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古本屋日誌

2019-07-13 11:32:00

今朝は昼前から予報通りの雨で気温も低うてしのぎやすい。

神戸のモトコーや元町商店街はスタイルの立っている店がたくさんあって面白い。古本屋なら専門店化していてマンガや芸能本だけとか、プロレス本と三才ムックの本屋とかとにかく売れそうもない青い岩波新書や読んでもくそ面白くもない古い文庫本しかない大きな店とか、店が三階にあって、数えたら56段もある一直線の階段を駆け上がらないとたどり着けない古本屋とか、不思議と言うほかない。

モトコーはJRが「耐震性に問題がある、暗すぎて客からクレームがある」といういちゃもんをつけて更新を行わないのでますます暗く面白くなっているのだが、例のワープロだけを扱う店が健在だ。パソコンでちゃっちゃと作業できてしまうのだが、ワープロの手触りや質感にこだわりのある客がいいくらもいるそうだ。白髪の店主も、居眠りをする姿を通路を行き交う顧客に惜しげも無く披露して安心感が広がる。妖しげな面白い店の中で角地を占めてショーウィンドウを高架下の南北の車道に貼り付けて異彩を放っているのが長田の靴屋だ。職人の手作りのしっかりしたものが10万を超える値段で売っていて素晴らしい。メンテしーもって履いたら何十年と足を守ってくれるだろう。

天神橋筋商店街はなかなか名店が多くいつも心にある。寿司の「春駒」「すし政」とその支店、くら寿司や元禄寿司とは全く別次元のうまさだし、そんなに高くない。また支店ごとに値段が違っていて大衆店なら味は落ちるし、狭っ苦しいカウンターしかなく、出入りの客で落ち着いて食べられないがとにかく安い、早い。だしがうまく、付け合せのかやくご飯が具もたくさん入っていてびっくりする「天六うどん」、中華料理屋なんだが月に一回500円でステーキが食える店、朝からやっていて豪栄道の後援会長も務めているので春場所には力士がたくさん働いている居酒屋とかちょっと考えただけでも魅力的な店ばかりだ。

ただ店構え、内部の意匠やスタイルにはこだわりがなく、他の店とかぱっと見変わらない。まことに実質本位、味や中身で勝負ということだろう。

でもそのこだわりの無さが大阪を特色のない街にしている。形が崩れたらやがて心も台無しになるのが人間なんだから、摂津の地にある神戸の芝生が青く見えるのも致し方ないところだ。