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古本屋日誌
全集には書簡も収録されることがある。新潮社の『三島由紀夫全集』なんかがそれだ。
ところがその手紙そのものが欲しいというお客さんもいるようで、今回東京の、月の輪書林という古本屋が出した古書目録を入手したのだが、フルカラーでたくさんの手紙、葉書が掲載してある。
巻頭は、大杉栄が堀紫山やその娘らと写っている写真で50万の値段がついている。
写真は10数人の集合写真なのだが、人物は1人を除いて特定されていて、エピソードとともに解説されている。
俺が思うにはカラーで写真も載っているし、人物も解説されているのだから、資料としてはそれで十分だ、あえて入手してためつすがめつ眺めても得られるものはないのではないか。
しかしそうではないんだよね。大杉栄に愛を感じている人たちは一枚しかない貴重な写真を、愛の証として手元に置きたいのだろう。
来月1日からの岡崎公園、みやこめっせでの古本市の目録を手に入れた。パラパラ見ているが、100万を超えるモノはないようだ。
この古本市には、22の古本屋が参加するのだが、京都以外は奈良と三重の一軒ずつ。
以前は大阪の古本屋もそれなりに参加していたのだが、今年はゼロ。
俺が思うには会場のレンタル料とかの兼ね合いで、参加が難しくなってきているためではなかろうか。
屋内の広い会場で、冷房も完備していて、天候に左右されないのは素晴らしいことだが、やはりかなり高いのではないだろうか。
必然的に出品される本も骨董品的な、それなりに高いものが多くなってきている。
普通の古本なら、日本の古本屋サイトでもAmazonのサイトでも、検索すればどんな本でもたちどころにヒットするわけだから、わざわざ高いお金を払ってるみやこめっせで販売する合理性がない。
やはり一点ものの文学書や刷物、古地図、和本、映画ポスター、生原稿、掛け軸、サイン本といったコンディションが大切なものを並べることになる。
ただ俺は、例えば個人が書いた日記とか、家族の写真アルバム、学校で使っていたノート、学校から配布されたプリントとかも出品してもらいたいと思っている。
大阪で1番の古本屋は天牛書店なのだが、マスコミや新聞社からの取材もあるようだ。
天神橋店に、まだ安藤さんがいた頃の春先、俺が本を見ていたら、ある新聞社の新入社員がやってきて、「この商店街のお店を回って、レポートをしているのですが、少しお話を聞かせていただいてもよろしいでしょうか❓」と言っている。
「いいですよ」となって
「このところAmazonだとか、ヤフオクとか、古本を売るプラットフォームが多様化していて、そういう通販の売り上げも伸びているようです。お店をやられていて、脅威に感じられることはありませんか?」
「うちはAmazonでの販売もしていますし、日本の古本屋サイトでも販売しています。そのへんのことは十分わかっていますね」
前々から天神橋店の人たちからは「店の売り上げよりもネットでの売り上げの方が多いんだから、そういう時代だよね」という話は聞いていた。
店舗販売VS通販などという図式は成り立たないことくらい分かりそうなものだが、バカは仕方がない。
「最近で1番大変だったことはなんでしょうか❓」
「それはうちの店の通販サイトを立ち上げた時ですね、本当に大変でした」なるほどカード決済などで、気をつかうことが多いんだろう。
俺が最近の天牛書店で、前と違うなあと思うのは線引き本の扱いだ。
前は天神橋店なんかでは、レジのところで盛んに消しゴムを使って鉛筆や赤鉛筆の線引きを消している姿が見られたが、このところはお見受けしたことがない。
線引きのある本はその旨明記して安く売ってるわけで、客の中にははその方がいい人もいるだろう。
つまり古本なんだから、コンディションがよくないのは当たり前、線引きなんか気にならないという人もそれなりにいるのだ。
