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古本屋日誌

2024-08-20 19:46:00

歳を重ねてくると、老化が人によってずいぶん差があることがわかる。

 

 

俺の友人の古本屋は、60代の半ばなんだが、健康法は普通に歩くことが1番だというのだ。

 

 

「朝起きる時な、腰痛なる時あるやろ、腰椎がせばなっとんねや。そんでな、わしはな、バレエのボレロを見て足捌きとか参考にしてんねん」という。

 

 

うーん、バレエはわからないし、ボレロなるものも知らないので返事のしようもない。

 

 

「そんでな、今住んでる枚方からな、難波まで歩いてきたんや」というからビックリしたよ。

 

 

なんでも朝の5時にスタートして6時間を要して難波に至ったというのだがら驚くしかないな。

 

 

俺だったらすぐに諦めてサテンに入るだろうし、ビールも飲むし、大体間違いなく京阪電車に乗ってしまうだろう。

 

 

途中で自販機で水分補給しただけで、店には入らなかったそうだから、強靭な意思力をお待ちだ。


2024-08-19 10:13:00

先日亡くなった、東アジア反日武装戦線の桐島聡を扱ったルポが出た。齊藤寅の『桐島聡逃げる』だ。

 

 

桐島は1975年あたりの連続企業爆破にかかわったとして指名手配されたが、以後ほぼ半世紀逃げおおせた人物だ。

 

 

公安警察のレベルがどの程度なのかよくわからないが、それにしても、津々浦々に桐島の顔写真が貼られている中で、神奈川の藤沢の工務店に逃げることもなくずっと勤務して、夜は居酒屋で遊んだりもしていた。

 

 

その秘密を、この本はある程度解明した労作だ。

 

 

なんでも彼は広島の福山の出で、明治学院大学の法学部に入ったのだが、当初付き合って同棲していた女がいて、そのつてで、右翼の活動家に匿われていたというのだ。

 

 

東京に住んでいて、公の場には姿を見せないで、企業のスキャンダルを暴いて金をせしめる手伝いをしていたが、次第に締め付けが厳しくなって、右翼の元を離れて、例の工務店に勤務するようになった。

 

 

しかしその後もずっと活動家の方から資金の援助があったというのだ。

 

 

なるほど、やはり身を隠し続けられるにはバックがあったのだな。

 

またこの本によれば反日武装戦線のメンバーで前がないのは桐島くらいで、指紋やら何やらの手がかりがまるでなかったこと、武装戦線は個人個人で行動する組織で、横のつながりが希薄だったことも捜索を困難にした原因だとある。

 

 

さらに本の巻末には桐島が残した50枚にも及ぶ原稿が収録してある。

 

 

内容は弁護士がいかに出鱈目な連中で、金を持っている連中にこびへつらい、貧乏人には鼻も引っ掛けない存在だということが繰り返し論じてある。

 

 

なるほど面白い本だったな。しかし例えば巻末の弁護士の話も一面的で、全面的に首肯するわけにはいかないよな。

 

確かに弁護士には出鱈目なやつもいることは間違いないし、真理や本質とはなんの関係もない日常の些事を扱う輩であることも間違いない。

 

でもわれわれの生活にはそういう存在も必要だし、弱者の立場に立って手弁当で活動している弁護士もいるわけだ。そこを見ないのは問題だと思う。


2024-08-17 08:44:00

連続テレビ小説の『虎に翼』は、女性で初めて弁護士になった三淵嘉子をモデルにしたものだ。

 

 

このところの回では、原爆裁判が取り上げられていて興味深い。

 

 

広島と長崎に原爆を投下したアメリカの行為は住民全員の虐殺を狙ったもので、国際法に明らかに違反する犯罪である。

 

 

しかし日本政府はサンフランシスコ講和条約で、アメリカに賠償を求める権利を放棄しているので、この裁判では日本政府に賠償を請求しているのだ。

 

 

先ごろ毎日ワンズから出た『原爆裁判』という本は大々的に新聞で広告がでてるけど、中身はつまらないもので、三淵が裁判官としてどう判断したかや、裁判の細かい流れを書いていない。

 

天下のNHKが、さて、放送でどう扱っていくのか俺は興味を持ってるね。


2024-08-16 16:54:00

このところ立て続けに吉田満の『戦艦大和ノ最期』が売れている。

 

 

今も講談社文芸文庫から出ているロングセラーなんだが、4月でもないのに理由はよくわからない。テレビで敗戦特集があってそこで、大和が取り上げられたのかもしれない。

 

そういえば、NHKで深夜、1980年放送の吉田満特集が再放送されていたな。

 

吉田はその前の年、1979年に亡くなっていて、葬式で江藤淳が挨拶しているシーンが流れていた。

 

