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古本屋日誌
くらたまの旦那の叶井俊太郎が先日亡くなった。
叶井は映画のプロデューサーで、海外からB級映画を輸入して公開したり、また自らプロデュースした映画のスポンサー探しの仕事をしたりしていた。
55だから、まだ若い。
2年くらい前に膵臓癌のステージ3を宣告され、抗がん剤を使って、がんを小さくしてから手術したらどうかと、医者は言ったのだが、抗がん剤の副作用が出るし、うまくいく確率は2割だと聞かされて、結局治療はやらないことにしたそうだ。
血液を取ってする免疫療法やビタミンCなどの摂取による治療はしていたが、結局死んでしまった。
この人がくらたまと一緒になる時のインタビュー記事を読んだことがあるのだが、その時40がらみで、なんでも600人からの女とやったのだというのだ。
高校の頃から海の家みたいなところでアルバイトをしていて、そこでいくらでも仲良くなってしまうのだという。
でも俺自身は三条河原とか嵐山とかで、何回もナンパを試みたことがあるが、一度も仲良くなれたことはない。
またお見合いパーティなんかにも、7.8千円の金を払い何度も参加したことがあるが、これについても、ただの一度もカップルになれたことがない。
(これは俺がモテなかったということではなく、その当時はそういうやり方ではダメだったということなのだが、その話はまたの機会にする。)
だから腹が立つだけで、関心、興味の抱きようもなかった。今回サイゾーから遺作『エンドロール』が出た。
余命宣告後、親しかった友人15人との対談集だ。一読してその潔さには感服した。
特に、医者から抗がん剤を勧められたが、「使うと禿げるよね❓」「髪の毛のほかに、眉毛もそうなります」と言われて、「死かズラか」の選択に悩んだというのだから驚くばかり。
二枚目の色男はそんなところで悩むものなのか。
万葉集を奇怪な奈良弁に翻訳して人気の佐々木良が3冊目の『式部だきしめて』を万葉社から出した。
大河ドラマ便乗みたいなタイトルだが、相変わらず面白い。
浦島子の歌の翻訳は次のようになっている。
(浦島は慣れ親しんだ乙姫にしばしの別れを告げて、生まれ故郷に帰ってきた)
「ところが大阪に帰ってくると、優勝するはずのない阪神タイガースが日本一になっていて、御堂筋パレードをしていました。
ウソや…ありえへん…と、しばらく考え込んだあと、
「せや!これは夢や!現実に戻る方法が、妻からのメールに書いてあるんやな!」といって、メールボックスをあけます。」
白い煙が立ち上り、浦島はたちまち白髪の翁になってしまうわけだ。
タイガースの優勝、日本一が起こり得ない出来事の例えとして使われているわけで、面白いね。
現実のタイガースファンの心情に即した表現だからね。
今日は仕事で心斎橋に出向いて、そのあと、はっすじをぶらぶら難波まで歩いた。
愚かしいコロナ騒動も終了、心斎橋筋は外国からの観光客で、足元がじるい、生憎の空模様など歯牙にもかけず、賑わっている。
観光客はお土産として、何を求めているのだろう。
せっかく大阪まできたのだから、大阪らしいもの、日本をイメージするものも買いたいと思うのではなかろうか。
心斎橋の南詰には中尾書店がある。
ここは老舗の古本屋で、店頭には錦絵のほか、昭和の初めのおもちゃの肉筆画なんかが並んでいる。でんでん太鼓、竹馬、羽子板、べったん、など色彩豊かに表現されていて楽しいし、値段も2000円くらいで安い。
オリエンタリズム的な視点でもいいんだけどね。
でも見たところ、心斎橋筋を行き来する外人客の足は止まらず、買い求める人は少ないな。
他にも二軒のブックオフチェーンがあるが、漫画を買い集めている外人客は確かにいるものの、さまで多いとはいえない状態だ。
先日80がらみの、友人の母親が脳溢血で倒れた。
カートを押して買い物に出て、整形外科医院の前で、ばったり。
すぐに気づいた看護婦が助け起こして、駅前にある少し大きな医院に運んだところ、幸いそこは脳外科も併設していて、「これは開頭手術せんかて、今やったら薬とかでなんとかなりそうや」との見立てで、すぐ関係のある病院に送ってくれた。
見立て通り、意識も回復してリハビリを頑張っているが、右手に少し麻痺がある。
この婆さんはラッキーだよなあ。
自宅で倒れてたら、同居の倅は仕事で晩まで帰ってこないから、麻痺して動けないまま、長時間放置されることになったろう。
当面の入院費などを工面する必要があって、婆さんに貯金の有無をたんねたら「あんなあ、わしの部屋の机の中にある銭がちょっとあんねや。それつこてもうたらええわ。よろしゅうたのんます。はばかりさん」
とのことで、探してみたら現銀で220万くらいあった。
婆さんは30年くらい仕事はしてないから、その前の50才くらいまでに蓄えていたものだろうが、なんで預金しないのかよくわからない。
今日は昨日行けなかった、京都の丸善地下二階の古本市に出向いた。
ここは嵐山のロンドンブックス、一乗寺のマヨルカ、中京の待賢ブックセンターなんかが出店していて、文学書や美術書がたくさん並んでいる。
高橋たか子、河野多恵子の著作多数、『夢声自伝』の揃、山田稔、寺山修司、『岡本かの子全集』、井筒俊彦の著作集、畑中純の『どんぐりと山猫』、SL本、雑誌『国鉄時代』がたくさん。
その中に昭和53年から55年あたりの『きょーとにか』という情報誌の束があった。
月刊の、80ページくらいあるもので、京都市内各所のイベント情報に加えて、キャンディーズの伊藤蘭や映画監督の大森一樹、漫才師のオール阪神巨人のインタビューなんかも載っている冊子で面白かった。ビックリしたのは京都市内各区のモーニングサービスの内容と値段を一覧にしたものが載っていたことだ。
ひまな学生の調査によるものだが、およそ半世紀前でもモーニングは300円以上していた(コーヒとトーストだけでだ)こともわかるし、興味深い。
この当時は大阪の『プレイガイドジャーナル』が有名なんだが、京都には同じような雑誌『京都かわらばん』が出ていたのは知っていたが、さらに『きょーとにか』というのもあったのか‼️
こないだから大阪、京都、神戸、三都の古本市を回ったのだが、改めてブックオフチェーンの凄さを実感させられる。
文庫本のラインナップなど、他の追随を全く許さない一人勝ちの状態となっている。
古本市以外、店舗売りでも例えば大阪のトップはもちろん天牛書店だ。
その天牛ですら、店舗に並ぶ文庫はブックオフの競争相手ではなくなって久しい。
天牛書店は、仕入れた、価値の高い文庫本は店頭には並べず、自社サイトで販売していることも、その一因だ。
(他にも客から買い取る本のジャンルが限られているので、客が面倒だと判断して売らなかったり、出張買取に行く範囲が限られていたりするために本があまり仕入れられていないことも原因ではないかと思っている)
当然店頭の本にはビックリするようなものは無い。
しかし、ブックオフはそういうことはしていない。
全く見たこともないような本も並んでいることがある。(もちろん店舗売りでは動かないと判断して、ヤフオクに出品して捌いている店もあるけどね。)