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古本屋日誌
光文社新書から博報堂生活文化研究所の『Z家族』が出た。
Z世代といわれる、二十歳前後の若者のメンタリティをデータから読み取ろうという試みだ。
なかなか興味深い内容が含まれていて、そのひとつは親との関係だ。
わしは1961年生まれだが、ものごころ付いてから、親と出かけたり、あれこれコミュニケーションを取ったりする習慣がなかったな。
ところが彼らは親との関係が濃密で、趣味を共有したり、人生の節目節目でのアドバイスを求めたりして、日々ラインで頻繁にやり取りをしているというのだ。
これは我々の世代は親世代とのギャップが激しくて、彼らのアドバイスが役に立たなかったのに対して、Z世代は親との共通点がたくさんあって、先輩としてその経験が実に参考になるからのようだ。
女性の社会参加も当たり前になっているから、母親がTOEICでの点数で社会人となった時のキャリアの刻み方に差が出るといった具体的なアドバイスをすれば、子どもは素直に話を聞くわけだ。
また驚いたことは30年前(1994年)の若者と比べて交際している異性がいない割合は変わらない(男性7割、女性も6割強)のだが、「友人として交際している異性」の割合が激減している。
これは30年前はクリスマスイブやらなんやらのイベント時に相手がいないことへの圧力が強かったが、今は別に異性と過ごす必要はないだろう、と圧が弱まっているからだという。
だから昔は友達以上恋人未満みたいな異性を作ろうとしゃかりきになっていた恋愛至上主義の世相であったということでもある。
日本一の古本屋である『ブックオフ』は本の分類がきちんとしていて、普通の古本屋と大きく異なる。
文庫本では小説の棚がたくさんあるのは当然だが、去年あたりから文豪の作品は別にスペースを取って展開している。
夏目漱石、森鴎外、太宰治、芥川龍之介、ドストエフスキー、チョーサーなどだが、ここは文庫のレーベル別に整理しておいてある。
鷗外ならちくま文庫、新潮文庫、岩波文庫別という具合で、カバーの背がそれぞれカラフルなので確かに一目でありかを探し当てられて便利だ。
普通の店舗では岩波文庫、ちくま文庫、ちくま学芸文庫、講談社学術文庫、中公文庫、河出文庫はかなりのスペースを取ってレーベルごとに並べられている。
さらに講談社文庫、文春文庫、創元推理文庫、ハヤカワ文庫、草思社文庫、などもそれぞれまとめて置いてあって探しやすいことこの上ない。
普通の古本屋ではそこまで分類できるほど在庫を持っていないことがほとんどだし、整理整頓するにはマンパワーが必要で、到底そこまで手が回らないから、文庫本はごちゃ混ぜに置いてあることが多い。
ところがこれはよくあることなんだが、一旦整理を始めると、さらに細かいところまで突き詰めてみたくなるものなのだ。
それで一部のブックオフでは、文庫のレーベルごとにまとめるのではなく、「自然科学」「アウトロー」「山」「食関連」「世界史」「日本史」「詩歌」「音楽」「宗教」「美術」「政治」「経済」「文化史」など本の内容ごとに細分化して、並べている店がある。
例えばその店舗として三ノ宮センター街店が挙げられる。
ここはたとえば、「日本史」の分類の中に、岩波文庫、講談社学術文庫、ちくま文庫、河出文庫などがそれぞれまとめて並べてあるスタイルなのだ。
文庫をその内容ごとに細分化し、さらにレーベルごとにまとめて並べるというのは、実に手間だろう。しかし一旦やり始めてしまうと、なんとしても維持したくなるものなのだ。
この店でよく見るのは、たくさんの本を抱えて、買うかどうか迷ってるお客さんだ。
本棚から抜き出して手にしたはものの、それが何冊も何冊も溜まってきてしまうと、支払いの金額が気になり出して(こっちは今日はやめとこうかな)と気弱になるのだろう、また棚に戻している。
しかし、センター街店の分類は細分化されていて文学っぽい本の棚も、1番上は「語学」次が「音楽」「美術」「芸術」「日本古典」「詩歌」などと分かれているので、もとあった場所が探し当てられない。