江藤は根っからの反米主義者で、大日本帝国は無条件降伏してないとか、GHQの検閲は問題だとかわけのわからない言論活動を続けていた人物だ。

 

検閲なんか戦前の日本でも広範囲に行われていたわけだし、問題にするなら、天皇制のもとでの検閲も大問題だとして取り上げないとダブルスタンダードになってしまう。

 

 

吉田は『戦艦大和ノ最期』のなかで、撃沈されたあと、洋上に漂い、救助を待っていた将兵のもとに、駆逐艦のボートが来るのだが、すぐに定員オーバーとなってしまい、それでも船縁にすがりつく兵隊の手首を、ボートの兵士が軍刀で切り落としていく模様を描いている。

 

 

これはどうも創作らしいのだが、江藤淳はどう思っていたのだろうか。


2024-08-15 12:46:00

現在、京都ではいろんなところで古本市が開催中だ。

 

まず下鴨の糺の森の古本まつり、20を超える古本屋が出店していて50万からの本が並んでいるという。

 

 

たくさん本があるのは結構だが「納涼」ということは全くなく実に暑い。

 

またすぐ横に小川があるせいで蚊の襲来を避けることができない。

 

 

もちろん、人出も多いため、テント内では身動きできなかったり、ぶつかったり、お目当ての本がささっている本棚まで行くのに人を押し分けていかねばならなかったりと面倒だ。

 

 

また、じっくり本の内容を確かめるゆとりが持てない。

 

 

何せ暑い、暑い、ページをくっても文字に目がついていかない。読んでも中身が脳みそに届かない。

 

 

俺以外の客は、どうなんだろう。こんなにクソ暑い中で本を読む経験なんかないんじゃないか❓

 

 

俺が見るところ下鴨の古本まつりは女の客やカップル、家族連れもかなり来ているのだ。

 

 

学生なのかもしれないが、研究のために必要な本は図書館で見た方が手っ取り早いし、安い。

 

どうしても手元に置きたいなら、Amazonで注文したら確実に手に入る。だから古本まつりなどに来て、必要な本を探すなど、まともな学生ならやりはしない。

 

 

だからここに来てる人たちは暇つぶしや、年中行事みたいに毎年来てるから習慣としてやってるとか、なんだろうけど、いずれにしても理解に苦しむところだ。

 

 

暑さゆえに、頭もボーッとしてしまうから、あとで考えたら(なんでこんな本こうてもうたんやろ)ゆうことがしばしばある。

 

 

南の端にはかき氷やジュース(150円)、ビール、レイコー(500円)なんかを売っているテントがあって、その前には床几も置いてあってくつろげるようにはなってるけど、人でいっぱいだな。

 

レイコーにしても500円払えば、普通はクーラーのよく効いた、蚊なんかありえない快適な空間で楽しむことがいくらでもできるのだから、考えたらおかしな話だよ。

 

 

ジュースなんか大型のクーラーボックスに氷水を入れて冷やしてるのだが、そもそも何時代のスタイルなんだよ。

 

渡してくれる時滴る水滴をタオルでふいてくれるんだけど、その無駄な時間に取り立てて話が弾むわけではないのが、昭和との違いだ。

 

 

つまり、下鴨は一種のガマン大会みたいなもので、高校生がクソ暑い真昼間の甲子園で試合をやってるような感じがするのだ。

 

 

甲子園の野球は、所詮はガキどものクラブ活動でしかないからどうでもいいけど、古本まつりは大人が趣味と実益をかねて本の楽しみにひたる場なんだから、もうすこし情緒が欲しいな。

 

 

その点現在丸善の地下でやっている「へんちなんまへーん」という古本市は規模は1万冊くらいで、下鴨と比べようもないが、クーラーが効いていて実に快適だ。

 

 

本棚の間隔もゆとりがあるし、客も少なくてじっくり本を楽しみながら好みのものを見つけることができる。

 

またすぐ前には梶井の檸檬を模したスィーツやハヤシライスを売りにしている喫茶店があって、美味しいレイコーを楽しみながら、こうてきた本を読めるのだから、たまらない。

 

 

また三条京阪駅に直結しているビルにあるブックオフでは今日から4日間、全品20パーセントオフとなるセール中だ。

 

ここは地下の京阪の駅からエスカレーターで店に入れるから全く暑さの被害を被ることもない。在庫は10万くらいはゆうにあるから、規模としても下鴨にさして劣るわけでもない。

 

1000円以上買い物をしたら2階でガラポン抽選があって、とりあえず50円引き券をもらえる。

 

 

さてこの3ヶ所の古本市の人出だが、圧倒的に下鴨が多い。下鴨を100としたらブックオフ三条店は0.01、丸善は数字にするのも難しい。

 

京都の人たちは変わってるね。


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