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古本屋日誌
日本マクドナルド社の創業者、藤田田はワニブックスからあれこれ経営の指南書を出している。
『ユダヤの商法』はとくに有名で、先年復刻されるまで高値で取引されていた。
また『ユダヤ流金持ちラッパの吹き方』もその序文に、自分の商売のノウハウをこの本で公開した、本当はこんな安い値段の本ではいけないのだが、慈善事業と思ってやっているということを記していて面白い。
藤田は常々、時は金なりなんかでは無い、時間は金では買えやしないだろうという。
確かに金なら失敗してもまた仕事をするなりして増やすことはできるが、失われた時間は2度と戻ってこないわけだ。
それで彼は今後の商売は店舗を構えて客を待つ伝統的な方式ではなく、頭の中であれこれ工夫してやっていく知識産業や時間を節約できるシステムが求められるだろうというのだが、確かに現在の通販産業の隆盛を見ると確かな眼力を備えていたといえるな。
古本業界でも、店舗に出向いて欲しい本を探しても時間の無駄でしか無いことがしばしばある(ただ、なんとなく面白い本に出逢いたいという欲求を満たすには、お店は素晴らしいけど)。
通販ならたちどころに欲しい本を見つけられるから、大幅に時間を節約できる。
今日で阪神百貨店の古本市は終了。
せっかくなので昼過ぎに行ってみた。
最終日ながら、本は補充してあって、金沢のオヨヨ書林にはちくま文庫の『昭和史探索』『失われた時を求めて』そして『現代民話考』のセットが並んでいる。
やはりなんといっても、松谷みよ子が編纂した全12巻の『現代民話考」は欲しいところだが、全巻きれいな帯が付いていて38500円。
これは古書価としては安い方だと思う。
ただ日本な古本屋サイトやメルカリ、ヤフオクにはかなり出品されていて、珍しい本とはいえない。
他には、三重県のぽらんという古本屋は、少し前に河出書房が出した『スピン』という文芸雑誌の創刊号を出していて3500円となっている。『スピン』は今も定期的に刊行が続いているのだが、創刊号はこれくらいする。
また大阪の古書ゆうらくはだいぶ前にプレイガイドジャーナルが出した『大阪青春街図』の1番初めの版を3000円で出していた。少し傷みがある本だが、これくらいはすると思う。
ナンシー関の『信仰の現場』は彼女の唯一のルポだ。
自ら信者が集まる場に出向いて、インタビューしたり、取材したりしてその実像を描こうとした意欲作だ。
その第一回は矢沢永吉のコンサート(平成3年)で、ナンシーは取材許可を取ってから出向いている。
ところが、「後でチェックの嵐に会い、ひどい目を見た」からそれから後は事前に取材許可などは取らず、ゲリラ的に現場に出向いたとある。
そうなのか、矢沢永吉は取材にはチェックを入れたこともあるのか、とちょっと意外だったな。
確かにナンシーは遠慮会釈なくなんでも書いてしまうところがあって、それが魅力でもあった。
この本でもNHKの渋谷にある見学コースに出向くのだが「私は、NHKから学ぶものなどひとつも無いと思っている」と書くのだ。
彼女とっては、こんな無意味なNHKをありがたがる連中とは一体どんなアレなのか、見てやろうという姿勢だ。
結局、見学はタダなので、ささやかな家庭サービスを求める家族連れがたくさん訪れていると結論づけるのだが、彼女自身は「やっぱり見て学ぶものなどなかった」と書いている。
ただ俺はナンシーがNHKに出演して、例の消しゴム版画のコツを伝授している番組を見たことがある。
彼女は仕事の一環との捉え方なんだろうけど、NHKはけっこう懐が深いよね。
今日から阪神百貨店は初売りで、8階催し物会場で開催中の古本市も300円均一コーナーができている。
開店は9時半で通常より30分早くなっているが、福袋目当てのお客さんがたくさんいるからだろう。
消しゴム版画や芸能界ルポで有名なナンシー関が『信仰の現場』という突撃ルポを出したことがあって、俺が読んだのは角川文庫なんだが、非常に面白い本で今も根強い人気がある。
