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古本屋日誌
『本の雑誌』の2014年8月号はブックオフの特集だ。
全国にあるブックオフにはまり、機会を見つけては行脚して400軒以上訪ね歩いたというおかしな人のリポートやライターが東京のおすすめのブックオフを語る座談会などが載っている。
その中で東京在住でせどりをして儲けてる人やブックオフに仕入れを依存している古本屋の話がある。
せどりの方は、1日2時間程度、ブックオフを巡回して仕入れをして、AmazonのFBAに送る手法で月商120万以上、利益で30〜40万出ているというのだ。
インタビュアーが 「俺の給料より多い…それ、どれくらいの時間で稼ぐんですか。」と聞くと
「毎日の仕入れに2時間と、アマゾンへの発送作業を合わせて、月に80時間くらいです」
というわけだ。
予想されていたことだが、東京て、商売ラクだよなあ。大学やマスコミ、出版社が密集して、業務として本の需要が高いからいくらでもいい本がある。
交通も至便で、大した距離移動しなくても大きなブックオフがいくらでもあるから、簡単に仕入れできる。
大阪では、全く思いもよらない話。ほんまに羨ましいよ。
ちょっとびっくりするのが古本屋なんだが仕入れはほとんどブックオフだという店があることだ。
「しまぶっく」という古本屋でその店主へのインタビュー。
「仕入れはほとんどブックオフですか。」
「9割方そうです。買取や神保町の均一棚で買うこともあるけど、ほぼブックオフ。」
「ブックオフがないと商売が成り立たないですね。」
「なければないで別の方法を考えるとは思うけど。いまのところ、均一本や安めの本はブックオフで、棚のポイントになるいい本は古書会館で買う。そんな感じで使い分けています。」
いいなあ、なんの努力も工夫もなく金儲けできるんだからね。
つまり、東京はバカでもちゃんと暮らせる都会なんだ。
確かに魅力的な街だよ。
2014年からブックオフはヤフオクに出品するようになった。その前は売れない本はどんどん値下げして、105円とかにして売っていた。
しかしこれは利益にならないし、値下げシールを貼っていく手間も問題だ。通販なら客は全国で、ワールドワイドだから、店舗のように近くのごく僅かなお客さんだなということはない。
各店舗で棚に置いてある本の一部がビニールでラッピングしてあってその上から「ネット出品中」なるシールも貼ってある。
たくさん客が来る店舗はほとんどやっていないが、あまり客が来ない店舗ではかなりたくさんの本がヤフオク出品だ。
店舗ではさばけない本も売ることができる。
ただ稀にオークションで入札があるのに、店舗でお客さんがこうてしまうこともあって、入札した人は品切れのメールを受け取ることになり不満が残る。
それはさておき、実は店舗で売るより、通販の方がはるかに儲かるのだ。
しかしブックオフはそれを十分わかっていても、店舗をきちんと運営しようとしているのがえらい。
今日は父の三回忌を住吉の旧宅で行った。
父は大工の二代目で、工務店を経営していたが、晩年、バブル景気に踊らされて、今まで手をつけたこともなかった高層ビル建築(5階建なんだが)を請け負ったはものの、バブル崩壊でオーナーが逃亡し、代金を払ってもらえずたちまち倒産してしまった。
祖父は香川から出て大阪で大工として成功して、住吉に大きな居宅を構えるほか、堺方面にたくさん土地を持っていたようだ。
祖父が亡くなった時、父はてっきりそのいくらかを相続できるとふんでいたようだったが、願いは叶わず、いつまでも気に病んでいたようだ。
やがて、肺気腫を患い、入院していたが、小康を得て退院する時、迎えに行って真っ直ぐに自宅に連れ帰ろうとしたら
「ちょっと待て、〇〇に行ってみてくれ」と堺の地名を口にする。
よくわからないが連れて行くと
「ここの土地はな、俺のものになるはずやったんや」などと愚痴る。
そこは10階建くらいの真新しいビルが立っている。
そんなことを今更俺に言われてもなんの意味もないんだけど、
「あーそうなんや」としか言えなかった。
8月23日到着予定分から、Amazonでの販売では1100円以上の本は全て出荷時に番号を通知しなければいけなくなった。
これまでは2200円以上だったから、かなり厳格になった。
うちは、ほとんどゆうメールを使っていて、2200円以上になるものはクリックポスト、分厚い本はレターパックやゆうパックを利用してきた。
ゆうメールは普通郵便と同じなんだが、不着になることはない。
日本郵便の優秀な配達網はまさに驚異的だ。
だから、あえて高額なクリックポストを使う実質的なメリットは客にはないことは間違いない。
実際うちもかなりの部分をレターパックに振り分けなければならず、その手間にかかる費用は全てお客さんに負担してもらうことにして、送料を値上げしました。
ただAmazonのこういう措置にわたしは反対ではない。
コロナのバカ騒ぎの中で、古本業界も通販で、相当売り上げを伸ばしてきている。
つまり、これまでは通販では、本を買わなかったお客さんがやむに止まれず、Amazonなり、ジュンク堂なり、日本の古本屋なりを大挙して使うようになった。
そしてお客さんから色んな問い合わせがあるのだ。
まず土日も配達があると思って「まだつかないんですが、どうなっていますか?」というのが多い。
確かに普通郵便は土日の配達をやめたから、少し遠隔地になると、水曜日に郵便局に持ち込んでも、配達完了は月曜日にずれ込んでしまうこともあるようだ。
これがクリックポストやレターパックなら、土日も配達してもらえるので、お客さんとしては今すぐにでも読みたい本を迅速に入手できるから、朗報に違いない。
さらに「通知番号を教えてもらえませんか?」という問い合わせも、かなりあるのだ。
ゆうメールは普通郵便とおんなじだから、割り振られる番号はないので、その旨お伝えするのだが、お客さんとしては一抹の不安が拭えないのだろう。
だからかなり高額でも番号をお伝えするシステムにしたほうが、今後のさらなる需要喚起に資することは充分考えられるのだ。
平山周吉の『戦争画リターンズ』にはノモンハンの話がある。
1939年、ソ連の戦車部隊と2カ月に亘る激闘を繰り広げたが、関東軍は大損害を受けた。
その際、中隊長として殆どの戦闘に参加し、最後は胸部貫通銃創で瀕死の重傷を負った草葉大尉の文が載っている。
「ノモンハン事件を通じてソ連将兵の精強、精神力、戦闘技術の程度如何ははっきりと認識された。
ソ連に対する必勝の信念は毫もゆらぐものではなく、否反って強められたのではあるが、遺憾ながら全般の情勢と且つは装備とにおいて、特に量的充実において彼に一籌を輸する(劣っているという意味)ものがあり、あと一息という所で挙げた鉄槌を下さずして充分な戦果を収め得なかったのである。(中略)
最後に此の中から大和男子の精魂能く鋼鉄を制したこと、ノモンハン事件特に近代戦の真相を把握せられ、将来戦に対して何等かの参考となれば、何よりの幸である。」
となっている。一万を超える将兵が死んで、自らも瀕死の重傷を負いながら強がりを言ってるようにも思える。
でも第一線に立つ将兵は本心からそう思わないと、命を張って突撃などできないのだろう。