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古本屋日誌
日本一の古本屋である『ブックオフ』は本の分類がきちんとしていて、普通の古本屋と大きく異なる。
文庫本では小説の棚がたくさんあるのは当然だが、去年あたりから文豪の作品は別にスペースを取って展開している。
夏目漱石、森鴎外、太宰治、芥川龍之介、ドストエフスキー、チョーサーなどだが、ここは文庫のレーベル別に整理しておいてある。
鷗外ならちくま文庫、新潮文庫、岩波文庫別という具合で、カバーの背がそれぞれカラフルなので確かに一目でありかを探し当てられて便利だ。
普通の店舗では岩波文庫、ちくま文庫、ちくま学芸文庫、講談社学術文庫、中公文庫、河出文庫はかなりのスペースを取ってレーベルごとに並べられている。
さらに講談社文庫、文春文庫、創元推理文庫、ハヤカワ文庫、草思社文庫、などもそれぞれまとめて置いてあって探しやすいことこの上ない。
普通の古本屋ではそこまで分類できるほど在庫を持っていないことがほとんどだし、整理整頓するにはマンパワーが必要で、到底そこまで手が回らないから、文庫本はごちゃ混ぜに置いてあることが多い。
ところがこれはよくあることなんだが、一旦整理を始めると、さらに細かいところまで突き詰めてみたくなるものなのだ。
それで一部のブックオフでは、文庫のレーベルごとにまとめるのではなく、「自然科学」「アウトロー」「山」「食関連」「世界史」「日本史」「詩歌」「音楽」「宗教」「美術」「政治」「経済」「文化史」など本の内容ごとに細分化して、並べている店がある。
例えばその店舗として三ノ宮センター街店が挙げられる。
ここはたとえば、「日本史」の分類の中に、岩波文庫、講談社学術文庫、ちくま文庫、河出文庫などがそれぞれまとめて並べてあるスタイルなのだ。
文庫をその内容ごとに細分化し、さらにレーベルごとにまとめて並べるというのは、実に手間だろう。しかし一旦やり始めてしまうと、なんとしても維持したくなるものなのだ。
この店でよく見るのは、たくさんの本を抱えて、買うかどうか迷ってるお客さんだ。
本棚から抜き出して手にしたはものの、それが何冊も何冊も溜まってきてしまうと、支払いの金額が気になり出して(こっちは今日はやめとこうかな)と気弱になるのだろう、また棚に戻している。
しかし、センター街店の分類は細分化されていて文学っぽい本の棚も、1番上は「語学」次が「音楽」「美術」「芸術」「日本古典」「詩歌」などと分かれているので、もとあった場所が探し当てられない。
一旦は買おうと思った本だが、とりあえず今日は不要となれば、さっさと戻したいものなんだろう。適当な、いい加減な場所に刺していく。するとすかさず店員さんが「お客さん、それお戻しですか?」と声をかけてくる。
お客さんも助かるし、店員さんも変な場所に本を突っ込まれては、余計な仕事が増えるばかりでこれはウインウインだろう。
たくさん本を読む手にしてるお客さんには、声をかけずにはいられないくらい、分類、整理整頓への熱意は大きいものなのだ。
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