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古本屋日誌
今日は蒸し暑い‼️どうしたことか梅雨本番が到来してしまい困ったことだ。
小山健の「生理ちゃん 2日目」が出た。アマゾン限定で生理ちゃんのぬいぐるみなどが付いた特別仕様のやつを3600円とかで発売している。まあおまけの付いたバージョンはこのところの流行りだな。
2巻目は整理中の女の周りにいる人間模様を描いた作品で、相変わらず面白い。彼氏と念願の沖縄旅行に出かけるルンルン気分の女だが機内からふと外を見たら翼に生理ちゃんが張り付いている。男の方は性欲全開だったり、無理からスキューバダイビングをしようと誘ったりと神経を逆なですることおびただしく、結局別れることになってしまう。しかしそれから8年後〜〜〜〜。
それにしても掲載誌「コミックビーム」は山崎マリの「テルマエロマエ」といい田辺剛の怪談シリーズやら「地底旅行」の漫画化やら魅力的な作品群を生み出し続けていて素晴らしい。
今朝は曇りで、あまり気温も高うはなくありがたい。何でも寒気の吹き出しが従来はアラスカあたりに来るのに少しずれてしまいこうなってるのだそうで、反対にアンカレッジなどは40℃にも達する異常な高温なんだそうだ。まああれですね、できたら毎年こうあってもらいたいものだ。
昨晩ジョコビッチとフェデラーの決勝戦があり第5セットがなぜかタイブレークとなっていて、ジョコビッチが勝った。去年まではツーアップになるまで延々と試合が続いていた印象があったんだが、不思議だ。アガシのナイキのCMでいつまでも延々と試合が続いて朝になってもやってるというのがあった。
ジョコビッチは相変わらず変な体勢から強烈なショットをぶちかますことに長けていて、あの身長、細身の蒲柳の質では即座に捻挫やら骨折やらしてしまうと思うのに、全くその気遣いはない。長身で胸板も、二の腕もきゃしゃなのに、どこからあんなスピードボールが出て来るのか誰にもわからない。
フェデラーはご承知の通りとにかく速い‼️ボールのポジションに電光石火飛び込んでベストな角度に調整して必殺の一撃を放つ、まことに才能に恵まれた男だ。
新潮文庫の最新刊で山本周五郎の「季節のない街」が出た。活字も大きくなり、カバーもメルヘンなようで不気味なものを宿している感じで素晴らしい。
周五郎はその文体が優れていて、読むものをその気にさせてしまう。高倉健の「網走番外地」みたいなものです、それをみてから相撲大会に出たら優勝してしまうくらいのパワーがあるのだ。
例の「青べか物語」は浦安の名もない無教養な連中相手に作者がおちょくりたおす話で川が実は下流から上流に流れているのであって、当然転がっている石も下流から上流に流れていくんだと主張し、バカがその気にするのはさもあらんだが、読んでいるわれわれも説得されてしまう。
この「季節のない街」でも頭の弱い主人公が街中に繰り出して市電の運転をするシーンのディテールは事細かくて、本当にやっているようなリアリティがある。もちろん頭の中で運転の諸動作を繰り返しているだけだから道ゆく人には何も見えない。近所の連中は「あ〜またかあ〜」てな具合にニャニャしたり罵声を浴びせる程度なんだが、災難なのは知らない人たちで、「電車は急にはとまらへんやろ‼️飛び出すな‼️」と怒鳴りつけられて眼を白黒させる、面白い。
今朝は昼前から予報通りの雨で気温も低うてしのぎやすい。
神戸のモトコーや元町商店街はスタイルの立っている店がたくさんあって面白い。古本屋なら専門店化していてマンガや芸能本だけとか、プロレス本と三才ムックの本屋とかとにかく売れそうもない青い岩波新書や読んでもくそ面白くもない古い文庫本しかない大きな店とか、店が三階にあって、数えたら56段もある一直線の階段を駆け上がらないとたどり着けない古本屋とか、不思議と言うほかない。
モトコーはJRが「耐震性に問題がある、暗すぎて客からクレームがある」といういちゃもんをつけて更新を行わないのでますます暗く面白くなっているのだが、例のワープロだけを扱う店が健在だ。パソコンでちゃっちゃと作業できてしまうのだが、ワープロの手触りや質感にこだわりのある客がいいくらもいるそうだ。白髪の店主も、居眠りをする姿を通路を行き交う顧客に惜しげも無く披露して安心感が広がる。妖しげな面白い店の中で角地を占めてショーウィンドウを高架下の南北の車道に貼り付けて異彩を放っているのが長田の靴屋だ。職人の手作りのしっかりしたものが10万を超える値段で売っていて素晴らしい。メンテしーもって履いたら何十年と足を守ってくれるだろう。
天神橋筋商店街はなかなか名店が多くいつも心にある。寿司の「春駒」「すし政」とその支店、くら寿司や元禄寿司とは全く別次元のうまさだし、そんなに高くない。また支店ごとに値段が違っていて大衆店なら味は落ちるし、狭っ苦しいカウンターしかなく、出入りの客で落ち着いて食べられないがとにかく安い、早い。だしがうまく、付け合せのかやくご飯が具もたくさん入っていてびっくりする「天六うどん」、中華料理屋なんだが月に一回500円でステーキが食える店、朝からやっていて豪栄道の後援会長も務めているので春場所には力士がたくさん働いている居酒屋とかちょっと考えただけでも魅力的な店ばかりだ。
ただ店構え、内部の意匠やスタイルにはこだわりがなく、他の店とかぱっと見変わらない。まことに実質本位、味や中身で勝負ということだろう。
でもそのこだわりの無さが大阪を特色のない街にしている。形が崩れたらやがて心も台無しになるのが人間なんだから、摂津の地にある神戸の芝生が青く見えるのも致し方ないところだ。
仕事で久しぶりに三ノ宮に出向きました。お客さんの話では「あれやでーー晩のな9時過ぎてセンター街やら北野坂やら歩いてみぃーほんま寂しいでー大阪やみなえらい賑わっておるやろけどな」ということでした。
私の目にはいつもと変わらぬ三ノ宮にしか見えず、駅前の「OIOI」一階にはクリスピークリームドーナツがオープンしているし、センター街から元町に延びるアーケードの商店街もレトロでワガママなままで素晴らしい。商店街の元町よりに三階にある古本屋があるのだが、もちろんエレベーターの類はなく、ひたすら階段を駆け上がる。しかもビルは昔のにはようあるんですが階段が三階まで一直線に伸びているタイプで下から見上げると金毘羅さんの石段のようで恐ろしい。
モトコーはJRが契約を更新せず立ち退きを迫っているとのことで、元町駅頭で商店街の人がビラまきと署名活動をしていた。耐震性に問題があるとのJRの言い分だがビラを読んだら「モトコーは震度6にも耐えられることがわかっている」そうで理屈は破綻している。ゴルゴ13も訪れる面白いモトコーは残してもらいたいものだ。
花隈のモダン寺横にある神戸古書会館も相変わらず素晴らしい。とりわけ二階に通じる極端に幅が狭く、急な階段は素晴らしい。もはや天然記念物ともいえるレトロ建築でおそらく使っている古本屋も世界文化遺産と認識して日々不便さにも喜びを見出しているのだろう。