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古本屋日誌
奈良の進学校、西大和学園の浮世博史がさくら舎から『さらにくつがえされた戦国・安土桃山・江戸時代史』を出した。
浮世は大阪教育大の院を出て、長らく中学受験の浜学園で社会を教えていたが、退職して今は西大和にいる。
これまでも百田尚樹の『日本国史』の問題点を細かく記したた全2巻の通史なんかも出していて、なかなか興味深い人物だ。
われわれが習った歴史の知識は、その後の研究で改められていることもいろいろあって、今回の本でも徳川時代の慶安の御触書が実は発布されていないことなんかが書いてあって驚いた。
それはありがたいことなんだが、浮世の面白いのは、世に通っている通説に異を唱えて、自分なりの解釈を出しているところだろう。
うなぎの捌き方は東京は背開き、大阪は腹開きで、これは関東では武士が多いので腹開きにすると切腹を連想して縁起が悪いからだとものの本にはある。
しかし、浮世が言うには東京でもうなぎ以外の魚は全て腹開きなわけで、うなぎだけが背開きとなっていらわけだから、通説では説明になっていないと言う。
確かにその通りで、彼は東京のうなぎの調理法に絡めて、なかなか説得力のある説明を記している。
長嶋茂雄が先日亡くなり、河出文庫から出ていた『長嶋茂雄語録』やPHP文庫の『長嶋茂雄大事典』なんかが高騰している。
長嶋のバカバカしい言動を面白がるファンもいるし、また河出文庫の『語録』は実質的には彼のプレーの写真集なので、『ナンバー』に掲載してあるようなアグレッシブなプレーを楽しむこともできる。
ただ1963年から73年に及ぶジャイアンツの9連覇なるものは茶番でしかない。
野球という偶然の要素も多く、弱いチームでも拍子で勝つケースもあるスポーツで、同一チームが優勝し続けるなど、興行にそもそもなっていない。
単に戦力を独占していただけの話で、そんな低レベルな試合を延々と見せられるわけだから、たまったものではない。
俺は1973年は小学6年だったが、学校を休み、例の最終戦(10月22日だ)を、甲子園にタイガースの優勝を見に出向いた。
一塁側のボックス席だったと思うのだが、近くには東京から来たとか愛知だとか、北海道からだとか、いろんなところから来ている人がいた。
熱心なタイガースファンなのかなと思ったのだが、そうではない人もたくさんいた。
「とにかく巨人は嫌い」「いつまでも優勝するなど下品」「巨人が勝つ試合など飽き飽きした」「長嶋て調子に乗ってるだけで不愉快」というのだ。
興行で、人気商売なのに、ジャイアンツのみ戦力を独占して勝ち続けるスタイルを下らない、バカげていると思う人がそれなりにいることがよくわかった。
実に健全な感性だ。