朝は風もなく非常にぬくい。コートの中に着るセーターを薄手のにしたがそれでもまだ居心地が悪い。メス猫は福笹を食べたためかやはりもどしてました。家のすぐ横の道にはすでに青々とおひしば、めひしばの新芽が元気一杯ですが、外に出た時は雄猫、メス猫ともに見向きもせず、こっちが気を利かして摘んできたら争うように食べてます。

先日難波の溝の側のお客さんのところへ伺いました。今は難波センター街というようですがいじがわの跡です。ここは本格的なお店が並んでいてまずかんてきをいこして焼肉を食わせる店があります。ものすごい量のかんてきを店の前で昼からいこしつけていて見てるだけで楽しい。無煙ロースターもいいんだが昔からかんてきでやってるんだからそれでいいじゃあないというのは楽しい。ルーとご飯があらかじめ混ぜてある有名な「自由軒」、ここは不思議な店でとにかくものすごい量のメニューがあった。カレーが名物だがトンカツとかビフテキとかあれこれの洋食が並んでいてさらに意味のよくわからないものが多数。この店のすぐ前はビックカメラなんだが以前はプランタンで、一階の外に面したところは左端が結婚相談所だった。横に長いカウンターだけというスタイルで結婚式場の紹介をしていて、例えばこの近所にあるホテル「一枝」(タイガースの一枝修平の経営だろう)をいいよーと斡旋していた。プランタンの時代地下はパチンコ屋で私は2003年のタイガースとホークスの日本シリーズ第7戦をここのラジオ放送で聞いていた。9回のおもての最後の攻撃で広沢が代打で出てきてソロホームランを打ったがまわりの人は全く関心なくパチンコに興じていた。大阪のタイガース人気なるものは多分にマスコミが煽ってるだけで、当たり前だがジャイアンツファンの方が多い。勝つ方が気持ちいいからで、当然昨今はカープファンが多いわけだ。

さてその結婚相談所のすぐ右隣がジャニーズなどのタレントのグッズを売る店でカレンダーやポスター生写真とかをたくさん並べていた。一応女子の夢を売る店が並んでいるんだけれどそのはす向かいは映画館が二つ並んでいて一つは普通の封切館なんだがもう一つはエロい映画館だった。エロいほうも非常に立派な構えで、二館合わせて20間はゆうにあろうかという間口を真ん中で等分にして看板の方も「美女レイプ狩り」とか例のおどろおどろしい絵と合わせてなかなか扇情的で面白かった。こういう風に本来は同居しないほうがええんちゃうかなというようなものが隣り合ってるのが便利でいいわけだ。この映画館の東隣には有名な啖呵売の店があった。ブランドもんだと称する時計、カバンあれこれを小気味の良いテンポでおっさんが売っていく店で一時はものすごい人だかりだった。これは完全に娯楽ですね。プランタンの西隣には今もあるんだが立ち食いのうどん屋が二軒並んでいて完全に立って食う方は少し値段がやすく、コの字型のカウンターがあって座れる方は高いという非常にわかりやすくて合理的な商売だった。


2018-03-03 11:33:00

今朝は少し気温は低いが日差しは暖かく、却って家の中の方が寒いくらいです。メス猫が先月寝屋川エビスでこうてきた福笹をかりかり食べます。神さんやからあかんよゆうてもやめません、その後盛大に戻してます。

宮崎哲弥と佐々木閑の「ごまかさない仏教」などをお客さんからお譲り頂きました。宮崎は週刊文春の「時々砲弾」が面白くアベノミクスは下々の可処分所得の増加に寄与していないとの巷でよく指摘されるデータに関しても統計の取り方に問題があって実は増加しているとか、自殺者数は経済状況と関係があり自民党政権、民主党政権時代は3万を越す人が命を絶っていたがアベノミクス開始で雇用状況が改善して大きく減っているとか、失われた20年の間は若者の雇用環境が厳しく非正規など条件の悪い職場に放り込まれてしまったために、現在でも年収が低い事態が続いていて、これは本人の責任などではあり得ず無策な政策のゆえであるからきちんとした対策を取らないと将来生活保護の大幅増加となるだろうとか興味深い指摘が多い。

この本もなかなか読ませるところが多くて仏教の無我という教えを敷衍すれば自分というものがそもそもないわけだし、行為の責任を取れと言われても自己の継続性もないとなれば無理なのではないかと宮崎は述べています。確かに犯罪者だといっても遺伝的に脳の機能が違っていたら、脳内物質の分泌能力の違いなどがあるわけだから、自己責任をどこまで求めていけるのか疑問ですね。また変なイデオロギーとかも厄介でそれが正しいとなると常識的な判断もできなくなりますね。


2018-03-02 19:08:00

今朝も少し風がありましたがぬくうて春本番ですね。この15度程度の気温でも作業したら汗をかくし、そうかといって10度を割り込むようだと寒いし、なかなか難しいものです。

戎橋筋の難波より、少し御堂筋側に入ったところにかつてナンバブックセンターがありました、1階にぼてじゅうがあり、というかこのビルのオーナーがぼてじゅうなんですが、二階と三階が本屋でした。二階はサブカルの本がたくさんあってこれはこれで素晴らしかったが、三階には平凡社の東洋文庫が全冊揃っていました。500冊発行となって平凡社が大きな本屋に売り込んでいる時があって、旭屋や紀伊国屋は当たり前ですが売れないから受け入れなかったが、この本屋はおそらく店長の趣味で受け入れたようだ。でもまあ500冊も揃っているのに客が少しずつこうてしもて減っていくのは断腸のおもいでしょうね。「詰むや詰まざるや」という詰碁の本が出ていてこれは今でも人気で古書価も高いですがすぐに売れてしまいました。

しかし紀伊国屋書店は以前も梅田本店のレジの女が満足にカバーをかけられないので、びっくりしましたが、グランドビルに漫画の専門店がありますよね。なかなか品揃えもいいのですが、レジでカードを出してサインで決済したところ、レジの女は横にいた男とカッコこれは字が汚いから読めないけど、いいんですかね」と相談している。「サインはそういうもんやからかまわへんねん、字がきたないからあかんなんて言われたことないでー」と申し上げました。まあ本屋はたくさんおいてあればいいわけだから満足に仕事ができない女や男がいても特に問題はありません。

今はもう富国生命のビルになってしまい新築がなった暁にはオープンするからそれまで待っていてねという約束は反故になってしまった東梅田の旭屋書店ですが、3階の文庫売り場のところに「喫茶、軽食リーブル」というのがありました。「お待ち合わせに、ご休憩にご利用くださいませ」とあったのを覚えています。私は浪人していた時にずっと家にいたのですがよく訳の分からない勧誘の電話がかかってきて、判でおしたようにその待ち合わせがこの「リーブル」でした。百科事典を買わないかとか英語の教材はいらないか、悩みごとを聞いてやるぞとかそういう類で、ただでコーヒを飲ませてくださって誠にありがたかったです。リーブルは外から見ると中はつたが絡まってるように見えて木暗い感じでそのくせ中に入るとふんわりしていて居心地のいいサテンでした。

昨日の朝日新聞の「週刊新潮」の広告は「昭和天皇のピンク映画」という見出しが黒塗りになっていました。なんでも朝日新聞の社内規定に触れるということのようだが「ピンク映画」が問題とは思えないから昭和天皇との組み合わせが問題なのだろうが「産経新聞」は黒塗りにはせずに発行したようだ。なんにせよ言論の自由を自ら放棄してしまうのは訳が分からない。


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