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古本屋日誌
このところ右奥歯の歯茎がはれて痛む。
こういう時はネットで症状を調べるわけで、歯槽膿漏ではないかとか、歯肉炎だとかあれこれ書いてある。
結局京阪の萱島駅前にある「よしなか歯科医院」に出向いて、レントゲンなどで診断が下り
「奥歯の根の治療が不十分でそこに膿がたまってます、膿は外に出られなないので歯茎が腫れてます。被せを外して根の治療をしましょう」となった。
この後、例の嫌〜なドリルで被せを外したんだが、この被せは15年くらい前にやってもらったものでもう一つ奥の歯とも、繋がっているタイプのものだった。
それでその奥の歯の被せも外したのだが、後に残った角張った、固い物体が舌に当たってかなり痛い。
土曜日に高槻の客の家に行ってあれこれ話すうちに、どうにもチクタクするのが気になる。
トイレに立つフリをして洗面所でコンビニでもうたウエットティシュを小さくして奥歯に巻き付けて、歯が直接舌に当たらないようにした。
これで痛みは無くなったが、口の中に小さなタオルを入れてるわけだから、もぐもぐしてキミが悪い。
松本修がインターナショナル新書から「言葉の周圏分布考」を出した。
松本は例の「探偵ナイトスクープ」のプロデューサーだった人で、「全国アホ・バカ分布考」や「全国マン・チン分布考」など方言に関する面白い本を書いている。
今回は柳田國男の「蝸牛考」を敷衍した本で、様々な単語が京都を中心としたいくつもの同心円を描いて東西に等しく分布していることを主張している。
松本によれば京阪アクセントと東京アクセントもやはり周圏分布しているという。
つまりかつては京都、大阪では東京アクセントが話されていたというのだ。
それはそれとしてこの本の帯は表紙は現在の松本修と百田尚樹の写真が載っている。
百田とは旧知の間柄だけそうで、推薦文も百田が書いている。
ところが裏表紙の方の帯には今から40年近く前のまだ20代だった頃の2人の写真が載っている。
百田はご承知の通りでっぷりとふとり、つるっぱげなんだが、若い頃はまあ当然だろうけど痩身の上に溢れんばかりの黒髪をたたえている。
松本も若い頃はなかなかのイケメンでややふっくらしていたが、今は生活に疲れた男のように頬骨が浮き出て痛々しくガリガリだ。
京都で発生した新しいことばも、時を経て、矢尽き、弓折れてなれの果てが松本、百田の姿なのだ。
俺はそう読んだな。
今日から谷町の大阪古書会館で古本市。早速行ってみた。
矢野、杉本、シルヴァン、アジア、汎、象々、横丁、郁、寸心、真木など。
横丁はいつも大量の和本を出しているが今回はなし。
開店と同時に人だかりができるのはいつもそうなんだが矢野書房だ。
ここは文学書が専門で、様々な初版本やコンディションのよい小説がならんでいるようだ。
私は本は読めればいいと思っているので、文庫本でもハードカバーでも安けりゃいいと思うのだが、そんなことはない❗️というお客様は実に多い。
矢野は本棚に普通に小説本を刺しているほかに、テーブルに木箱を並べてそこに表紙が見える形で本を何冊も並べている。
だから指で一冊一冊、本の表紙をくっていかないとどんな本かわからないようにしているのだ。
これはつまり本のチェックができる人数が絞られてしまうということだ。
小説の愛好家はだから気が気でない、少しでもはやく行っていいポジションを確保したいのだ。
でも、幾ら一番に箱に取り付けても、そもそもどんな本が仕込まれているのかわからないわけだから、空振りもあるだろう。
遅れて行った隣の爺さんが自分の欲しい本を掘り当てるケースだっていくらもありそうだ。
でも不思議なことに血相変えて喧嘩している人はいないのだ。
やはりそこにあるのは諦めだろう。いい本に巡り会えなかったのは俺の定めなんだ、3年前の古本市では、すごくいい思いもした、幸運は順繰りなんだということだ。
でも合理的に考えたら、古本市の朝イチに並んで好運に恵まれるのを待つのは効率が悪い。
あっさり古本屋になってしまえばいいのにな。そしたら後は金を積むだけで欲しい本が手に入る可能性が大いに高まる。これは間違いない。
それはそうと、同じ展示方法は郁書店もやっている。ここは紙もので昔の小冊子を一冊一冊袋に入れて矢野のように箱に表紙が見える形で入れている。中身は袋を開けて確認できる。ただあまり人だかりはできていない。
いつも思うことなんだが、いろんな本をこうた後コーヒを楽しみながら獲物を楽しむ場所がないのが残念だ。
古書会館は2階も3階もあるし、一階のエントランスの横はトラックを横付けできるスペースもあるわけだから、臨時に喫茶スペースを設けてもらいたいものだ。
このところ昼間は20℃をはるかに超えて、家の二階も瓦屋根からの熱が抜けずかなり、暑い。
寝床に入ると耳元で蚊のぶんぶん飛ぶ不快な音が聞こえて来るのだ。
4月なのにお盛んなことだよなあ。
アースのノーマットは去年使い切っている。まさかこんなに早くがが襲来してくるとは思いもしなかってから補充もしてない。
致し方なく布団をかぶってやり過ごそうとしたが、頭までかぶるとさすがに暑い、違和感しかない。
すこしくらいなら布団を上げて隙間を作っても大丈夫だろう。
ところが蚊はしゅうねくも布団の中にまで侵入してきて時折断続的な羽音を耳元で立てる。
こんなに狭い空間に侵入するとは愚かしい、適当に身体をよじりすじりしたら踏み潰せるのではないかと寝返りを頻繁に打ち、なんとかしようと働く。
しかしもちろん徒労に終わりいつまでもうるさい羽音がおさまらない。
万策尽きて掛け布団として使っている薄手の毛布を持って一階に移動して板の間で寝ようとしたが、敷布団もないし、板は固い上に冷たくなかなか寝れない。
翌日は朝8時半から屋根の補修工事をしてもらう。
漆喰の塗り直しのほかズレた瓦をビス止めして位置を戻す、破損した瓦の取り替えといった作業で、23万かかった。
堺筋本町の船場センタービル3号館の一階に槙尾古書店がある。
もともと破産した天牛堺書店があったところだ。
天牛堺書店の目玉は均一販売だった。時によって100均、200均と値段は変わったが、この古本屋は4日に一度古本の全商品を総替えするシステムで長年やっていた。
破産後にできた槙尾古書店も均一販売を続けている。
しかし大きな違いは販売している本の種類だ。
天牛堺書店は岩波文庫や講談社学術文庫、ちくま文庫のプレミアの付いている本もほとんど気にせず均一台に投入していた。人気の高いちくま学芸文庫でさえ380円均一でたくさん売っていた。
せどりで稼ごうという人たちもたくさん来て、スマホや携帯でAmazonの値段を公然と調べている姿が見られた。
というか、そんな生やさしいものではなく、京都の古書組合に入っている古本屋が集団でせどりに来ていた。
彼らは軽トラックではるばる遠征して来ていて、天牛堺書店のブランチを回り、満杯にして帰っていった。
普通なら店主としては腹立たしいところではないだろうか❓
「隠れてやるならまだしも、目の前でやるなよ❗️」とか
「俺はお前らのためにいい本を集めてるわけやないで❗️」
みたいに思わなかったのだろうか。
これが天牛堺書店の最大の謎だ。
槙尾古書店では岩波文庫、講談社学術文庫、ちくま文庫、講談社文芸文庫などは均一台と分けてコーナーを設けて相場で売っている。
これは至極当たり前の話だよな。