一旦は買おうと思った本だが、とりあえず今日は不要となれば、さっさと戻したいものなんだろう。適当な、いい加減な場所に刺していく。するとすかさず店員さんが「お客さん、それお戻しですか?」と声をかけてくる。
お客さんも助かるし、店員さんも変な場所に本を突っ込まれては、余計な仕事が増えるばかりでこれはウインウインだろう。
たくさん本を読む手にしてるお客さんには、声をかけずにはいられないくらい、分類、整理整頓への熱意は大きいものなのだ。
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宇都宮直子が小学館から『渇愛』を出した。
数年前「いただき女子」で有名になったホストクラブ絡みの加害者、被害者を描いたルポだ。
わざわざ名古屋拘置所まで面会に20回以上通ってリリちゃんの想いをまとめるとともに、その母、とりまき、被害男性にもインタビューした労作だ。
リリちゃんは被害者に詫びることもなく、またとりまきの人たちが被害者への弁済金集めの活動をしていたのだが、集めた金は今度結婚したいと思ってる男性に送って欲しいと彼女が要求してくるなど、なかなかよくわからないことが起きている。
グラフィック雑誌『number』がタイガース優勝を特集しているので、早速購入、一読してみた。
かっこいい写真の魅力は言うまでもないところだが、佐藤輝明の全ホームランを球種、飛距離、方向、シチュエーションとともに紹介しているページはなかなかよかった。
今回もスポニチの倉世古洋平が才木浩人と村上頌樹の記事を書いていて興味深かった。
とりわけ才木のものは、8月24日のスワローズ戦の8回ツーアウト、8-1、球数118で交代。
「右手に握ったボールを簡単に安藤コーチに渡さず、同学年の佐藤輝明にお尻をポンと叩かれ、ようやく諦めがついた。あとで大山悠輔にたしなめられたほど、不満げな態度を取っていた」とある。
これは藤川監督がシーズンを乗り切るために、疲れの溜まりやすい先発ピッチャーを気遣ってのことなんだが、なかなかその場では納得いがなかったわけだ。
倉世古はこのあと、監督のアドバイスを聞いて才木がピッチングフォームを修正して「7月26日のDNA戦でシーズン二度目の完封、無死球116球の完璧な内容で飾ったのを皮切りに球宴明けに5連勝し、独走Vに大きく貢献した。もし藤川監督のアドバイスがなければ、道に迷ったままだったかもしれない」と書いている。
しかし、この後半戦の5連勝についても、岡田監督は「それは火曜日に投げなくなったからだろう。火曜日はエース級と対戦するから、前半戦は勝ち星が伸びなかっただけ。」と何度も指摘していた。
岡田の考えでは才木のピッチングは前半戦と特に変わりはなく、後半勝てたのは巡り合わせで、大したピッチャーと対戦しなくなったからということになる。
これをどう考えるのか、聞きたいところだが、スポーツ紙のキャップの立場では、思いを書くことは出来ないのだろう。
今月9日から天満宮で開催の古本まつりの目録『萬巻』を入手した。
それによれば会場に出店する古本屋は9ということで、去年に比べて減っている。
去年は大阪の汎書店、小町書店、奈良のキトラ文庫なんかが出店していた記憶があるが今年は参加しない。
天満宮は本殿の改修工事中だそうで、そのあおりを受けて古本まつり会場が狭まるのかもしれない。
さて目録は立派なもので、見たこともないような珍品がたくさん載っている。
少し前に出た『川瀬巴水全木版画集』(2冊、函、DVD)が44000円。
この本は以前京都の勧業館の古本市でも見たことがあるが、その時は8万くらいの値段が付いていた。骨董品の値段はよくわからない。
帝国陸軍が使っていたコンドーム(「突撃1番」)が20000円で出ていて、「未使用、ゴム劣化有り」とキャプションが付いていて面白いね。
また「星秘膏」という名前の日本軍の性病予防薬も出ていて、こちらは2500円と安い。
「突撃1番」は割とよく知られているから、実物が欲しいと思うコレクターも多いんだろう。
西村賢太の署名入り『田中英光私研究』が11万となっている。これは見たこともなく珍しい本だな。