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古本屋日誌

2019-07-27 20:19:00

京都の青幻社から橋爪紳也の編さんで「新大阪モダン建築」が出た。戦後の主要な大阪の建築物を編年形式で大きな写真とともに紹介した本で、巻頭に2代目のキャバレーメトロが据えてある。

メトロは宗右衛門町にあった円形の巨大キャバレーで、ホステスは1000人、独自の楽団を持ち、せり上がりの舞台を備えていたといわれる。円形のドームの店内には柱は一本もなく非常に開放的で、またエントランスを入ると段差はなく視線の先にダンスホールが望めたという。

その様子は映画「めし」や花登筺の小説「ぬかるみの女」などでうかがえるが、これまできちんとした写真を見たことがない。今回毎日新聞社提供だというメトロ内部のパノラマ写真が載っていた。中央にダンスホールがあり、ホステスと社交ダンスに興じる客が捉えられ、ダンスホールを取り巻く客席の一角にはオーケストラと思しき楽団が写っている。

また円形のホールへの入り口には左右に分かれてホステスが横一線に並んでいる。ドレスの女もおれば、和服のもいる。「ぬかるみの女」通りで、特段指名がなければ順々に付いていくのだろう。テーブルなんかは丸テーブルや長細いものであんまり高級感はない。椅子も長椅子のようで、集団で座る様子が見られて、まあお手軽な感じだ。料金は安いのだろうが、その辺りのあんばいはどうなんだろうか。

 


2019-07-26 14:02:00

暑い‼️‼️

困ったもんですな、梅雨明け10日のことわざもあるし雨も降りそうにはなく、先々が思いやられます。

田中栞の「古本屋の女房」を入手しました。横浜にある「黄麦堂」という古本屋の夫人が子連れで全国の古本屋をせどりしてまわる話です。

2004年の発売でまだまだアマゾンなどの通販サイトが不十分な時代だったので、古本の価格がよく知られていなかったし、ブックオフも今のように価格を上げることなく、市場価格にとらわれない安い値付けをしていたこともあり、せどりは極めて有効な本集めの手段だったに違いない。なんせ何軒もの古本屋をタクシーを使ってハシゴしていくのだから、相当儲かっていたんだろう。

作者の古本屋は横浜にあったので、さすがに近辺の古本屋は遠慮してせどりはできなかったのだろうが、ブックオフとかの新古本店は古書組合に所属していないから、気兼ねすることなくどんどん仕入れられたようだ。普通の古本屋へのせどりは横浜近辺ではなく、青森とか京都、大阪など遠方が多い。そりゃは多少は気になるだろうし、古本屋の方から出入り禁止を言われることもあるだろう。私も京都の岡崎の古本祭りで、受付の横に設けられた手荷物預かり所にスタンバッテいる古本屋のおじさんが「今日は何しに来たんや?仕入れか?」と話しかけているのを何度も見たことがある。


2019-07-25 13:05:00

綿野恵太が平凡社から「差別はいけないとみんないうけれど」を出した。

足を踏まれた側の苦しみは踏まれた人にしかわからない風の差別批判が以前一世を風靡していたが、今日ではもっと幅広い人が差別を批判するようになって人権に配慮してという感じになっていることを考察した本だ。

まああれですね、1980年代でも差別を受けた人しか苦しみはわからない風の議論は形式論でしかないと思われてはいました。差別されている人間を尊重したいとの思いからその差別の責任を問う資格みたいなものを重んじたわけですが、実際問題そんなことばかり言っていたらサークルのようになってしまうし、運動が広がりません。だから建前としては形式論をゆうかもしれないが、実際はバカにしている風がありました。

それにごく普通に考えても徳川時代のあれやこれやカースト制度みたいに差別があった時代に比べたら、そりゃあましになっているんだから、人口比からいっても差別されてる実感の濃厚な人は減少している。だのに差別された人しか糾弾できない、あれこれ言えないとなると、極端に言ったら絶滅したネアンデルタール人を追い求めるようなものになってしまう。

 

 


2019-07-24 08:25:00

昨日は夕方からかなりまとまった雨で気温も下がりありがたかった。

うちの店は店舗を構えてません。売れても売れなくてもかかってくる固定費を考えるとなかなか踏み切れないからです。もともとは店舗がないと売ることが出来なかった時代が長らく続いたところに、ネット社会が到来し特段店を持たなくても物販が可能になった趨勢もあります。

ただもし店舗を構えるとしたら、文庫本はかなりきれいで、なおかつ最近出たものを揃えないといけないでしょう。文庫本は90年からの歴史があって古い新潮文庫やアテナ文庫、春陽堂文庫、カバーのない頃の岩波文庫などの面白いシリーズもたくさんあるのですが、玄人受けしすぎで向かないでしょう。岩波文庫、講談社学術文庫、ちくま文庫、学芸文庫はそれなりの数と質が必要でしょう。さらにフランス書院の文庫は非常に人気が高く、特定のシリーズを探しているお客さんもいるのである程度揃えたい。他に鉄道の本は硬軟取り混ぜて様々な種類が大量に発行されていて人気も高く、近所で言えば「京阪百年」という京阪電車の歩みを記した社史は探している人も多いです。

さらに青年漫画や絵本、手芸や写真の本は置いてみたいです。このところ大手の取次が古本屋にやってきて、手芸や旅の本を置かないか?と営業しておられます。隔世の感がありますけれど、もちろんありがたくお引き受けします。それから展覧会の図録、CD、大阪の本、占いの本、辞書なんかをたくさん取り揃えたい。


2019-07-23 09:18:00

昨日の晩は雷鳴が響き、かなり雨が降りました。しかし天空を貫くような鋭い響きはなく、どこか優しい稲光であり、カミナリでした。梅雨の終わりを告げているかのようで残念です。

明治の旅行家大橋又太郎の「千山萬水」の続編を入手しました。写真家でもあり日本全国を漫遊して全3巻の旅日記を残しましたが、2巻目には大阪や京都、神戸の探訪記が載っています。又太郎によれば大阪駅前は大阪らしい雑踏とゴチャゴチャした面白さがあるとのことなんですが、確かに今のように巨大なビル群が立ち並ぶ前は背の低いビルや繊維問屋、平屋の市場、これまた平屋の旭屋書店などが入り乱れてました。階段も恐ろしく急勾配で、住吉っさんの太鼓橋みたいな感じで、転げ落ちそうでした。「あれはな、ヤクザの島の関係で地上げがあんばいでけてへんねや。さやさかいせばい地所に建てよるんや」と祖母はゆうてました。