それが12月に星海社新書として復刊された。
今回の本は1300円くらいするものの、文庫本には収めてないたくさんの写真が収録してあって、ナンシーマニアの俺としてはありがたいものだった。
その中に東急百貨店の福袋の回がある。
なんでもこの百貨店の福袋はとんでもない景品が出ることがあるそうで、1万円のには車だとかテレビ、ダイニングセットという例があるとの情報だ。
ナンシーが朝の9時に出向いたらすでに行列が6階を先頭にして2階までできていて、階段を使い8階の福袋売り場に出向くことになっているというのだ。
つまり2階から8階まで階段で上がるわけで、あの巨漢のナンシーを思うと気の毒やら、おかしいやらだ。
福袋は5000円と10000円の2種類で、ナンシーは1万円のにして整理券をもらうのだが、その番号は400番台の後半。
なんでも1万円のは限定200なんだそうで、400番台だったら買えそうもないよね。それにもかかわらず整理券を出すのは不思議だ。
さて、阪神百貨店なんだが、今回の古本市は規模が小さく、ちょっと期待はずれな感じなんだが、それでも均一コーナーには1990年の『週刊少年ジャンプ』や『チャンピオン』、筑摩書房からでた箱入りの『宮沢賢治全集』(バラ)、呉智英の初期作品、白水社の『歌舞伎オンステージ』、滝井孝作の献呈サイン本なんかが並んでいた。
明けましておめでとうございます‼️今年もあい変わりませずよろしゅうお願いいたします。
昨日は嫁と西宮えびすに初詣に行き、梅田から姫路行きの直通特急に昼過ぎに乗ったのだが、ガラガラだった。
大阪方面から西宮に初詣には行かないのかとか、やはり十日エビスが本番で初詣での人出は大したことはないのかと思ってみたが、阪神西宮で降りると南側の神社につながるロータリーは大変な人出だ。
露店も、昨今流行りのベビーカステラをはじめ、たこ焼き、お好み焼き、肉巻き、焼きそば、リンゴ飴、焼き鳥、唐揚げ、金魚すくい、射的、スマートボールなどひしめいて、特にベビーカステラの露店には長い行列が出来ている。
西宮えびすは全国のえべっさんの総本社であり、10日の朝6時から行われる福男選びでも有名な商売繁盛のお社だ。
今宮エビスや寝屋川のそれが狭い敷地しか確保できてないのに比して、ここは広大な面積があり、境内には松林、太鼓橋を備えた大きな池、茶屋、銅板で包まれ、修理竣工なったばかりの本殿、その他たくさんの末社を備えている。周囲を取り囲む土塀と赤門は重要文化財だ。
駅から神社に伸びるえべっさん筋は大変な人の波で、ようやく境内に入ってからも本殿までの参道は両側に櫛比する露店と参拝客で埋め尽くされている。
ただ、平安神宮や伏見稲荷と違い、列の進行が早く、参道や階段で立ち止まって待つという時間はほとんどない。ゆるゆるではあるものの、ちゃんと進んでいくのだ。
その理由は拝殿の正面が広くて一度に50人くらいが横に広がって参拝出来ることに加えて、「前に進まずにお参りできます。お賽銭は投げ入れてください。」とのアナウンスが繰り返されていたことによるものだろう。
見てみると本殿正面には横に広がる賽銭箱の上に赤い網が軒下から地表までしっかりと吊るされていて、遠い距離から賽銭を投げてもうまく網に当たって下の賽銭箱に入るようになっているのだ。
参拝客はもちろん最前列まで行ってから、徐にお賽銭を入れる慎重な人もいるはものの、5メートル以上離れた人の波のなかから、伸び上がって勢いよく小銭を放り投げる人もたくさんいる。
こっちの方がお金が最後まで目で追えるので、差し上げました感が出てスッキリする。俺も早速かなり遠くから、力を込めて5円玉を差し上げてきました。
今宮や寝屋川えびすでは「うら参り」と称して、正面からお参りした後、裏手に回り、吊り下げてある大きな木の板を備え付けの木槌でたたきもって、「商売繁盛お願いいたします」と念には念を入れたお祈りを行うのが普通だ。
これはもちろんえべっさんが、つんぼだという言い伝えによるもので、耳が不自由な神様によう聞いて頂こうという工夫だ。
しかし俺の見たところ西宮ではうら参りは行われていないように見えたな。