親知らずが、虫歯になって治療中だ。
抜くまでにはなっていないのだが、それでも麻酔を施して神経を取り、針状のものを何回も歯に刺してという治療だ。
俺は歯性がよろしくなく、それを自覚しているので、「デンタルプロ」という結構高い歯ブラシで夕食後3回に分けて念入りに磨いているのに、虫歯を防げない。
今回も先生がおっしゃるには「この歯ね、上から見たら問題ないんだけど、横からかなり大きな穴が開いてるわ」となってしまう。
嫁は大してきちんと歯を磨いている感じはないのだが「前に歯医者に行ったのは20年くらい前だな」というのだから、けなるいかぎりだ。
今日は嫁と大阪万博に来てみた。平日券は6000円で、午前9時から1時間おきに入場時間を決めるシステムだ。われわれは12時に中央線の夢洲駅すぐの東ゲートから入場する。
11時20分くらいにはゲート前に到着していて、40分くらい待つのかと思ったが11時半に入場手続きが開始されて、空港で受けるX線の手荷物検査を経て、スムーズに会場に入った。
ゲートすぐ左にはジュンク堂書店とお土産物売り場が並んでいて、ジュンク堂の方は行列ができている。
何でも会場の地図やミャクミャクのたまごっちなんかも売っているそうだ。
少し歩いて大屋根リングをくぐり、目の前にフランスやアメリカのパビリオンが現れたが、行列がすごいので行かない。
入場後、当日の予約ができるのだが、検索してみても興味惹かれるパビリオンは、予定人員に達していてどこも予約できない。
国連館なんかは晩の8時くらいなら予約できるとなっているが、遅すぎる。
というわけで、入れるところを探したらUAEのパビリオンは特に待つことなく入れた。
ここは石油などで潤い、ドバイの街は超高層ビルが林立する国なんだが、パビリオンはパピルスのような茶色の木の枝を束ねて大きな柱状にして、天井まで10メートルくらいに達するものが、館内に所狭しと配置してあって、不思議な感じだ。
化石燃料で大儲けしている国が木造建築にこだわり、サスティナブルを唱えるのは興味深い。
その隣のカナダ館は予約なしでも入れるのだが、聞いてみたら「40分待ちくらいです」とのことでやめた。
その他、中国館や英国館なんかもすごい行列でとても入る気にはならない。
しかしパレスチナやモンゴル、マリ、赤道ギニア、スーダン、南スーダン、キューバなどが入る、広い体育館のような共同展示館(コモンズ)は、並ぶことなく入れた。
またコロンビア館は20分程度並んだが入れたし、ハンガリー館も30分程度待って入れた。
ハンガリーは、ガラス窓に白い刺繍のような物を展示するエリアを通り過ぎた後、円形のホールに集合となり、そこに、「ショーまであと8分40秒」という電光表示を持ったコンパニオンがいて、暗いなか本当にその長い時間待たされた。
やがて時間となって、狭いドアから次の間に通されると、天井まで数メートルはある円形のプラネタリウムを思わせる暗いドームのような部屋だ。
そのセンターに白いドレスと光背のような帽子をかぶった女性が現れて歌を歌う。歌詞はハンガリー語なのか、まるでわからず。
腹が減ったので、大屋根リングの直ぐ外側、大阪湾をながめられる、2階のレストランに入る。ビュッフェはバイキング形式で8000円くらいする。(一番搾りは1500円)
料理は豪華で、ベトナムのフォーやタイ米(香り米と表示されていた)と白米を使った三種のカレー、ローストビーフ、肉団子、スイーツ、フルーツ、エスプレッソコーヒーなどで、不思議なことに和食はなかった。
今の時期なら筍の木のみあえ、ホタルイカとかいいだこ、鯛のおつくり、なんかはうまいのだが、どれひとつとして置いていなかった。
店内は広くて窓側の席からは大阪湾を望むことができるし、なかなかいい店だ。
またサントリーウィスキーがあれこれ置いてあって、響30年のハイボールは66000円となっている。この、いい酒をハイボールにして飲むのかな。